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吉本芸人が指導するパーソナルジムが誕生。仕掛け人、野田クリスタルが語った胸中

マヂカルラブリー・野田クリスタルさんがプロデュースする、吉本芸人がトレーナーを務めるパーソナルトレーニングジム〈クリスタルジム〉をオープンする。多忙を極めるスケジュールのなか、自身が企画発案から物件の内見まで行った。開業直前に、その胸中を聞いた。

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このジムで、タレントとして死ぬかもしれない…。

新宿御苑前駅から歩いて約4分に構える〈クリスタルジム〉。このジム名に掲げられた“クリスタル”とはお気付きの通り、野田クリスタルさん自身の名前である。

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クリスタルジムの内装
吉本芸人も自ら内装のDIYを手がけたパーソナルジム。ここが〈クリスタルジム〉!

クリスタルジムの内装
白い木の壁や照明など、すっきりと洗練された印象の空間だ。

クリスタルジムのロゴ
ロゴのシルエットとなっているマッチョの髪型は、どう見ても野田さん。

ガチトレーニーとしても知られる野田さんが吉本興業社長に直談判し、即GOサインが出て動き始めたという今回のジム計画。オープン前の本人の胸中に迫るべく、吉本興業本社へ赴いた。

普段の雰囲気とは異なり、どことなく神妙な面持ちで質問に答えてくれた野田クリスタルさん。
普段の雰囲気とは異なり、どことなく神妙な面持ちで質問に答えてくれた野田クリスタルさん。

——〈クリスタルジム〉がいよいよオープンしますが、今の心境は?

思いのほか、多くの吉本芸人や社員が関わる大プロジェクトになりまして、正直怖くなってきているというか、いったん誰かに丸投げしたくなってます…!

いろんなことを求めて風呂敷広げてきましたが、最終的に大事なのは安全面だという境地に行き着きました。とにかくお客さんもトレーナーもケガのないようにしないと…。

野田クリスタルさん
「オープンに向けてプロジェクトが動き始めてからは常に“誰もケガしないようにしなくては”という緊張感で、頭がいっぱいで…」

——まずは「安全面」というあたり、本当にジムオーナーですね。

だって、件名に“クリスタル”ってついちゃってますからね。よくよく考えてみたら全責任、俺にありますよ。この状況は全く笑えないです。

だからうちでトレーナーとして参画してくれる芸人にはマジでそこ(安全面)だけはしっかりやってほしい。もしも何かが起こったら、俺、タレントとして死ぬかもしれませんから…、自分の名を冠した〈クリスタルジム〉で…。

成果が出るまで鍛えるのは、誰にとってもしんどい。

——〈クリスタルジム〉の大きな特徴として、吉本興業に所属するタレントさんたちがパーソナルトレーナーとなり、直接指導してくれる点にあります。ただ現在、東京都は緊急事態宣言下、しばらくはオンライントレーニングが中心と伺いました。

最初から対面のパーソナルトレーニングも行えればベストでしたが…。とはいえオンライントレーニングで、カメラの向こう側にいる人にちゃんと大事なことを伝えきるというのは、芸人である我々としては腕が鳴ります。

野田クリスタルさん
「オンラインだけで成立しうるパーソナルジムなんて他にないのでは? と、思っちゃいますね」

オンライントレーニングは基本的に生配信なので何が起こるか分からないという面白さもあります。エクササイズの要素が入ったお笑いライブとしても楽しんでいただけるはず。吉本興業はアスリートと数多く契約しているのもあり、今後動画配信ではいろんなゲストを呼ぶこともできると思ってます。これは〈クリスタルジム〉の強みですね。

以前『ターザン』の企画(本誌812号掲載)で僕は四股を現役力士から教わりましたけど、あれくらいガチなオンライントレーニングもやってみたいです。そういったトレーニングの“バラエティ”を提供できると、お客さんにも喜んでもらえるんじゃないかと。

