忙しいトレーニーの味方です。コンビニジムをとことん使い倒す13の掟

多様化するライフスタイルにあわせ、ジムの姿も様々に分化・進化してきた。いくつもあるジムの種類のなかでも、24時間365日オープンしていて、コンビニ感覚で使えるのが「コンビニジム」。コンビニジムを使いこなすにはコツがいる。でもそれさえマスターすれば初心者も楽しめる。上手に利用しよう。

取材・文/井上健二 イラストレーション/ジェリー鵜飼 監修/白戸拓也(フージャーズ ウェルネス&スポーツ)

(初出『Tarzan』No.748・2018年9月13日発売)

「コンビニジム」ってどんなジム? 詳しくはこちら:

仕事が忙しくてジムトレの時間がない…。そんな見え透いた言い訳を許さないのが「コンビニジム」。24時間365日オープンしており、多忙でもコンビニ感覚で生活パターンに合わせて使える。

コンビニジムは日本に本格的に登場してからまだ数年。そのため、実情を知らない人が多く、食わず嫌いで二の足を踏んでいるタイプもいる。また大手の総合ジムやパーソナルジムのような懇切丁寧なガイダンスがない場合も多いから、間違った使い方をしている人も少なくない。

この記事ではコンビニジムを巧みに攻略して、効果的なジムトレを行うための掟を伝授する。この掟を守れば、ジム経験者もビギナーもコンビニジムで思い通りのカラダに近づけるのだ。

1. フツーのジムとの違いを知るべし

総合ジムにも24時間営業している店はある。そことコンビニジムの違いは大きく5点。

  1. スタジオとプールがない
  2. (スタジオがないから)グループエクササイズが存在しない
  3. スタッフ不在の時間帯がある
  4. シャワーはあってもお風呂はない
  5. インドアシューズではなく土足でOK(土足NGの施設もアリ)

この他、ジムエリアの広さもやや狭めであり、マシンやダンベルの種類も限られる。覚悟せよ。

2. 初心者説明会に必ず参加すべし

鍛える狙いが明確で、そのためにどんな運動が適切かを把握しており、なおかつその正しいやり方を熟知する経験者には、コンビニジムは低コストで使えて必要十分。でも、右も左もわからないまったくのジムトレビギナーは、その作法を理解して使いこなす努力が求められる。

まずは初心者説明会できっちり指導を受け、トレーニングのイロハと施設と設備の利用法を学んでほしい(説明会がない店舗は次の項目「3. 早めにパーソナルトレーニングを行うべし」を参照)。

3. 早めにパーソナルトレーニングを行うべし

説明会がない場合、あっても自分一人で続ける自信が持てない場合、1対1で教わるパーソナルトレーニングを受けよう。ジム公認トレーナーに自らの目的に合ったプログラムを作ってもらい、それを実現するためのマシンやフリーウェイトの使い方を詳しく教わるのだ。

当初の1か月は週1ペースでパートレを付けるのがお薦め。コストはかかるが、ジムを活用できず、効果が出なくてガッカリして退会するよりマシ。

4. 自宅か仕事場近くの店舗を選ぶべし

都市部を中心にコンビニジムは急増中。どこに行けばいいのかチョイスに悩むこともある。通いやすいのは第一に自宅、第二に仕事場の近く。自宅から歩いて行ける距離にあれば最高だ。

土足OKのジムなら、自宅からトレーニングウェア&シューズで出かけて、そのままジムワークをこなし、うちに戻ってからシャワーが浴びられる。このルーティーンなら時間ロスが少なく、効率的にジムトレが続けられる。

5. 必ず下見をしてから入会すべし

ロケーションは重要だが、コンビニジムの場合はそれだけで入会を即決するのは性急すぎる。同じ看板を掲げていても、直営店かフランチャイズ店かなどの違いで、導入されているマシンやフリーウェイトのバリエーションなどは異なる。

自宅や職場の近くのお店をあらかじめ見学し、やりたいジムワークができるかどうかをチェックしてみよう。設備面がややプアな程度なら、やはり自宅近くの店舗を選ぶのが正解だ。

ジムではまず下見をしよう

6. タイミングを固定して通うべし

一日のうちでいつ鍛えるのが最適か。これは運動初心者のFAQだが、答えは自分にとって通いやすい時間帯にほかならない。朝型に夜行けと諭しても無理だし、夜型が早起きして通おうとしても続かない。

コンビニジムはいつでも行けるのだから、生活パターンに応じていちばん行きやすい曜日と時間帯を探したい。何事もタイミングを決めた方が習慣化しやすいから、通う曜日と時間帯はできるだけ固定した方がいい。

7. 混雑する時間帯を知って避けるべし

平日の夕方以降など、自分が通いたい曜日と時間帯が残念ながら混んでいることもある。あまりに混雑しすぎて、やりたいマシンやフリーウェイトのラックが埋まっているとメニューが思ったようにこなせずイライラするもの。

ベストタイミングが運悪く混むなら、セカンドベストで空いているタイミングを探すべし。曜日ごとに時間帯別の混雑状況を調べて公開しているジムもあるから、スケジューリングの参考にして。

