ヨガの浄化法「ナウリ」って?やり方は? インド人ヨガマスターに聞く
ヨガの浄化法であり、内臓の動きも活発になるという「ウナリ」。その習得方法を、タルン・シェクハル・ジャ先生にステップワークで教えてもらった。
取材・文/門上奈央 撮影/石原敦志
初出『Tarzan』No.865・2023年9月21日発売
タルン・シェクハル・ジャ先生
教えてくれた人
ヨガ講師。インド・デリー出身。2014年に俳優・モデル業のため来日。現在はヨガ講師業が中心で大手フィットネススタジオなどで指導するほかTTC(ヨガインストラクター養成講座)の講師も。インスタは@yogamastertarun。
「ウナリ」ってなんですか?
「サンスクリット語でうねりを意味するナウリ。アーサナ(ポーズ)ではなくヨガの浄化法です」
とヨガ講師のタルン・シェクハル・ジャ先生。一度深い呼吸をしてから、一定時間、腹を左右に波打つように動かすのがナウリだ。
「血流が良くなって内臓の動きが活発になり、手足の冷えにも効果的です。また呼吸や意識のコントロールもスムーズに。ただしお腹を大きく動かすので、食後3時間以内とお腹を下している時、生理中、妊娠中はやっちゃダメです!」
そもそもナウリはヨガ経験者でもできる人が限られる高度なもの。
まずはナウリに必要な呼吸や意識の仕方などを網羅したステップワークから始め、各動作の精度を高めよう。これがナウリ習得の近道。
ナウリをマスターするためのステップワーク
ステップ① ナディショーダナ
「ヨガは左右の偏りがない状態で初めてベストパフォーマンスが出せます。まずは片鼻呼吸でアンバランスを解消」。
あぐらで座り姿勢を正して目を閉じる。小指で左の鼻を閉じたら右鼻から息を吸い、親指で右の鼻を閉じたら左鼻から息を吐く。逆側も同様に。各5回×5セット。
ステップ② カパラバディ
「フッフッと連続で息を短く吐きます。お腹をしっかり引き込んでバキューム(真空状態)にするイメージ」。
あぐら座りで姿勢を正し、腹部に手を当てる。両鼻から息を吸い切って腹を膨らませたら、腹を凹ませながら鼻から息をフッと勢いよく吐く。これを反復。30回×3セット。
ステップ③ マハ バンダ
「バンダとは“締める”の意。ムーラ(会陰部)、ウディヤナ(へそ下)、ジャーランダラ(喉)の3か所をそれぞれ引き締めて、体内のエネルギーのサイクルをよくします」。
ムーラは肛門を締めるように。ウディヤナは下腹部に意識を向け、引き込んだ状態を保つ。ジャーランダラは顎を鎖骨にタッチさせるくらい引き切ろう。各30秒キープ。
ステップ④ クンバカ
「クンバカは息を止めること。吸息と吐息の間のモーメントを感じて」。
息を吸ってから止めるのがアンタラ。上体を脱力させた姿勢から、上体を反らし腕を上げて息を吸い切り息を止める。
一方、息を吐いてから止めるのがバーヒャ。上体を脱力させた姿勢から息を吐きつつ上体を起こし、吐き切った時点で息を止める。まずは30秒キープを目標に。