波に揺られて健康に。「サーフセラピー」とは?

世界のフィットネスの話題をお伝えする「WORLD FITNESS NEWS」。今回は薬や手術などに頼らない新しいアプローチのサーフセラピーについて。

edit: Takashi Osanai

初出『Tarzan』No.869・2023年11月22日発売

サーフセラピー

サーフィンの特性と医療の力を融合させる「サーフセラピー」

サーフィンにはセラピー効果があるとして活動する団体がカリフォルニアのサンディエゴにある。名称は〈国際サーフセラピー協会〉。

CEOのクリス・プリマシオさんによれば、「サーフセラピー」とは薬や手術などに頼らない伝統的なセラピー同様の効果を得る新しいアプローチなのだという。

サーフセラピー

協会は2017年に設立。当時は8つしかなかった関係団体は今や6大陸に130以上が存在する。サーフィンは有酸素運動なのでフィットネス効果への期待も高い。

サーフセラピー

とはいえ精神や肉体に障害を持つ参加者が行うのは“ただ波に乗る”だけ。

特徴的なのはそのサーフィン体験をサーフィンに長けた人だけでなく、心理学者、理学療法士、セラピストなど医療的な知見を持つ専門家たちもサポートすることにある。

なぜなら「参加者は退役軍人、元少年兵、ギャング、障害を持つ子供など多様で、背景の異なる人たちそれぞれに向き合いながら心理的・身体的なハピネスを得てもらうことが目的」なため。

サーフィンの特性と医療の力を融合させることに本質はあるのだ。

EDITOR

OSANAI TAKASHI/東京都出身。サーフィンやビーチまわりのカルチャーに造詣が深く、世界各地の海で取材と執筆をする。著書に『海と暮らす〜SEAWARD TRIP』がある。