8. セキュリティへの不安を払拭すべし

24時間オープンだからたとえ真夜中でも通えるが、スタッフ不在の時間帯に行くことに安全面の不安を感じる人もいるだろう。

でも、専用セキュリティキー(カード)がないメンバー以外は入れないし、防犯カメラが死角なくモニタリングしている。緊急呼び出しボタンもあり、ボタンを押すと警備会社と連絡が取れて駆け付けてくれるから、身に危険が及ぶことはまずない(セキュリティの詳細はジムで異なる。要確認)。

9. トレーニング時の安全面に配慮すべし

安全面でむしろ心配したいのは、トレーニングそのもの。ことにフリーウェイトは緊張感を持って真面目に取り組まないと、ウェイトを落としたりして思わぬ怪我を負う場合もある。

ビギナーがフリーウェイトに挑むなら、パーソナルトレーナーに付いて安全で効果的な方法を教わってから。マシンで致命的なトラブルを被るとは考えにくいが、それでも可能性はゼロではない。慣れるまでは、終始気を抜かないように。

10. 時間別に最低3本のプログラムを持つべし

ジムトレの運動時間は正味60分が標準。しかし60分1本勝負だと「今日は60分も時間がないからジムに行けない!」という状況に陥り、習慣化が難しくなる恐れもある。その半分の30分コースも準備しよう。

逆に週末など時間に余裕があるときのために、じっくり鍛える90分コースも用意しておきたい。次に紹介する11〜13番目の項目では、筋トレ重視派、カーディオ(有酸素運動)重視派、両方やりたい派の各タイプでプログラムを紹介する。

11. 30分しかないなら、こう鍛えるべし

筋トレ重視派はマシンを中心に4〜5種目を行う。時短のためにストレッチの時間は設けず、事前に各種目を軽めのウェイトで20回ほどリズミカルに行い、動的ストレッチ的ウォームアップを行う。

カーディオ重視派は好きなカーディオマシンを選び、30分行う。5分のウォームアップとクールダウンを前後に挟み、一定ペースで20分汗を流すのがポピュラー。物足りないなら、休み休みハードに追い込むインターバルトレを試して。

【筋トレ重視】

5種目程度の筋トレ各10回×3セット

20181221_gym_08

ベンチプレス、スクワット、ラットプルダウン、クランチ、ショルダープレスなど。セット間のインターバルは60秒。

※事前に軽めのウェイトで20回ほどウォームアップをしてから行う。

【カーディオ重視】

トレッドミル、バイク、クロストレーナーのいずれか

20181221_gym_13

【5分ウォームアップ→20分メイントレーニング→5分クールダウン】

または

【3分ハード→2分スロー】を6セット行うインターバルスタイル。

12. 60分あったら、こう鍛えるべし

筋トレ重視派は、1種目約5分計算で10種目は行える。大きな筋肉(大筋群)を先にやり、小さな筋肉(小筋群)は後回し。カーディオ重視派は、カーディオマシンから2つを選び、30分ずつ行う。同じ種目を60分も続けると特定の筋肉や関節に負荷が加わり、故障リスクがあるためだ。

60分あれば、筋トレもカーディオも両方一挙にこなせる。カーディオを先にやると筋肥大が起こりにくいから、筋トレから先に取り掛かりたい。

【筋トレ重視】

10種目程度の筋トレ各10回×3セット

ベンチプレス、スクワット、ラットプルダウン、クランチ、ショルダープレスなど目的に応じて。セット間のインターバルは60秒。※事前に軽めのウェイトで20回ほどウォームアップをしてから行う。

【カーディオ重視】

トレッドミル、バイク、クロストレーナーなどから2種目選んで30分ずつ

(やり方は30分コースに準じる)

【筋トレ×カーディオ】

  1. 30分の筋トレ(やり方は30分コースに準じる)
  2. 30分のカーディオ(トレッドミル、バイク、クロストレーナーをどれか1種。やり方は30分コースに準じる)

13. たっぷり90分あったら、こう鍛えるべし

90分コースではメイン60分+サブ20分の配分で、筋トレとカーディオの二兎を追う。筋トレ好きもカーディオで体脂肪を燃やすと筋肉が映えやすいし、カーディオ好きも胸、背中、足腰、お腹くらいは強化した方がいい。

筋肥大効果を妨げないために筋トレ→カーディオの順番で。余裕があるので事前に上半身と下半身の起点となる肩甲骨と股関節を中心に動的ストレッチを。終了後は使った筋肉の疲れを静的ストレッチでリセットする。

【筋トレ重視】

  1. 5分の動的ストレッチ 
  2. 60分の筋トレ(10種目ほど。やり方は60分コースに準じる)
  3. 20分のカーディオ (トレッドミル、バイク、クロストレーナーをどれか1種。やり方は30分コースに準じる)
  4. 5分の静的ストレッチ

【カーディオ重視】

 

20181221_gym_09
  1. 5分の動的ストレッチ 
  2. 20分の筋トレ(ベンチプレス、スクワット、ラットプルダウン、クランチなど4種目ほど。やり方は30分コースに準じる)
  3. 60分のカーディオ(トレッドミル、バイク、クロストレーナーから2つをチョイス。やり方は30分コースに準じる)
  4. 5分の静的ストレッチ

こちらもチェック! 関連記事: