パーカーフィットネス氏
教えてくれた人
パーカーフィットネス/自身の経験から、筋トレで努力している人が時間もお金も無駄にしないための正しい情報を発信したいとYouTubeを始める。サプリメントやおすすめの筋トレメニューなどがエビデンス豊富に語られる。
まず初めに大事なことを。
脂肪燃焼を優先させたい場合と、筋肉量を増やしてカラダを大きくしたいとき、それぞれに適した必勝法的な筋トレ術があると考える人もいるかもしれない。が、やるべきことは変わらないのだと、YouTube上で科学的な研究や論文をもとにしたトレーニング方法を紹介しているパーカーフィットネス氏は言う。
「減量なら高回数、増量なら高重量という説がありますが、科学的な根拠はありません。インターバルを短くすると脂肪燃焼効果が高いともいわれますが、レストが短いと筋トレ効果が損なわれてしまうので効果的ではありません」(パーカーフィットネス氏)
ルール① 最優先するべきはトータルのボリューム(重さ×回数)
筋肥大を狙ってトレーニングメニューを組むとき、何を優先するべきなのだろうか。
- とにかく重さにこだわって自分が持てる限界の重量でトレーニングをする。
- インターバルを短くして筋肉のパンプアップを狙う。
- 刺激の種類を増やすために、1つの部位に対してなるべくたくさんの種目を行う。
といった取り組みをしているトレーニーもいるかもしれないが、最新の研究で最も優先すべきとされているのが、ボリューム。重さ×回数の総負荷量である。
「インターバルを短くしてパンプアップを強めれば、ボリュームが犠牲になります。重量を狙った結果、回数、セット数が極端に減るとボリュームが稼げません。効率よく筋肥大を目指すなら、ボリュームを最優先にしてメニューを組みましょう」(パーカーフィットネス氏)
ルール② 各部位1週間で20セットを目指す
ボリュームを優先してトレーニングをするとして、各部位に対してどの程度トレーニングをすればいいのか。目標とするのは20セットだ。
たとえば胸のトレーニング。週に2回、ベンチプレスを3セット、ダンベルフライを3セット、ケーブルフライを3セットすると合計は18セットということになる。これでは目標に届かない。とはいえ1日に1つの部位に対して10セット以上行うのは現実的ではないので、頻度を増やす必要がある。
もちろんこれは目標であり、20セットこなさなければ、筋肥大しないわけではない。筋トレビギナーであれば、まずは10セット程度を目指して取り組むべし。そして、少しずつセット数や重量を増やし、トータルのボリュームを稼いでいこう。
ルール③ 高重量低回数・低重量高回数にこだわらない
筋肥大を狙うなら高重量で低回数か、低重量で高回数か。常に議論が割れてきたところだが、筋肥大効果に大きな差はないというのが現時点での正しい認識となる。
「1RM(Repetition Maximum)の30%以上の重量を扱えば、8レップの高重量・低回数トレも、40レップの低重量・高回数トレも効果はほぼ変わらないとの研究報告があります」(パーカーフィットネス氏)
RMは日本語にすると最大反復回数。10RMは、10回までしか連続できない最大の重さのこと。
つまり、ベンチプレスで100kgのバーベルを1回持ち上げるのが限界ならば、30kg以上のバーベルを扱えば、高回数でも低回数でもいいということだ。繰り返しになるが、優先すべきは、ボリューム。重さ×回数の合計を増やすことを目指そう。
ルール④ 限界まで追い込まない
限界からのもう1レップが筋肥大に繫がると考えている人や、限界まで追い込むことで達成感が得られるという人がいるかもしれない。しかし、効率の良い筋肥大を考えるなら、限界まで追い込む必要はゼロだ!
たとえば、ベンチプレスをしていて1セット目に無理をして10レップしたとする。疲労によって2セット目が7レップ、3セット目が5レップになってしまったとしよう。この場合、無理せずに8レップを3セットした方がボリュームは大きい。
追い込みがマイナスに作用してしまったということになる。
また、追い込みは心理的な疲労や、ケガのリスク増加にも繫がる。動作スピードが落ちたら、やめどきの合図。余力を残して、次のセットや翌日のトレーニングに備えるべし。