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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は「春のストレス対策」について。
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
春らしい強い風が吹いています。この春は花粉や黄砂が例年に比べて多く、アレルギー症状に悩む方が多い傾向にあります。さて、これに加えてイライラ、肌荒れ、不眠のトリプルパンチに悩まされてはいませんか?
人のカラダを大自然に反映してとらえる五行説によれば、春はストレスと大変関係の深いシーズンです。
肝心脾肺腎の五臓の中の肝はストレスによるダメージを一番受けやすく、春は特に重視されます。そしてストレスによってダメージを受けた肝は、時に肌荒れや不眠をも呼んでしまうのです。
五臓の肝のもつ働きは専門的な言葉で言うと、疏泄(そせつ)作用、そして蔵血(ぞうけつ)作用です。疏泄とはカラダのエネルギーを全身に巡らせること、蔵血とは血を貯めておいて血量をコントロールすることを言います。
ストレスにさらされると肝は機能低下に陥って疏泄と蔵血ができないことから、さらに厄介な症状を生んでしまうというわけです。
その代表的な症状がイライラ、肌荒れ、不眠です。
疏泄作用の滞りは抑うつ状態を呼び、イライラしやすくなります。滅入ったり怒りっぽくなったりもします。
また、エネルギーの巡りが悪くなることで、栄養や潤いをカラダに行きわたらせることが困難になり、これが肌荒れとなります。つやがあってキメの細かい明るい肌は、エネルギー循環の賜物です。いくら外側からケアしても、めぐりの悪いカラダで美肌を維持するのは難しいですよね。
そしてさらに、蔵血作用の低下で不眠が起こります。
血(けつ)は漢方の概念で陰に属するもの。十分に血を貯えられないカラダは、落ち着いて休むための陰の力が不足していますから、妙に熱っぽくなったり、またここでもイライラ感が増したりして、いい眠りから遠ざかってしまいます。
こんな風に、イライラ、肌荒れ、不眠は、春にゆらぎやすい五臓の肝を共通項にしてやってくるというわけです。
そんなに一度に来られたら、さらなるストレスで負のスパイラルに…と心配になりそうなところですが、こじらせる前に不調の源の肝をケアできれば、それこそ芋づる式に体調の回復が見込めるというものです。
ストレスの原因はどこにあるか、まずはご自身をしっかりと振り返ることが大事です。花粉や黄砂に敏感な体質からくるストレスであれば、まずはアレルギー対策を。炎症で引き起こされる諸症状、痒みなどは相当なストレスです。副次的な症状を呼び寄せる前に対処しましょう。
そして環境からくる慢性的なストレスであれば、疏泄や蔵血を助ける食材も有効です。柑橘などの香りのよいもの、青菜や黒米など色の濃い食材が助けになります。
いろいろやってもうまくいかないなら、腰を据えて漢方薬を使ってみたり腸活をしてみることをお勧めします。
普段はやり過ごせていることもそうできない、それが春です。イライラ、肌荒れ、不眠のトリプルパンチに対抗できる、ご自身にあったストレス対策を。