問1. A~Cのイラストをそれぞれ正しいものと結びつけよ。
筋肉の特性の一つに、刺激を受けると筋全体が収縮し、刺激が除かれると元の状態に弛緩することが挙げられる。わかりやすいのがウェイトを持った場合。腕でイメージしよう。 肘を軽く曲げてダンベルを持ったとき、上腕二頭筋は、ダンベルに作用している下向きの力(ダンベルの質量×重力加速度)に逆らいながら力を発揮しているのがわかる。その状態からさらに肘を曲げてダンベルを肩に近づけると、筋肉が短縮しながら力を発揮するA。このときの筋活動を「短縮性筋収縮(コンセントリック)」という。 一方でイラストで行っているトレーニング種目(アームカール)でいうと、ダンベルを肩の高さから下ろしていく動きCを「伸張性筋収縮(エキセントリック)」といい、このとき筋は伸びながら力を発揮している。 通常の筋トレはこれらがセットになっていることがほとんどだが、スピードなどで負荷の割合を調整することで、得られるメリットが異なる。たとえばエキセントリックはコンセントリックよりも優先的に速筋線維を動員できるため、筋力アップや筋肥大を期待できる。 反対にコンセントリックはエキセントリックに比べて大きな力を出しにくいため、遅発性筋肉痛が起こりにくい。このように、筋が長さを変化させながら一定の張力を発揮している状態をまとめて「等張性筋収縮(アイソトニック)」と呼ぶ。 さらに、筋の発揮する力が外的負荷と等しい状態Bを「等尺性筋収縮(アイソメトリック)」といい、筋が張力を発揮した状態でキープすることでその角度での筋力アップを狙うことができる。
問2. 筋が持続的に力を発揮する能力を何というか?
筋機能の向上やパフォーマンスアップのための指標として用いられる負荷・強度にはいくつかの種類がある。まずは問題の解答から。長時間筋の収縮運動を行う能力を「筋持久力」といい、ランニングや自転車など中等度の運動を持続するために必要な力とされている。筋持久力は、最大筋力の4割程度軽い有酸素運動を繰り返すことで鍛えることができる。 「絶対強度」は、個人の体重や体力レベルに関係なく、その人が発揮した最大筋力のこと。砲丸投げやパワーリフティングなど、体重が競技のパフォーマンスと深い相対関係を持つスポーツで活用されることが多い。 これに対して「相対強度」は、体重や筋肉量に対して発揮できる最大限の力を指す。相対強度は最大心拍数や最大挙上重量の●%というように、パーセンテージで示せることも特徴だ。 また、どれだけ速く大きな動作が行われるかを表したものを「仕事率(パワー)」といい、これは「力×距離÷時間」で算出できる。パワーを増やすには、力または移動距離を長くするか、動作を短い時間で速く行うという3つの方法がある。