腕を使ったゆる運動で、鍛えにくい背中に簡単アプローチ

体脂肪を減らすのに、もちろん運動は有効だが、運動不足の人がいきなり定番のフッキンやスクワットをやっても、ツラさゆえに続かないのは目に見えている。そこでおすすめなのが定番種目をダウングレードして始めること。今回はインバーテッドロウのダウングレード種目をご紹介!

取材・文/鈴木一朗 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 トレーニング監修/清水忍(IPF)

初出『Tarzan』No.835・2022年6月9日発売

ロデオスペシャル ロデオスペシャル 自宅トレ

ダウングレード種目で楽に習慣化

言うまでもなく、体脂肪減を目指すうえで重要なのは運動。ただ、よく知られたプッシュアップやスクワットなどにいきなり取り組むのはお勧めできない。これらは、日頃から運動をしていない人にとっては、かなりレベルの高いものなのだ。

まずは強度を落としたダウングレード種目で、習慣化を目指そう。今回は、ビギナーでもできるインバーテッドロウのアレンジ種目を紹介!

今回ダウングレードする種目

インバーテッドロウ

ロデオスペシャル ロデオスペシャル 自宅トレ

カラダを脇下まで机の下に潜り込ませる。膝を曲げ、腕を伸ばして、両手を肩幅の1.5倍に開き、机の端をつかむ。肘を曲げ、膝から肩までを一直線にし、カラダを引き上げて、元へ。懸垂に似た効果が得られる。

腕を使って背中を鍛える“ロデオスペシャル”

腕で引くときに重要なのが背中の筋肉。ただ、日常生活の中で“引く”という動作はほとんどない。背中の筋肉が力を発揮する機会は少ないのだ。

これがとてもマズイ。ひとつの筋肉が衰えるということは、他の筋肉に悪い影響を与えてしまう。弱い筋肉に合わせるように、カラダ全体を調整してしまうからだ。だから、背中だけに留まらず機能低下が起きていく。

そこで、まずはインバーテッドロウより負荷の低いロデオスペシャルを。イスの背を手でつかみ、後方に倒したカラダを前方へと引き寄せる。これで、日常生活にない動きを作り出せる。

ただ、ひとつ注意したいことがある。上体を前方に起こすときに、肘を曲げてあくまで腕の力で引き寄せることだ。腹や太腿の筋肉を使ってしまうと簡単に起こせるが、これでは背中にはまったく効かなくなる。

やり方

ロデオスペシャル ロデオスペシャル 自宅トレ

イスの背に向かって座り、脚を前方に伸ばす。背もたれの上を手でつかみ、上体を後方へと倒す。膝を曲げて足をイスへと近づけ、同時に肘を曲げて上体を前方へと引き寄せる。背すじはまっすぐ、必ず腕の力だけで上体を起こすよう注意。

物足りなくなったらアップグレード

まずは最低15回繰り返すことから始めよう。本当に楽勝なので毎日でもできるはず。そして、回数を増やしてもこの運動に物足りなさを感じるようになったら、元となったトレーニングにアップグレードすればよい。

体脂肪は1日、2日ではなく、長いスパンで悪い習慣によって蓄積される。これを減らすなら、やはりいい習慣を身につけるしかない。1年かけて太ったんだから、1年かけて痩せる。これぐらいの感じで、ゆっくりと行おう。