肉より魚を先に食べた方が痩せる
何を先に食べて、何を後回しにするかという「食べ順」で、太りやすさが変わるというのは、もはやダイエッターの常識。おさらいしよう。
食べ順の鉄則は、ご飯やパンといった糖質の摂取を後回しにすること。空腹で糖質を大量に摂ると、血糖値が一気に上がり、体脂肪合成を促すインスリンというホルモンが分泌される。だから、太りやすいのだ。
主食の糖質は最後に回すとして、主菜が肉か魚ならどちらを選び、先に食べるべきか。正解は魚だ。
「肉には飽和脂肪酸、魚にはEPAなどの多価不飽和脂肪酸が含まれます。飽和脂肪酸は、小腸から体脂肪蓄積を促すGIPというホルモンを分泌しやすいのに、多価不飽和脂肪酸はGIPの分泌を促しにくいという特徴がある。
主菜は魚を選び、主食より先に食べた方が、体脂肪は溜まりにくいのです」(日本体育大学体育学部の岡田隆教授)
さらに、主菜を食べる前に、穀類や野菜から食物繊維を摂るべき。すると肉を食べても太りにくくなる。
肉を食べるならサラダと一緒が吉
副菜の野菜を主食よりも先に食べると、野菜の食物繊維が消化吸収をゆっくり進め、血糖値の上昇を抑えるから、太りにくくなる。上で説明したように、肉の飽和脂肪酸は体脂肪の合成を促しやすいが、野菜と食べると、それは防げる。
栄養素は小腸で吸収されるが、面白いことに飽和脂肪酸は小腸のどこで吸収されるかにより、体脂肪の蓄積度合いがガラリと変わる。
飽和脂肪酸が、小腸上部で吸収されるとGIPが分泌されるのだが、小腸下部で吸収されると、食欲を抑えるGLP-1というホルモンが分泌されるのだ。
食べすぎを抑えて体脂肪を減らすには、飽和脂肪酸を小腸下部で吸収したいもの。その戦略を実現する簡単な方法は、肉料理などをコンビニサラダと一緒に食べること。
「コンビニサラダ1食分の50g程度の野菜と同時に摂ると、飽和脂肪酸の消化吸収がゆっくり進み、小腸下部で吸収されてGLP-1の分泌を促しやすくなります」(管理栄養士の岩崎真宏さん)