——トレーナーさんによって、動けるカラダづくりやダンスエクササイズ、体操などアプローチもさまざまです。

トレーニングの目的はカラダづくりとか健康維持とか色々あるでしょうし、それによってアプローチも当然変わりますが、原理・原則となるものは同じだと僕は思ってるんですよね。頑張って運動しているのに成果が出ないというのは、成果が出るまで続けられなかったからという理由に尽きるのではないかと。

成果が出るまで“やり込む”のは、誰にとってもしんどいことでしょう。だからこそ〈クリスタルジム)は通いやすいし、通いたくなるジムにできたらと思います。「あそこに行けば芸人に会える」「芸人とカラダを動かすのは楽しい」、そこを着地点にしたいです。

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野田クリスタルさん
みなさん、我々と鍛えませんか?

腕立て伏せを行う野田クリスタルさん
腕立て伏せの基本姿勢だって一から教えます。

腕立て伏せを行う野田クリスタルさん
肘を曲げて、胸を床スレスレまで下ろします

腕立て伏せを行う野田クリスタルさん
これくらいまで、あなたは下ろせますか…?

継続さえすれば筋トレは娯楽になる!

——〈クリスタルジム〉が現時点で利用者として想定しているのは、どんな方々でしょうか?

筋トレ未経験者はもちろん、ダンベルという単語を知らない人も大歓迎です。多くの人がイメージする通り、筋トレって確かにキツいもの。でも続けていれば、それが娯楽に変わる瞬間が必ず訪れるんですよ。

カラダづくりを例に挙げるなら、腹を指でつまんだ時にその脂肪の厚みに明らかな変化があれば、俄然楽しくなってきますよね? 「筋トレに夢中になれる人って、結局“トレーニー気質”がある人でしょ?」という風に見られがちですけれども、そういう人ばかりじゃないですよ。

その気にさえなれば、全員筋トレを娯楽にできます

野田クリスタルさん
「筋トレが娯楽になったら自然と続く。そうなれば無敵です」

——芸人がトレーナーとしてサポートしてくれるというのは、他の何にも変えがたいモチベーションになりそうです。

パーソナルトレーニングにおいては当然会話が生まれます。お客さんには「話しやすい」と感じてもらいたいです。なんならトレーナーをイジってくれていいですよ(笑)。怖いトレーナーは一人もいない。

当たり前ですが、我々はお客さんがイヤな気持ちになることは絶対に言わないし強要しません。鍛えていてツラくなったらいつでも休んでいいし、専門用語なんて一つも知らなくたって大丈夫です。とにかくこのジムが楽しい場になるといいなと思います。

——野田さんもパーソナル指導をしてくれますが、果たしてパーソナルの枠を取れるのか…。

最初は「知名度のある芸人から指導を受けたい」というお客さんの数がやっぱり多いと思います。でもオーナーとして分析するに、マッチョ部(吉本の若手芸人によるマッチョグループ)に属する若手芸人の指導を受けたら「絶対こっち!」となる人もかなり出てくる気がするんですよね。

クリスタルジムの内装
ジムに設置されているトレーニング器具は、マッチョ部の一人であり、パーソナルトレーナーやフィジークの選手として活動する、にしだっくすさんが厳選したもの。

これまでお話している通り、トレーニングは続けることが一番大事です。そのためには、芸人の面白さだけではなく筋トレの面白さもやっぱり気づいてほしい。その意味で、このジムを支えるのは“マッチョ部のヤツら”なんじゃないかと。

筋トレ好きな芸人は関西にも大勢いますから、彼らが東京に来た時に指導してもらうことも大いにありえるはず。なにせ〈ルミネtheよしもと〉や吉本興業本社と同じ新宿にありますのでね。

最近筋トレを再開して初心を思い出した。

——野田クリスタルさんから、トレーナー陣に何か伝えたいことは。

自戒も込めて言うならば、〈クリスタルジム〉でトレーナーとして働く芸人全員に筋トレのツラさを絶対に忘れないでいてほしいです。僕、7月上旬から〈クリスタルジム〉で自主トレを再開したんですが、始めてすぐに痛感したんですよ。「筋トレってツラいな」って。

