教えてくれた人
神津文人さん
フリーランス編集者・ライター。ランニングやシューズの記事を多数執筆。青山学院大学の原晋監督と中野ジェームズ修一氏との共著『青トレ』シリーズも手掛ける。趣味は柔術、ときどきランニング。
進化し続ける20年、《アディゼロ》の今と新作シューズ3選。
〈アディダス〉のランニングシューズは、そのラインナップの幅と奥行きを、急速に拡充している。なかでも2025年の最大の注目は、20周年を迎える《アディゼロ》シリーズである。
《アディゼロ》は、実は日本で誕生したグローバルモデルだ。2005年、“日本のランナーのために”シューズクリエーターの大森敏明氏を迎えて《アディゼロ》が開発された。
0.01mmの単位までこだわり抜いたラスト(足型)「マイクロフィットラスト」をベースに作られた《アディゼロ》のレーシングシューズは、優れたフィット感を備え、スピードを追い求める世界中のランナーたちの支持を得、またたく間にグローバルモデルに成長したのだ。
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初代となる《ADIZERO LT》。
The adidas Archive/Studio Waldeck
その《アディゼロ》シリーズが生誕20年の節目を迎え、気合十分のモデルが続々と発表されている。 今回、特に注目すべきは3足。
レースで結果を追い求める《アディオス プロ4》。自己ベスト更新やエリートランナーのトレーニングにも対応のマルチモデル《ボストン 12》。そして本気のランナーの日常的なトレーニングやエリートランナーのジョグに選びたい《EVO SL》。いずれも本気のランニングをサポートしてくれる相棒たちだ。
ADIZERO ADIOS PRO 4
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ミッドソールドロップ6mm(踵39mm/前足部33mm)、重量200g(27.0cm片足)、28,600円(税込み)。
ゴールで競り勝つエリートランナーや、フルマラソンで3時間30分以内のタイムを目指す「サブ3.5」などの挑戦を支えるレーシングモデル。この厚底ながら、重量は片足200g!
軽さと速さの秘密は、カーボン製のプレートと、独特なソール構造(とその素材)にある。揺りかごのようなロッカー形状のソールは、フラット面を極限まで圧縮し、爪先へと大きく屈曲。
さらに、カーボンプレートとミッドソールの超軽量にしてクッション性と反発性に優れたフォーム材が連動して、爆発的な蹴り出しを生み出す。アッパーも、足にフィットする新開発の軽量メッシュ素材を採用し、紐を通すハト目にも新たな機構が施されている。
神津さんのコメント
日本人に多い、ピッチを刻む走り方に合っているシューズだと感じました。本気のレースモデルだけど、取り回しが良く、下り坂で加速しても驚くほど安定しています。走力が上がったら試したい“厚底カーボン”モデルですね。
ADIZERO BOSTON 12
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ミッドソールドロップ:8.5mm(踵39.5mm/前足部31mm)、重量270g(27.0cm片足)、18,700円(税込み)。
“厚底マルチランニングモデル”をコンセプトに開発された《アディゼロ ボストン 12》。そのコンセプト通り、レースからトレーニングまで、本気のランナーを“マルチ”にサポートしてくれる。着地から蹴り出しまで、スムーズにカラダが前に進む理由は、ソールに「ロッカー」と呼ばれる揺りかご形状を採用しているから。
さらに5本指のグラスファイバー製プレートで、弾むような蹴り出しもプラス。このプレートを上下で挟むクッション性と反発性に富むミッドソールは、着地衝撃を推進力に変換する。
つまり、レースを含めた高強度のトレーニングや、そのリカバリーのためのジョグでも活躍する一足ってこと。
神津さんのコメント
スピードも出しやすく、路面のグリップ力も高く、しかもレースの後半でもフォームがブレない安定感があります。ゴールまで、リズムに乗ったペースで巡航できる一足ですね。
ADIZERO EVO SL
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ミッドソールドロップ6.5mm(踵38.5mm/前足部32mm)、重量224g(27.0cm片足)、19,800円(税込み)。
レースは、膨大なトレーニングの成果を確認する“答え合わせの時間”。本当の主役は、日々のトレーニングの中身である。距離走やジョグなど質の高いトレーニングで履くシューズには、ランニングフォームや足への負担が少なく、かつ軽やかに走れる機能が求められる。
《アディゼロ EVO SL》は、ソールのロッカー形状がマイルドながら、ミッドソールにはガチなレーシングシューズにも使われる低密度発泡の「ライトストライク プロ」を使用。
高いクッション性と反発性で快適なライド感が得られる仕様になっている。アッパーには軽量かつ通気性に富むエンジニアードメッシュを採用し、上質の快適さを追求。
神津さんのコメント
柔らかで、バウンシー。スピードも出せるので、楽しく走れます。嫌いな人はいないシューズだと思います。シンプルだけど、パンチのあるデザインもいいですね。
日々のジョグに、ロング走にオススメの2足。
SUPERNOVA RISE 2
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ミッドソールドロップ10㎜(踵36㎜/前足部26㎜)、重量273g(27.0㎝片足)、15,400円(税込み)。
ウェイトとともに、体調とメンタルを整えるために走る。そんなライフスタイルにピッタリな一足が《スーパーノヴァ ライズ 2》だ。確実な足運びを促す棒状のパーツ「サポートロッド」と、スムーズな推進力を保つフォーム材「ドリームストライク+」をミッドソールに採用するなど、走行安定性を重視したモデルといえる。
もちろん“走りの快適性”の追求にも手を抜いていない。踵をソフトに包み込む「コンフォートヒールフット」に加え、フィット感に富むメッシュを採用、さらに足の甲に当たるシュータン部分にフィット感を高めるマチ(ガセット)も設けるなどの工夫が盛り込まれている。
