仕事は根を詰めず、こまめに休息した方が疲れないし、創造力も高まるとか。そのブレイクタイムの新習慣にしたいのが、スタティック・ストレッチ。なぜなら休憩中こそ、ストレッチに最適だからだ。
緊張が途切れない仕事中は、自律神経のうちでも心身を興奮させる交感神経が優位になる。ところが、ブレイクタイムにコーヒーやお茶などを飲むと胃腸が動き出し、心身を休息へ誘う副交感神経が優位に切り替わる。そのタイミングでストレッチをすると筋肉は緩んで伸びやすく、血行が促されて疲れにくくなる。
本誌でもおなじみ菅原順二トレーナーに、スーツ姿でも立位と座位で行えるストレッチ6種を提案してもらった。外回りで固まりやすい下半身、デスクワークで酷使する前腕は優先的に伸ばしておこう。
ストレッチのしかた
- 息を吐きながら筋肉を伸ばす。
- ゆっくり吸って吐いてを3回繰り返す。ゆっくり吸って吐いてを3回繰り返す。
立って座って行える、6つのストレッチ
1. 太腿前側(大腿四頭筋)
両足を腰幅に開いて立ち、左膝を曲げ、左の爪先を左手で持つ。背すじを伸ばして胸を張る。息を吐きながら左手で左膝を後ろに引き、上体を前傾させて胸を軽く反らし、左太腿前側をストレッチ。3呼吸保つ。左右を変えて。
2. 太腿後ろ側(ハムストリングス)
両足を腰幅に開いて立ち、右足を左足の外側に置いて両脚をクロスさせる。息を吐きながら前屈して、届くなら両手で右足の爪先にタッチして、右脚の太腿後ろ側をストレッチする。そのまま3呼吸保つ。左右を変えて同様に。
3. ふくらはぎ(下腿三頭筋)
道路の縁石、壁際、階段などの段差に左の爪先をかける。左膝を軽く曲げ、上体をまっすぐ保つ。息を吐きながら左膝を伸ばし、前傾して体重を左脚にかけ、左脚のふくらはぎをストレッチ。3呼吸保つ。左右を変えて同様に。
4. 前腕(前腕屈筋群、前腕伸筋群)
椅子に坐り、右腕を床と平行にまっすぐ伸ばし、その指先を左手で持つ。息を吐きながら左手で右手の指先を手前に曲げ、前腕屈筋群をストレッチ。3呼吸保つ。次に右腕を外向きに外旋させて手首の内側を天井へ向け、その指先を左手で持つ。息を吐きながら左手で右手の指先を下へ曲げ、前腕伸筋群をストレッチ。3呼吸保つ。以上、左右を変えて同様に行う。
5. お尻(大臀筋)
椅子に浅く坐り、右膝に左足首を乗せ、左ふくらはぎを両肩と平行に。左手を左膝、右手を左足首に添える。背すじを伸ばして胸を張り、息を吐きながら上体を前傾して左のお尻をストレッチ。3呼吸保つ。左右を変えて。
6. 腰(腰方形筋、脊柱起立筋群)
椅子に浅く坐り、左脚に右脚を組む。右膝の外側に左肘をかけて上体を捻り、右手で背もたれを持つ。息を吐きながら左肘で右膝を押し、右手で背もたれを押し、左側の腰をストレッチ。3呼吸保つ。左右を変えて同様に。