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山を走るって、上り坂も? 苦しいじゃん
トレイルラニングにも競技・レースというヒイコラ、汗だくだくのカテゴリーがあるけど、無理強いはしません、やりたい人がやればいい。
トレランはアウトドアの遊びです。山のジョギング、速歩きのハイキング、と思ってください。楽しく気持ちよく山を遊ぶ手段です。苦しいこと、イヤなことはしません。
「じゃあ、上り坂は?」。はい、上り坂は走りません、ゆっくり歩きます。平らなところ、そして下り坂だけ走ります、もちろん気持ちのいいジョギングペースで。
言葉を言い換えましょうか。トレイルラニングを苦しくするのも、ラクに楽しくするのも、あなた次第。つらくなったら、ゆっくり歩けばいいし、うわここ走れるー、と思えるところ(たいていゆるやかな下り)はちょい速く。
山ではキロ何分とか心拍数とか、そんなのどーでもいいんです。楽しい山遊び、それがトレイルラニングなんですから。
走ったことがないんだけど、トレランできますか?
あれれ、大胆な人がいますね。ちゃんと答えましょう。
下肢の筋収縮活動を比べると、舗装路を走るより土の道を走る方が負担が少ないのです。つまり同じ5kmを走ったときトレランの方が足・脚がラク、疲れないってこと。まさかあ!?って思うでしょうけど、山を走ってみればわかります(もちろん上り坂はのんびり歩きますよ)。
だって地面からの反発衝撃は舗装路(アスファルトは硬い)が大きく、トレイル(土は柔らかい)は小さいでしょ。アキレス腱やふくらはぎの負担はトレランの方が少ないんです。
さてさて、そんなことからランニング経験のない人は次に紹介する「公園の土の道」でデビューしましょう。下肢に大きな負担がなく、心肺を鍛えられます。そして5kmを休まず通しで走れるようになったら里山に走りに行っても大丈夫でしょう。ただし、身体能力的には、です。
土の道を見つけましょう、近所の公園はどお?
「山ジョグかあ、いいなあ」。賛同してくれるのはうれしいけど、いきなり山に行かないでください。身体能力が足りる足りない以前の問題として、山は非日常です。山には自販機もコンビニもありません、電話も通じないかもしれません。足をくじいて走れ(歩け)なくなったらどうします?
そもそも山の路面は凸凹だし、石もあれば木の根も張り出しています、雨の翌日の下り坂は間違いなく滑ります。朝の時間、草の上を走ると靴も靴下もびっしょりになります。 そんな非日常を近所の土の道で体験しておきましょう。
なので、近所の公園の土の道を走ってみましょう。東京の駒沢公園、代々木公園、砧公園ですら、敷地ぎりぎりにちゃあんとトレイル(土の道)ができています。まずは家の近くの土の道。
土の道のある公園ってどこにあるの?
もし、近所に公園が見つからないなら、隣町、その隣町まで足を延ばしてみましょう。簡単に見つける方法はグーグルやアップルのマップアプリ、自宅を現在地にして起動させれば周辺地図があらわれます、その中に緑色で記されたところがたいてい公園。
いうまでもなく大きければ大きいほど広いってこと、都会のど真ん中でも、たとえ園内に舗装路のランニングコースがあっても、たいていその脇には土の道があります。
また、トレイルラニングは山を相手にした自走小旅行です。何に出会うかわかんない、何が起こるかわかんない。そのおもしろさを事前に町の中で体験しませんか。
たとえばさっきのマップアプリ、自宅から半径5kmくらいの範囲で公園をピックアップして次々に土の道をハシゴして帰ってくる、ってのも楽しいです。そして慣れてきたらバス電車で遠くへ公園ハシゴ、お楽しみも走力も大きくなりますよ。
近くに川があります、土手はダメ?
いえいえ、土手の道はまっすぐだし、信号も交差点もないし、もちろんクルマも走ってきません、トレランの練習にはうってつけです。ただし、大きな川だと、土手にはサイクリングコースが設けられていて、たいていそこは舗装路です、なので一段下がった河川敷にある土の道(必ず存在します)を走りましょう。
また大きな川ほど河川敷には野球場など運動施設が作られていますから、その脇の土の道をつないで走ることもできます。 土手道の楽しいところは川を遡って走れば走るほど山に近づいていくことでしょう。
また、里山なるものにつながることもあります。なので、バス電車で土手道にアプローチしてもいいでしょう。たいてい対岸にも同じような土の道ができているので、同じ道をたどらなくても起点に戻れることが多いです。ただ、日陰はありません、真夏の昼の土手ランは避けましょう。
方向オンチです、 迷子にならない方法は?
オンチの前に。遠出するとき必要なものがあります、たったふたつでOK。ひとつは交通系電子カード、パスモ、イコカ、スイカってやつ。もう走れません、なんてときはバス電車に乗りましょう。喉が渇いた、お腹が空いたなんてときにもこのカードで。
ふたつ目の必携は携帯電話。いうまでもなく、もしなにかあったときのためです。 で、いちばん簡単な方向オンチ対策はその携帯電話に地図ナビゲートアプリを入れておくこと。
そのアプリ、おすすめは『ジオグラフィカ』。起動してボタンひとつで現在位置がわかっちゃう、自分がどっちを向いているのかも。さらに事前に走る予定のコースを登録できるから、呼び出して画面をなぞって(まるでクルマのナビ)走れます。もちろん、いっさい無料です。
もともとは山ランのとき、紙の地図がわりに使うものだけど、知らない町を走るときにもとっても便利です。
ロードの靴で大丈夫ですか?
平坦な(上り下りのない)土の道ならなんとかなるけど、どうせ山を走るんです。早いうちに手に入れて慣れておいたほうがいいと思うな。
で、トレラン靴もロード靴と同じようにたくさんのブランド、たくさんのモデルがあります。ロード靴との大きな違いは、岩や木の根にぶつけても足を守ってくれる補強がしてあったり、滑りにくいデザインや素材の靴底なので、雨の翌日や下り坂などで安全を確保してくれます。
トレラン初心者の靴はどれ?ってことだけど、最優先すべきは、あたり前だけど自分の足にぴったり合うこと。そして足の裏に柔らかさを感じられる靴がいいな、初心者には反発力より衝撃吸収力が大事です。長く走っても疲れないから。
また、トレランならではだけど、履くときはかかとトントンして、靴紐をロードよりしっかり締めること。下り坂で靴の中で足が動くと爪先が当たってすんごい痛いから。