神津さんのコメント
フィット感はバツグン! 安心感と安定感があり、ランニングシューズの正当な進化を具現化した優等生だと思います。親しい友人や家族にも薦められる一足です。
ADISTAR C
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ミッドソールドロップ5mm(踵40mm/前足部35mm)、重量270g(27.0cm片足)、17,600円(税込み)。
走るスタイルは十人十色。“スピード命”もあれば、“ゆ~っくり長く走る”LSD(ロング・スロー・ディスタンス)のスタイルも。そんな後者の走りに合うのが《アディスター C》。
ソールは揺りかごのようなロッカー形状なので、自然とカラダを前に進めてくれる。しかも、衝撃吸収に優れたフォーム材「レペティター2.0」をミッドソールに分厚く使用しているため、足への負担を軽減。足首周囲のクッションパッドはフィット感を高め、快適な履き心地が得られる。
※〈アディダス〉のブランドセンターならびにブランドストア、〈アディダス〉オンラインショップ、〈スポーツデポ・アルペン店舗〉、〈アルペングループオンラインストア〉にて限定販売。
神津さんのコメント
ロッカーのかかりが良く、スムーズに前に進めるので、ゆっくり長く、距離を走る「LSD」に向いています。モノトーンのカラーリングもいいですね。
トップアスリートにも、“明日から走る”派にも、ピッタリな一足が見つかる。
各シューズの魅力が分かったところで、改めて今回紹介したシューズを並べてみよう。 フルマラソンやハーフマラソンなどのレースに出場し、自己ベストの更新を目指すランナーにお薦めなのが〈アディゼロ〉シリーズ。
なかでも、レース当日に履きたいのが《アディゼロ アディオス プロ 4》である。そんなスピード重視のランナーが、日頃のトレーニングに選ぶのが《アディゼロ ボストン 12》だ。
5本指のプレートをフルレングスで搭載し、異次元の走りを体感できる(実は《アディゼロ ボストン 12》は、フルマラソンで4時間以内の完走を目指す「サブ4」ランナーのレースシューズとしても人気なのだ)。
トレーニングを欠かさないランナーが、走力のベースとなる距離走やジョグなどで活用する《アディゼロ EVO SL》。プレートは内蔵されておらず、足に優しく、地脚を作るトレーニングを含めた汎用性の高さに定評がある。
「《EVO SL》、汎用性が高くて好きです。ガチのレースなら《プロ 4》、最後まで安定して走るイベントでは《ボストン 12》を選びますね」(神津さん)
日頃のカラダ作り、コンディション調整のためのランニングに取り組む人々にお薦めなのは、《スーパーノヴァ ライズ 2》。“継続”のためには、“快適さ”が欠かせない、ランニングにおける定番モデルと位置付けたい。
さらに、ウェイトコントロールのためにコツコツ距離を稼いで体脂肪を燃やしたり、ゆっくりどこまでも走りたい休日ランにぴったりなのが、《アディスター C》。
「誰にでも薦められる、安心安全な一足となると《ライズ 2》です。《アディスター C》は、仲間と駅伝を走る時に履きたい一足です」
走る理由は、人それぞれ。あなたの理由にぴったりフィットする一足を、アディダスランニングのシューズたちから選びたい。
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アディダスランニングでは、さまざまな“走りのスタイル”に合わせたランニングシューズを展開している。今回紹介する5足以外にも、たくさんのシューズを用意している。
CHECK 1:東京マラソンEXPO 2025に、アディダスが帰ってくる!
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『東京マラソンEXPO 2025』に、なんとアディダスの13年ぶりの出展が決定!
今年の『東京マラソンEXPO 2025』は、2月27日〜3月1日までの3日間、江東区の東京ビッグサイトで開催される。
『東京マラソンEXPO 2025』は、年に一度のランナーたちのお祭りともいえるイベントで、協賛企業のブースやスポーツブランド、スポーツニュートリションなど、ランナーにとって魅力的かつ刺激的な体験の場として、(走る人も、走らない人も含め)多くの人々が訪れる。
この『東京マラソンEXPO 2025』に、なんとアディダスの13年ぶりの出展が決定! 今回紹介のランニングシューズの展示販売はもちろん、アディダスランニングの世界観を堪能できるさまざまなアクティベーションが予定されている。
注目は、アディダスランニングの頂点に位置する《アディゼロ アディオス PRO EVO 1》のトライオン。これって、F1マシン並みのスーパーシューズを試し履きできるってことなのだ。
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《アディゼロ アディオス PRO EVO 1》は税込み82,500円!
CHECK 2:『TOKYO CITY RUN』が今年も開催。
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2024年の『TOKYO CITY RUN』は、明治神宮外苑(新宿区)で開催。
フルマラソンもいいけれど、もっと短い距離も楽しみたい! そんなムーブメントの都市型ランニングイベントが、世界各都市で開催されるようになってきた。2023年開始の『TOKYO CITY RUN』もそのひとつ。
2025年の距離は5kmで、さまざまなランナーが楽しめる参加枠を用意。さらに、日本のトップレベルの招待選手たちと最速を競う『ADIZERO 5K SPECIAL RACE』や最速のランニングクラブを決める『EKIDEN 5K RACE』も併催。
仲間と走る、仲間とつながる 「adidas Runners Tokyo」
アディダスが世界規模で展開するランニングコミュニティ。日本では、東京を拠点に定期的なランニングセッションを開催している。セッションの詳細やスケジュール、申し込みなどは、『adidas Running』アプリにて!
Information
●問い合わせ先/アディダスジャパン
HP:https://www.adidas.jp/
TEL:03-6732-5461