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トレーニングについて“もう10周は回った”人じゃないと気づけないこともある。だからその道の先輩であるAYAさんに、トレーニーに必要な「8つの心得」を聞いてみた。
AYAさん
あや/フィットネスプロデューサー、フィットネスモデル。クロスフィットを踏まえて、「最高のトレーニング」を目指してAYAオリジナルメソッドを考案。2023年11月に『AYA×ちつ姉 最高のフェムトレ』を上梓。
目次
「私はジムを経営していますが、まず知ってほしいのはトレーニング=ジムではないということ。ウォーキングも階段を上るのも立派な運動。日常生活の延長線で運動を始めた方が結局長続きすると思います」
そう語るのは、カリスマフィットネスプロデューサーのAYAさん。体育系大学を出て体育教師になろうとした彼女は、大学の進路指導でフィットネスインストラクターという職業を知り、天職と直感。その後「クロスフィット」と出合い、トレーニングの概念が変わったという。
「クロスフィットは、おもに自らの体重をウェイトとして用い、誰もが生来持つ身体能力をフルに引き出します。同じ発想で、自らのカラダを“マシン”として活用できるのが、賢いトレーニー。自体重なら、ヨガマット1枚のスペースですぐに運動できる。時間がないから運動できないという言い訳は通用しません」
レベルを下げ、駅の階段を上ることも運動と捉えた方が、むしろトレーニングは持続しやすい。
「初めに小さな成功体験がないと、三日坊主で終わりがち。ハードルを下げて“週1回、軽く汗をかくまで歩く”などと決めたら、多くの人はクリアできるはず。そこで自信を得たら、週1回を2回に増やすなど少しずつハードルを上げましょう」
どんなトレーニングでも、続けさえしていれば、ライフスタイルの風向きが変わってくる。
「トレーニングを通じ、自身のカラダと対話すると、食生活に偏りがあるとカラダが重くなるとか、睡眠が足りないと疲れが抜けないといった気づきがある。私もそうでした。鍛えても食事や睡眠を疎かにしたら成果は出ない。それがもったいないと思えたら、食べるものに気をつけるようになるし、質の高い睡眠を取るように自然と意識する。そうしたポジティブなサイクルで、生活全体がどんどん良い方向に変わります」
AYAさんが考えるトレーニングの終着点は、痩せることでも、筋肉を自慢することでもないという。
「最終的に目指すのは、自分の心身に責任を持つこと。何歳になっても自らの足で立ち、日常生活を自律的に楽しむために筋肉を作っておく。投資と同じで運動も早く始めるほどいい。いつかやろうではなく、今日ウォーキングから始めましょう」
トレーニングは、ジムに入会しないとできないわけではない。運動習慣のない人にとってはウォーキングでも多くの効果が得られる。通勤時にひと駅歩くなど、いまのライフスタイルの延長線上でできる運動から始めよう。
週1回の腕立て伏せという目標なら、多くの人はクリアできるはず。その成功体験でモチベーションを高めて頻度を週2回に増やし、次はスクワットにも挑む。「小さな階段を作り、焦らず1段ずつ上っていきましょう」。
自宅は基本的にリラックスする場所。あえてその一角にヨガマットを敷いたり、腹筋ローラーを置いたりして、その気になればいつでもトレーニングできるスペースを確保しておく。そうすれば隙間時間に即始められる。
パーソナルトレーナーは頼れる存在だが、自らの体調は自身がいちばん分かっているもの。トレーニングするうち、カラダの声がよく聞こえるようになる。疲れて悲鳴を上げているときは、躊躇せずに休む勇気を持とう。
毎日ストイックに鍛え続けているイメージが強いAYAさんだが、「週2回はあえてオフ日を作り、好きなものを食べるチートデイを設けている」とか。カラダも心も意識的に休ませないとトレーニングは長続きしないのだ。
24時間いつでも使えるジムも増えてきた。自宅トレでも同じく昼夜を問わずトレーニングできるけれど、ヒトは本質的に日中に活動するようにプログラムされている。「可能なら太陽が出ているうちに運動しましょう」。
ハードワークに励んでも、ジャンクフードばかり食べたり、睡眠不足だったりすると、せっかくの運動の効果を100%享受できない。トレーニーになったら、ライフスタイル全般をヘルシーに整えていこう。
AYAさんでも運動をサボりたくなる日もあるとか。「でも運動を“これくらいでいいや”と適当に済ませるクセがついたら、仕事も適当でいいと思うようになる。人生の練習だと思ってトレーニングに取り組んでいます」。
取材・文/井上健二 イラストレーション/三上数馬
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