デスクワークが多いなら。眠る前に「頭の筋膜リリース」| 夜の自律神経メンテ術⑥
自律神経の働きを支える良質な睡眠、その鍵を握るのは「交感神経→副交感神経」の切り替えだ。幸い、交感神経から副交感神経優位な状態へと移行する方法は多々ある。【夜の自律神経メンテ術】は仕事後〜就寝の間にできるメソッドを紹介。今回は「頭の筋膜リリース」。
取材・文/鈴木一朗 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/長田夏哉(田園調布長田整形外科院長)
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売
デスクワークが多いなら「帽状腱膜」をほぐそう
現代では自律神経を乱す原因は多い。
たとえば、デスクワーク。緊張しながら近くの画面に眼のピントを合わせるが、これは本来のヒトの行動に反する。遥か昔、狩猟をするときは、緊張状態で“遠く”に焦点を合わせていたので、この違いが自律神経の不調を生む。
影響が出やすいのが頭皮の下にある帽状腱膜。一日の仕事で硬くなることも多いので、呼吸に合わせて指で緩めたい。下記の実践法の中の「百会」は頭頂部にあるツボ。多くの症状の改善が期待できる。寝ながらやれば、そのままグッスリ。
① まずは後頭部を伸ばして緩める
両手を拳に握り、後頭部の骨の出っ張った部分(外後頭隆起)に、4本の指の第2関節を当てる。髪をかき分けるようにして、皮膚と関節を密着させる。
口から息をゆっくりと吐き、内から外へと小さく円を描くように指を回し、耳の方向へと少しずつずらし、耳の後ろにある出っ張った部分(乳様突起)まで動かしていく。皮膚表面だけをさするのではなく、皮膚の下にある筋膜も一緒に緩めるように行うこと。
乳様突起まで到達したら、フーッと口から息を吐きつつ、髪の生え際に沿って拳をうなじへと下ろしていく。このときも皮膚の下にある筋膜を動かすように行うこと。
さらに、両手を広げて後頭部に当て、親指の腹でうなじに沿って圧をかけて終了。
② おでこの下にある筋膜も緩める
- 中指を中心に眉間に3本の指の腹を密着させる。
- 口から息を吐きながら指で圧をかけ、
- 髪の生え際までジグザグに指を動かす。
- 皮膚表面をさするのではなく、皮膚の下にある筋肉を動かすようなイメージで行う。
- ひと呼吸でできないときは、息を吸い、また吐いて行う。
- 寝て行うのも可。
③ 指で圧をかけて頭頂部まで
- 正中線(カラダの中央を走る線)上に中指が来るように、前髪の生え際に3本の指を当てる。
- 息を吐きながら、頭の中心をイメージして、そこへ向けて指で圧をかける。
- 吐き切ったら鼻からひと息吸い、正中線に沿って頭頂部側へ2cmほど指を移動して、息を吐いて圧をかける。
- これを繰り返し、頭頂部にある百会に到達したら、元に戻ってもう一度。
- 寝て行うのも可。