去年「M-1」で優勝するまでは3〜4日に1回はジムに行くのが僕のルーティンでしたし、バーベル担いで行うハーフスクワットは220kgがMAXでした。

ここまで筋トレにハマるといろんな感覚が麻痺するのか、バーやウェイトの重みや高重量を扱うことへの怖さなんて忘れちゃってました。当時の僕にとって重量20kgのバーベルは体感的には0kgでしたから

でも先日、筋トレを再開した日、初心を思い出しました。バーベルを担いだらもうびっくりしましたよ。肩にかかるウェイトが想像を絶する重さで…、なんか自分に引いちゃいました。

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野田クリスタルさん
「筋トレ再開した日のツラさ、今もリアルに思い出せます」

野田クリスタルさん
「昔そうしていたように、手始めに60kgのバーベルを担いだら」

野田クリスタルさん
「うわマジか」

野田クリスタルさん
「俺、こんなの担いでやってたのかよ。重い痛い重い…」

野田クリスタルさん
「痛ぁ〜っっ!!」

何より「ツラいって感情はこんなにも苦痛なのか」と。大なり小なり、このツラさをこれから鍛え始める人は全員味わうわけです。無茶すれば常にケガの危険も伴います。そのことを〈クリスタルジム〉トレーナーには常に分かっていてほしい。お客さんにちゃんと寄り添ってほしいです。

どれだけ忙しくても、筋トレする時間だけは確保したい。

——以前『ターザン』の撮影現場で「最近ジムに行けていないから筋トレ自体を仕事にしたい」とおっしゃっていました。かねてからの夢がまた一つ叶います。

そこなんですよ。さっきからべらべら喋ってますけど、結局〈クリスタルジム〉は僕がトレーニングできる状況を無理やり確保するためにつくったものなのでね(笑)。

…というのは半分冗談ですけど、どれだけ忙しくなっても、僕の生活において、やっぱり筋トレする時間だけは確保したいというのは本音。ジムにろくに行けてなかったこの半年間、毎日がふわふわ過ぎていって、自分がどうにかなっちゃいそうでした

野田クリスタルさん
「M-1に出るまでは仕事終わりにジムで鍛えて1日を〆る、そんな日常でした。筋トレをしないままには1日が終わらないというか…」

筋トレをろくにできなかったこの半年間で見た目も恐ろしく変わりました。体重が10kg落ちて、カラダの線がめちゃめちゃ細くなった。筋肉量が減ったのは惜しいですね〜。ちょっとワクワクしてる部分もありますけど。

——筋肉を失っているのにワクワクするんですか?

今の状態で筋トレで扱う重量を以前の水準に戻ったら、そこからどんなカラダになれるか、気になりますね。正しいフォームは身についているし、どんなメニューをすべきかは分かるからこそ、“最短距離”で目標を達成できると思う。

この間筋トレした時も、スクワットのフォームなどは昔コンスタントにやっていた頃の形を完全再現できました。きっとカラダに染み付いているんでしょうね。

結局、最速で成果を出すためのメニュー正しいフォーム、「自分ならできる」と思わせてくれる経験値。俗に言う「マッスルメモリー(筋肉の記憶)」を僕なりに再定義するならば、この3つの総称なんじゃないかと。

この僕流のマッスルメモリーを伝授するのが〈クリスタルジム〉で指導するトレーニングの意義になるでしょう。僕自身はここにたどり着くまで何回も寄り道しましたけど、お客さんにはぜひ最短距離で目標達成しちゃってほしいです。

野田クリスタルさん
「さぁ〈クリスタルジム〉で、鍛えざんまい!」(?)

