ヨガと気づき|vol.39

メルボルン出身・東京在住の人気イラストレーター、エイドリアン・ホーガンさんは、数年前にヨガを始めて以来、ライフスタイルが少しずつ変わってきたそう。ヨガが与えてくれるささやかな日々の気づきを、毎週コミックエッセイ形式で紹介します。

イラスト・文/エイドリアン・ホーガン

ヨガの練習において、最も変化を感じられる段階は、最初の1年ほどかもしれません。新しいルーティンに身体がすばやく適応し、わかりやすく変化を実感できます。簡単に進歩する反面、昨日はできたことが今日はやっぱりできない、ということもしばしばありますが。

先生のコメント

ヨガを始めたばかりの頃は、ヨガ経験がなかった時と比べ、身体の変化に気がつきやすいです。個人差はありますが、ほぼ毎日ヨガをしていれば、早くて2、3ヶ月で変化を感じる人も。以前より楽に感じたり、痛かった部分の痛みがなくなったり、冷えが緩和したり。

そのまま数年続ければ、身体が柔軟になって、ポーズも入りやすくなり、すっかりヨガができている気分に!これらの変化は、他のワークアウト、例えばフィットネス、ダンス、ピラティス等でも同じです。

では、これらのワークアウトとヨガが異なる点はなにか。それは、練習を重ねた先で、メンタルや精神面での成長や変化が訪れることです。もちろん、2、3ヶ月でも少なからず内面の変化は起きますが、わかりやすく現れるのは、まだまだ先であることがほとんど。現れた変化は少しずつ、自分を取り巻く環境や生活、あるいは周囲の人への心遣いという形で、反映されていきます。

「偽りなく正直に、自分の心を自由に感じられるように生きる」

これはヨガの講師としての、そして私自身の、ヨガ哲学のベースであり、人として最も大切な事だとも思っています。

わかりやすい変化を求め、欲でヨガをしていては、数年後までは続きません。そうした欲求から解放されたとき、はじめてヨガを続ける意味が理解でき、自身の真の変化に気づくでしょう!

物事を深く掘り下げて向き合うことで新たな世界に出会う、深く面白い人生か、はたまた表面的で俗物的な楽しみを消費する人生か、自分はどちらを選び取りたいかよく考え、精一杯人生を楽しみましょう。