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ホルモンを意識して筋肥大を効率的に
筋トレを頑張っているのに、なかなか思うようにカラダが仕上がらない。多くのトレーニーが直面するこの悩みを解消するのは、筋肉と深く関係するホルモンである可能性も。とはいえ、汗と違って「今、出てる!!」なんて体感もないホルモンの分泌を、いかに増やしていくのか?
「運動・栄養・休養。これらの質を高めることで筋肥大に重要なホルモンの分泌を促します」と語るのは〈スタジオバズーカ〉ヘッドトレーナーの寺田健太郎氏。ルーティンの筋トレに加えて、ホルモンがきっちり分泌されるような生活に切り替えることが筋肉を育むうえでの条件だ。
トレーニーが攻略すべきカギとなるホルモンは、成長ホルモンとIGF-1。
「前者は体脂肪の分解に加えて筋肉の合成や修復に働きます。分泌を増やすには筋肉の収縮動作に重点を置くスロトレが最適。そして、成長ホルモンの作用により骨格筋の中でつくられる後者は筋肥大に働く。分泌には負荷をかけて筋肉を十分に伸展させる筋トレが有効です」
2大ホルモン分泌の3本柱
① 眠りが浅いと損をする。理想的な睡眠の条件
眠り始めて30~60分ほどで達するステージ3の深いノンレム睡眠で成長ホルモンが分泌され、細胞修復をサポート。浅い睡眠では十分に分泌されないので、質の高い睡眠を取るための工夫が大切だ。
② 脚や背中など大きな筋肉を動かすスロトレが有効
脳の下垂体から分泌される成長ホルモン。大きな筋肉を使うような運動をするだけでも成長ホルモンは出るが、分泌量を増やすには筋肉に乳酸が蓄積されpH値が上がるような刺激を入れるのが効果的。
③ ホルモンの原料を満遍なく摂れる栄養摂取は不可欠
いくら運動と休養を意識しても、ホルモンの原料となる栄養が不足すれば元も子もない。脂質の一種であるコレステロールや成長ホルモンの分泌を高めるアルギニンなどを普段からバランスよく摂取。
今回はこの2大ホルモンの分泌を促す朝習慣を紹介。一日の用事に気を向け“ながら”実践できる、ささやかな習慣が筋肉を目覚めさせ、その日の睡眠にも貢献。さあ、ホル活開始!
7:00 日差しを浴びて起きる
睡眠は成長ホルモンを出す絶好の機会だが、あくまで快眠が条件。
「朝日を浴びると、寝ている間に出ていた“睡眠ホルモン”ことメラトニンの分泌が抑制され、カラダが目を覚まします。一方これで起床後14~16時間後に再分泌されるスイッチが入るため、その日の夜の入眠がスムーズに」(寺田さん)
体内時計を整えることが大切だ。
7:10 白湯をゆっくり1杯飲む
健康的なルーティンの象徴、白湯。
「内臓が温まると胃腸の働きが促されます。腸内環境の乱れは自律神経の乱れにも影響し、結果睡眠の質を下げます。睡眠の質が下がれば成長ホルモンの分泌にも当然影響が。白湯を取り入れ、腸の温活を」(寺田さん)
7:15 ストレッチでカラダを起こす
寝ている間に似たような姿勢を長くとることで縮まった全身の筋肉。3種目の動的ストレッチで柔軟性を上げ、眠った筋肉を目覚めさせよう。
7:30「いただきます」でパームプレス
成長ホルモン分泌のために筋収縮の機会を少しでも増やしたい。「“いただきます”と手を合わせた時に、両手をしばらく押し合う。これは大胸筋に負荷を与える種目、パームプレスと動作自体は同じ」(寺田さん)
ならば朝食前にパームプレスを行い大胸筋をぎゅうぅっと縮めよう(遅刻しない程度に)。
7:30 朝食にはタンパク質&亜鉛
筋肥大にはもちろん、成長ホルモン分泌のためにもおろそかにできない朝食。
「ホルモンの原料となるアミノ酸や脂質、成長ホルモンの合成や働きに関わる亜鉛は積極的に摂るべき。納豆卵かけごはん×シジミの味噌汁は言うことなしの栄養バランスですし、時間がない朝も用意しやすい献立。シジミ汁はレトルトでもかまいません」(寺田さん)
8:00 歯磨き中はスロースクワット
歯磨き中は手持ち無沙汰になりがち。ホルモン的にはこの時間も惜しい。「成長ホルモンの分泌に影響する乳酸の生成を増やすには大筋群を鍛えるのが効率的です」(寺田さん)
スロトレを念頭に、普段の0.5倍速で太腿の筋収縮を味わいつつスクワット。
8:20 自転車通勤はギアをMAXに
朝の通勤を大筋群トレタイムに。
「有酸素運動より無酸素運動の方が成長ホルモンの分泌量は多い。よって家から駅までの距離をただ歩くよりは、ギアを可能な限り重くした自転車を漕いで太腿の大腿四頭筋やハムストリングスをフル活用する方が大筋群に負荷がかかります」(寺田さん)
タラタラ漕げば低負荷に。筋肥大のため、負荷MAXで出社しよう!