〈クリスタルジム〉オープンの裏側に潜入。

並ならぬ熱意を〈クリスタルジム〉に注ぐのは、オーナー・野田クリスタルさんだけではない。今回トレーナーとして参加する吉本興業の所属タレントも、このパーソナルジムに気合十分である。例えば、こんな芸人からパーソナル指導を受けられる。

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レイザーラモンHG
言わずと知れたマッチョ芸人で、ユーチューブ『レイザーラモンHGチャンネル』でもフィットネスネタ多数。筋肉が悲鳴を上げるプログラム「HG式ハード・ジム エクササイズ」の指導を受けられる。

おばたのお兄さん
「中高保健体育教諭免許」「メンタルトレーニングスペシャリスト」「キッズコーディネーショントレーナー」「スポーツフードスペシャリスト」など資格多数。子供と一緒に動けるカラダになるためのトレーニングを伝授。

 にしだっくす
マッチョ部の顔。芸人の傍ら、現役パーソナルトレーナーとして活動しており、某フィットネスクラブで7年間トレーニング指導やカウンセリング、スタジオレッスンなどを担当。2019年、JBBFメンズフィジークでは三大会で優勝した。

バビロン・ノリ
幼少期は肥満気味でリバウンドしやすいという自身の体質やダイエット経験を生かした指導に自信あり。高校〜大学でアメリカンフットボール部に所属。関東2位、全国ベスト8の成績を修めた。JBBFの大会にも出場経験も。

6月某日、開業前の店舗を訪ねると、公式サイトに掲載するポートレイト撮影が行われていた。動画撮影に全身全霊臨んでいたのはあるある探検隊でお馴染みの、レギュラー。

レギュラーの撮影風景
「健康ウオーキング指導士」の資格取得時に学んだ知識で考案した「あるあるギャグ体操」をオンラインで配信予定。

「僕たち探検隊は芸能界で“遭難”しちゃったんで…そうならないための足腰をつくりたくて7年前からよく歩くようになり、体重が20kgほど落ちたんです。やっぱり歩くって素晴らしい。スマートウォッチや万歩計をつけて、数値も管理しつつ実践していただくのがオススメです!」(松本康太さん)

「脳の活性化においても歩くのは大切で、以前介護現場で指導したメソッドをよりハードにアレンジしました。プログラム自体は45分ほどですが、歩数1万歩目指して楽しみましょう!」(西川晃啓さん)

しんたろーさん
アスリートモデルとしてボディコンテストに入賞し、SNSの総フォロワー数が70万人を超えるYouTuber、しんたろーさんもボクササイズの要素を取り入れたダンスエクササイズを動画で配信予定だ。

「いろんなスポーツに僕自身取り組んできましたが、中学・高校時代にボクシングをしていた時、短期間で痩せるしカラダがみるみる引き締まった。初心者でももちろん大丈夫、参加してくれたみんなが楽しく綺麗なカラダになれるように頑張ります!」

リボルバーヘッドさん
ボディビルの出場経験もあるアダルトビデオ芸人のリボルバー・ヘッドさん。高重量トレーニングによる“デカいカラダづくり”のパーソナル指導を受けられる。

「AV男優のしみけんさんがスクワットの効用を説くのに僕も共感しています。僕自身はスクワットは200kgの重量を上げますが、ぜひ高重量を扱いたい方を中心にサポートできればと。

昔、パーソナルトレーニングの専門学校に通っていましたが、本格的に指導するのは今回が初めて。細マッチョ志向が多い時代ですが、男らしいカラダになりたい男性、お待ちしております!」

野田オーナーを筆頭に、運動を愛する吉本芸人が本腰を入れて営む〈クリスタルジム〉に今後も要注目だ!

INFORMATION

パーソナルトレーニング1回4,000円〜(予約受付の開始時期はHPで要確認)。

オンライントレーニング1回1,000円〜。

住所:東京都新宿区新宿1-28-9 新宿高山ビル1階。

https://crystal-gym.com

取材・文/門上奈央 撮影/鈴木大喜

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