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扁平足と凹足。2つの足のトラブルの原因と対策【コンディショニングのひみつ⑫】

トレーニングをしていると耳にする「コンディショニング」という言葉を、詳しく紐解いていく「コンディショニングのひみつ」連載。第12回は「扁平足」と「凹足」について。

扁平足と凹足が招くトラブルを防ごう

足裏が平らになる「扁平足」はなぜ起こる?

足の裏は本来土踏まずの部分が地に触れない“アーチ状”になっているが、アーチが下がり、足裏が平らになった状態を「扁平足(へんぺいそく)」と呼ぶ。専門的にいうと、足関節が内側に傾く回内位で、かつ踵の骨が内側に傾く(踵骨外反)アライメントを指す。

扁平足と凹足が招くトラブルを防ごう

扁平足のアライメント。足関節は回内位で、踵骨は外反。アーチが潰れて衝撃吸収がうまくできず、シンスプリントやアキレス腱炎などのランニング障害を起こしやすい。

もっとも簡単な評価方法は、椅子などに座った状態で土踏まずの下にボールペンなどを入れ、入るかどうかで判断する。立った時も同様で、いずれもペンが入らなければ扁平足となる。とくに長時間歩き続けた日や運動後にチェックをすると、普段は症状が出ない隠れ扁平足も確認しやすい。

また踵の骨が内側に傾いているため、足にうまく体重を乗せることができず、片脚立ちでカラダがぐらつくことが多いのも特徴だ。

扁平足の原因は、年齢による腱の変性や、運動不足、筋肉量の低下、肥満による体重の負荷などが考えられる。扁平足の人全員に目立った症状が出るわけではないが、長時間動き続けた日に足裏がだるくなるといった軽度の症状から始まり、重症化すると外反拇趾などの病気を引き起こす可能性がある。

扁平足の改善方法

扁平足を改善するには、筋肉の強化やセルフマッサージが有効だ。土踏まずのアーチを支える筋肉は、足部にある短拇趾屈筋、拇趾外転筋、短趾伸筋と、足部から下腿にかけてある前脛骨筋、長趾屈筋、長拇趾屈筋など。

これらの筋肉が正常に働いていればアーチはしっかり形成されているが、力を失うと潰れてしまう。そこで筋トレ。代表的な方法は、足を使って床に広げたタオルを手繰り寄せるタオルギャザー。あるいは、足の指でグー・チョキ・パーと動かすのもいい

扁平足と凹足が招くトラブルを防ごう

タオルギャザー/床にタオルを広げ、その上に片足を乗せる。足の指を大きく開いてタオルを摑み、手前に手繰り寄せる。逆足も同様に行う。

これらと併せて、両手を使って、足の指一つ一つを広げたり、クルクルと回したりするマッサージも取り入れるとなおよい。

甲が盛り上がる「凹足」はなぜ起こる?

アーチが潰れた扁平足とは反対に、アーチが正常の範囲を超えて高く盛り上がった状態を「ハイアーチ」または「凹足(おうそく)」という。ハイアーチの原因は、ハードな運動による筋肉の酷使、サイズの合っていない靴やハイヒールを履いている、体重増加に伴う負荷、などが考えられる。

扁平足と凹足が招くトラブルを防ごう

凹足(ハイアーチ)のアライメント。足関節は外に傾いた回外位。接地面積が小さく、衝撃吸収の役割が不十分であり、足底筋膜炎や足の甲の痛みが起こりやすくなる。

ハイアーチは見た目の不自然さだけでなく、足裏にタコができやすくなる、足が攣りやすくなる、足首をひねりやすくなる、疲れが溜まりやすくなる、といったトラブルを招く可能性がある。

甲が高いと感じたらできるだけ早くニュートラルな状態に戻しておきたい。

凹足の改善方法

適切なアーチを保つには、正しい靴選びと、ハイアーチに適したインソールを利用すること。土踏まずから踵にかけてしっかりホールドすることで、足裏への負担が分散され、トラブルを防ぐことができる。

ただし、足の形状は人によって異なるため、インソールを選ぶ場合は専門家に相談しよう。


 

復習クイズ
扁平足と凹足が招くトラブルを防ごう

答え:外反拇趾

取材・文/黒澤祐美 漫画/コルシカ 監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ代表)

初出『Tarzan』No.819・2021年9月22日発売

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