縦横無尽のアクティブストレッチで肩の血行を促進!【肩甲骨はがし・後編】
これからの寒い季節により顕著になってあらわれる不定愁訴が「肩のコリ」。マッサージ&ストレッチで、肩周辺の筋肉がほぐれたら、アクティブストレッチで縦横無尽に肩を動かし、血流を促進して肩甲骨を整えていこう!
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/山口ゆうすけ ヘア&メイク/村田真弓 監修/<a href="/tags/junji_sugahara/">菅原順二</a>(トレーニングスタジオ アランチャ代表)
(初出『Tarzan』No.711・2017年1月26日発売)
PCやスマホの操作で前傾姿勢を続ける時間が長い現代人の肩甲骨は、冷凍食品並みにカチコチに固まっている。それを柔軟かつダイナミックに動かすために取り組みたいのが、トレーニングスタジオ アランチャ代表・菅原順二さんの特製プログラム。
前半2週間はマッサージ&ストレッチで肩甲骨を解凍して引きはがす。肩甲骨まわりが緩んでくれば、肩こりなどの不快な症状も改善するはず。後半2週間はアクティブストレッチではがした肩甲骨を縦横無尽に動かし、血行促進。内側から肩甲骨を整えていく。
目次
アクティブストレッチで血行を促す
前半の記事で固まった肩甲骨をはがしたら、手を休めずに後半へ突入。肩甲骨まわりがほぐれているから、グリグリ動かす絶好のチャンスなのだ。
ストレッチは筋肉を一つひとつ静かに伸ばす静的ストレッチだった。それに対して後半で取り組むのは、複数の筋肉を活発に動かすアクティブストレッチ。肩甲骨が実際に稼働するときには、一つの筋肉だけが単独で働くケースはあり得ない。そこで緩んで動きやすくなった複数の筋肉を同時にテンポよく動かしながら、一歩進んで肩甲骨のフリーなモーションを引き出す。
「筋肉をアクティブに動かしてやると、筋肉の内部や周りを通る血管が伸縮してポンプ作用で血行が促されます。血液循環が良くなると筋肉は一層リラックスして、肩甲骨の機能も高まるのです」(菅原さん)
全8種目。今度は呼吸数ではなく、回数でプログラミング。回数はあえて少なめに抑えてあるので、1回ずつ丁寧に行って効果を高めたい。
1. ローテーション(左右各5回)
できるだけ大きな弧を描いて上体をスムーズに回してみる
床にあぐらをかいて坐り、両腕を真上に上げて、右手首を左手で持ち、真上に引っ張る。骨盤から下は動かないように固定。左手で右手を引っ張りながら、体幹を左側に倒す。体幹を前屈しながら正面まで回したら、左右の手を入れ替えて左手首を右手で持つ。
右手で左手を引っ張りながら体幹を右側へ回し、両腕を真上に上げて元の姿勢に戻る。回す方向を変えて同様に行う。
2. アップ&ダウン(10回)
肩甲骨の挙上と下制、上方回旋と下方回旋をフルレンジで行う
床にあぐらをかいて坐り、両肘を曲げて体側につけたら、さらに左右の肘を近づけるように力をかけて肩甲骨を下制&下方回旋させる。手のひらを正面に向け、両肩を下げる。肘を伸ばして肩甲骨を挙上&上方回旋させながら、両腕を伸ばして頭上で合わせる。
3. 肩甲骨の内転&外転(10回)
カラダの前で前腕を合わせたら、左右から軽く押し合ってみる
床にあぐらをかいて坐る。両肘を90度曲げて、肘を後ろに引いて肩甲骨を寄せる内転を行う。背中を丸めながら上体を前傾し、前腕を外向きに回す外転をしながら左右の肩甲骨を離し、左右の前腕と手の甲を合わせる。
4. 上腕の内旋&外旋(10回)
肘の角度とポジションを変えずに続けるのがポイント
床にあぐらをかいて坐り、両肘を90度曲げて肩の高さで左右に開く。手のひらを正面に向けたら、肘の角度とポジションを保ったまま、さらに前腕を後ろに倒す。
続いて肘の角度とポジションを保ったまま、前腕を前に倒して回転させる。前腕と手のひらを、カラダのラインよりも後ろに引く。
5. 上腕の内旋&外旋(10回)
日常生活では滅多に入らないひねり刺激をしっかり加える
床にあぐらをかいて坐り、両腕を肩の高さで真横に伸ばす。片腕を肩から外向きに外旋させて手のひらを上に向け、反対の腕は肩から内向きに内旋させて手のひらを上に向ける。肘を伸ばし、左右交互に外旋と内旋を続ける。
6. 寝返り(左右各5回)
まるで寝返りを打つように、背中と体幹全体をツイストする
床で仰向けになり、両腕を肩のラインで真横に伸ばし、手のひらを上に向ける。両足は腰幅に開く。右腕を伸ばしたまま、右手でリードしながら左側へ寝返りを打つように全身を左へひねる。
両足の踵を床につけたままで、できるだけ遠くの左斜め上の床を右手でタッチして戻る。左右を変えて同様に行う。
7. フィールグッドアーム(左右各10回)
左右やってみて、引っかかりがある方向は多めにトレーニング。
左側を床に向けて横向きに寝る。両膝を揃えて曲げ、両腕を肩のラインでまっすぐ前に伸ばす。さらに右手を遠くへ伸ばしたら、手のひらを上に向ける。手の甲を床上で滑らせながら、できるだけ大きな弧を描くように上へ上げる。
右腕を後ろに回して胸を天井に向け、右腕を腰まで回したら手のひらを下に向け、胸を閉じて床に向けながら弧を描くように前方へ回し、スタート姿勢に戻る。左右を変えて同様に行う。
8. 外転&内転ローテーション(10回)
肩まわりをすっきりリセット、デスクワークが多い人に最適
両足を腰幅に開いて立ち、両手を首すじに添えて肘を後ろに引き、肩甲骨を寄せる。肩甲骨を寄せたまま、肘を伸ばして両腕を斜め後ろでまっすぐ肩幅で上げる。
両腕を伸ばしたまま、できるだけ大きな弧を描くように両腕を下げて腰の後ろで両手を組み、肘を曲げて引いて肩甲骨を寄せる。逆のプロセスでスタート姿勢に戻って1回とカウント。