心身をケアするリトリート法。フィンランドに根付く「ピートケア」
世界のフィットネスの話題をお伝えする「WORLD FITNESS NEWS」。今回はフィンランドで心身をウェルビーイングにするケアとして馴染み深い「ピートケア」について。
edit: Takashi Osanai
初出『Tarzan』No.867・2023年10月19日発売
大地の力を感じる気分爽快なリトリート
水分量の多い土壌で有機物が分解・蓄積されてできる泥炭(=ピート)を使った「ピートケア」は、顔やカラダに塗り、サウナの蒸気と熱で馴染ませてから洗い流すもの。
中世ヨーロッパに起源を持つほど歴史が長く、フィンランドでは心身をウェルビーイングにするケアとして馴染み深い。
なにせ自宅サウナで使用できるピートパックが市販されているほど。
それだけ日常的なのは、国土の約3分の1が沼地で良質なピートの産出地という国の土壌に理由がある。
さらに注目なのはピートは腐食物質であること。朽ちていく動植物に微生物が分解・結合しながらできるもので、養分がたっぷりなのだ。
なかには5000年ほど前から堆積してできた沼地もあるという。
悠久の時を超えて手にしたピートが心身をケアしてくれるなんて、その背景を聞くだけで贅沢気分に浸れるリトリート法なのである。
COORDINATOR
UTANO YOSHIKO/ヘルシンキ在住歴18年。TVの撮影帯同を中心に活動。愛犬の柴犬KIKIと森を歩くのが毎日の小さな癒やし。YouTubeチャンネル『北欧さんぽ』更新中。