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【解説】「ストレス」と関わりが深い3つのホルモン

そもそもストレスとは

ストレス社会を生きる現代人にとって、ストレスと上手に付き合い、解消していくことはもはや必要なスキルの一つとも言える。そこで、ポイントとなるのがホルモン・マネジメントだ。ストレスと関わりが深い3つのホルモンを学んでおこう。

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ストレスとホルモンの関係とは?

気温が激しく上下しても、健康なヒトの体温は平熱に保たれている。このように、ヒトには、外部の環境がどんなに変わっても、内部の環境をなるべく一定に保っておく仕組みがある。これは、ホメオスタシス(恒常性)と呼ばれるもの。

ところが、何らかの刺激を受け、そのホメオスタシスが崩れて内部環境が乱れることもある。それがストレスだ。ストレスとは、もともと物理学の用語。力が物体に加わり、ひずみが生じた状態を指している。

これをヒトに当てはめ、ストレスと呼んだ生理学者ハンス・セリエは、「ストレスは人生のスパイスだ」という名言を残した。

確かに、人生にストレスは付き物だし、適度なストレスはやる気や活力を引き出してくれたりもする。一方、ホメオスタシスを維持する回復力や適応力(レジリエンス)を大きく超える強いストレスは、スパイスどころか劇薬となり、心身に深いダメージを与えてしまうのだ。

このストレスからのレジリエンスでポイントとなるのが、ストレスを感じると分泌される各種ホルモン。ホルモンを分泌する内分泌系と、協力して働く自律神経こそが、レジリエンスを担う主役なのだ。

平穏な日々を乱すストレスの種(ストレッサー)を少しでも減らす努力はしたいものだが、ハラスメントや新型コロナウイルス、急激なインフレのように、自分の力だけでは対処が難しいものも少なくない。だからこそ、ホルモンを味方につけながら、ストレスを良き人生のスパイスにするための方法について考えてみたい。

まずは炎症と化学的ストレスに対処しよう

ストレスとの関わりで近年注目されているものがある。“炎症”だ。炎症とは、ホメオスタシスを保つための防御反応の一つ。炎症というと皮膚の痒みや赤みを想像するが、体内でも炎症は起こる。ことにストレス下では同時多発的に発生する。

この炎症を抑えるホルモンが“コルチゾール”。ストレスの慢性化で炎症が連続すると、火消し役のコルチゾールを分泌する副腎がフル回転。いずれ燃え尽き、疲労を招くのだ。

ストレスというと人間関係など精神的なものを想像するが、それ以外にも炎症の火種は多い。寒暖差などの物理的ストレス、コロナなど感染症による生物学的ストレスもそうだ。

ストレスの種類

炎症は一種の免疫反応。基本はポジティブなものだが、慢性化&同時多発化するとホルモン分泌や自律神経系が機能不全を起こす。炎症の火種でとくに問題なのが化学的ストレス。

なかでも、知らない間に炎症源となり、心身を弱らせるのが、化学的ストレス。胎児のへその緒や臍帯血からは、母体から受け継いだ200種以上の化学物質が検出されるとか。環境の悪化、化学物質の増加などで、化学的ストレスは増えていく。

人間関係などの精神的ストレスを一気に減らすのは難しい。せめて化学的ストレスを減らして、炎症の火種を消し、レジリエンスを高めよう

抗ストレスの主役、コルチゾールとは?

ストレスから心身を守る代表的なホルモンが、コルチゾール。副腎から分泌される。血糖値を上げたり、体脂肪を分解したり、交感神経を刺激して血圧を高めたりして、活動に適した環境を演出する。

このため、とくに大きなストレスがなくても、コルチゾールは誰でも毎日分泌される睡眠中はその分泌は低いレベルに留まるが、起床する数時間前に分泌量が急激にアップ。日中は高いレベルで保たれている。

ところが、ストレスが加わると、コルチゾールの分泌量は跳ね上がる。ストレスに対抗するため、カラダの活動レベルを1段階も2段階も引き上げる必要に迫られるからだ。

「チーターに追われるガゼルが良い例。天敵に襲われるなど短期的なストレスに対して、コルチゾールは頼りになる武器。しかし現代のように、日々慢性的にストレスに晒されれば、コルチゾールがダラダラと出続けて副腎が疲労困憊に。やがてコルチゾール分泌が滞り、ストレスに対処できなくなります」(スクエアクリニック・本間龍介医師)

副腎は、コルチゾール以外にも50種類以上のホルモンを作り、それらは甲状腺ホルモンや性ホルモンといった他のホルモンの土台となる。副腎が疲弊してホルモン分泌が滞ると、慢性的な疲労が起こるので要注意だ。

副腎は甲状腺ホルモンや性ホルモンの土台

副腎皮質からはコルチゾール、DHEA、アルドステロン、副腎髄質からはノルアドレナリン、アドレナリンなどが分泌される。それらは甲状腺から出る甲状腺ホルモン、精巣や卵巣で作られる性ホルモンが働く土台となる。

知っておきたいセロトニンとオキシトシン

コルチゾール以外にも、ストレスとリンクするホルモンは多い。ここではセロトニンオキシトシンを取り上げよう。

まずは、セロトニン。脳内で分泌される神経伝達物質の一つであり、視床下部、大脳基底核、延髄などに高い濃度で分泌されている。

脳内にはセロトニン以外にも多くの神経伝達物質があり、メンタルの起伏を左右している。なかでも、喜びや快楽をもたらすドーパミン、不安・緊張・興奮などを促すノルアドレナリンの役割が大きい。セロトニンは、ドーパミンとノルアドレナリンの暴走をなだめ、ストレス下のメンタルを安定させてくれる。

質の高い眠りはレジリエンスに不可欠だが、セロトニンは眠りにも関わる。眠りを整えるメラトニンというホルモンは、セロトニンから合成されるのだ。セロトニン不足だとメラトニンの機能が落ち、眠りの質が下がってストレスに弱くなる。

続いてオキシトシン。視床下部で作られ、脳下垂体から分泌される。オキシトシンは、女性の妊娠や授乳に必須のホルモンだが、親しい人やペットなどとのスキンシップでも、年齢性別を問わず分泌される。不安な気持ちを落ち着かせて、緊張をほぐしてストレス解消へ導く。

取材・文/井上健二 イラストレーション/mrsn 取材協力/本間龍介(スクエアクリニック副院長)

初出『Tarzan』No.836・2022年6月23日発売

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