悪姿勢の原因は日常動作にあり! 正しく立ち、坐り、歩く方法【姿勢チェック・基本のキ編】
正しい姿勢を作るトレーニングのその前に、毎日行っている生活動作を見直そう。塵も積もれば山となる。間違った動作をしていると、きれいな姿勢は身につかない!
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/大山幸子/イラストレーション/川上貴士 監修/米澤幸次郎(3D Body Labo主宰)
(初出『Tarzan』No.752・2018年10月25日発売)
姿勢には過去のスポーツ歴やケガ、これまでの日常生活での動きのクセなどがギュギュッと凝縮し、知らない間に悪い影響を与えることが多い。
過去と他人は変えられないが、自らの日常生活での動作をこれから修正することは可能。普段のちょっとした心掛け次第で、姿勢を機能的に整えてハンサムなスタイルを手に入れることができるのだ。
ここでは朝起きてから夜眠るまで、オンとオフで何気なくやっている動作と姿勢の良し悪しを○×形式でチェック。骨の連なりであるアライメントを崩して筋肉の硬さや弱さを招いて姿勢の歪みを招く悪癖を直し、より良い動きを身につけたい。
姿勢の改善にはストレッチやトレーニングも欠かせないが、それ以外の日々の暮らしで姿勢を乱す悪い習慣を放置したままでは効果は半減。一つひとつは微々たる差しか生まないかもしれないが、それが長年積み重なると大きな違いになる。明日の自分をスタイルアップするために、今日から動作を変えよう。
Case1. 歯を磨く
歯磨きは毎日の習慣。ちょっとしたクセでも長い間蓄積すると、姿勢の歪みを招きやすい。猫背になったり、片足荷重になったりしないように気をつけて。口をゆすぐ際も、背中を丸めて上半身を折ると腰の負担に。小さな台を用意して片足を乗せると、背すじが伸びて背骨のストレスが減る。左右の骨盤と肩を平行に保つことを意識し、ときおり踏み替えて偏りをなくそう。
Case2. 自転車を漕ぐ
自転車を漕ぐ姿勢を左右するのは、サドル位置の調節。ペダルをいちばん下まで踏み込んだとき、膝が伸び切る寸前のギリギリの高さに定めたい。サドルが低すぎると、骨盤が後傾して猫背になりやすい。骨盤を起こし、背中が丸まらないように意識したい。脚の歪みを避けるため、ガニ股ではなく膝と足首を一直線に保ってペダリングすべし。
Case3. 歩く
日本人は1日7000歩程度歩いている。時間にすると1時間ほど。その姿勢をキレイに保てたら、姿勢改善効果は高い。正しく歩くには正しく立つのが基本だ。両腕をバンザイして背伸びをしたら、両腕と肩から力を抜いてスッと落とす。これで良い立位が出来上がる。そのまま手足を左右交互に振って歩けばいい。お腹に軽く力を入れ、体幹が潰れて猫背にならぬよう。
Case4. クルマを運転する
クルマのシートがいくら坐りやすくても、背もたれに体重を完全に預けて骨盤を後傾させると背骨が曲がりやすい。ハンドルの2時と10時の位置を両手で握った位置で上体と骨盤が起こせるポジションにシート位置を調整。お腹に力を入れて猫背を避ける。長時間ドライブで同じ姿勢を続けると骨格にストレスがかかるので、1時間おきに休憩をとるように。
Case5. 電車で坐る
立っているより、坐った方が姿勢の軸を作る背骨への負荷が大きい。できれば電車内でも立つのが正解。どうしても坐りたくなったら、背もたれに背中を預けず、骨盤を起こして坐骨で坐り、両脚を引き寄せて組まない。背もたれに背中を預けて骨盤が後傾すると、背骨のカーブが乱れやすい。脚を組んだり、開いたりすると下半身のアライメントが崩れてしまう。
Case6. 電車で立つ
朝から疲れていると、吊り革に摑まって体重を全面的に預けてしまいたくなる。さらにお腹から力が抜けて猫背になったり、片足荷重で関節をロックして姿勢を支えようとしがち。これでは姿勢を支える抗重力筋はサボって衰えるばかり。両足につねに均等に荷重して姿勢を保ち、吊り革は軽く持つだけに留めたい。膝を伸ばすと突然の揺れに対処できないので軽く緩めて。