プロはどう使っている? 食事記録アプリ活用術|MyFitnessPal編
カラダの変化を把握するのに役立つアプリだが、入力が面倒なのもたしか。そもそも食事内容や摂った栄養素を把握しておく意義とは? 実際にフル活用するプロのテクニックに学ぼう。今回は「MyFitnessPal」編。
編集・取材・文/門上奈央 撮影/安田光優
初出『Tarzan』No.815・2021年7月21日発売
平日と休日の違いは? 自分の食事パターンをまとめておく。
食事記録アプリの開発に携わった経験がある白戸拓也トレーナーは、自身もアプリを活用する一人だ。
教えてくれた人
「昔はノートに書いてましたが、やはりアプリは便利。愛用している『マイフィットネスパル』は食事記録に限らず、他のアプリとの連携により歩行や運動の消費カロリー、スマートウォッチによる睡眠の質をより正確に把握できます。食事・運動・睡眠のログを一つのプラットフォームで見られるのが醍醐味です」
《MyFitnessPal》
https://www.myfitnesspal.com/ja/
データベースに登録されているフード数は1100万件以上、新商品も随時更新&蓄積される。〈Apple HealthKit〉や〈Garmin〉、〈Polar Flow〉など50種類以上ものフィットネスアプリと連携する。iPhone、Android対応。全サービス、利用料無料。
アプリの記録は必ずしも毎日でなくていい、とは白戸さんの持論。
「自分の食生活のパターンを知るのが一番重要です。例えば仕事がある日と休日、各1日分の記録をつけてみると食事内容や食べる時間帯に違いがあるはず。また出勤日と在宅勤務の日、運動する時間帯を変えた時など、生活リズムが変わったタイミングでつど記録することで、体調や体型が変化した時に自分なりに原因や対策を考えるのに役立ちます」
ポイント① 高栄養な食品を摂るとコメントが出る!
栄養面で特徴的な食品を記録したら画面上にコメントが表示。「高タンパクなものを摂ると“このフードはタンパク質を豊富に含んでいます”、オイルを多めに摂れば“今日の脂質摂取目標は◯グラム以下です”などと出るので食品の栄養の知識も増えるし、食事に対する意識が高まる。カラダづくり初心者の方には最適です」。
ポイント② 自炊メニューのレシピ登録が簡単。
自己流の栄養管理術を心得ている白戸さんは、自ら腕を振るった料理を食べることもしばしば。そこで活用しているのがレシピ機能。
「卵を6個使って作るタンパクリッチなオムレツや、お気に入りのヘルシーなパンでサラダチキンを挟んだサンドイッチなど、よく作っているメニューは全てレシピを登録しています。登録はとても簡単で、材料・分量さえ入力すればカロリーや栄養が自動計算されます。レシピをアプリに入れておけば、食べるたびに毎回入力する手間がないのでラクなんです」。
メニュー選択はアバウトでOK。分量だけは細かく。
続いては、ピラティスインストラクターの関清香さん。
教えてくれた人
「口にするもののカロリーや栄養素を知らないで“痩せたい”と言うのは、値札を見ずに服を買い“お金ない”と嘆くのと一緒!! 今、糖質を控える分、タンパク質と良質な脂質を多めに摂ってますが、『マイフィットネスパル』は摂取量の基準値を自分で変えられるのが便利です」
関さんにとってのこのアプリの魅力は分量を細かく設定できる点。
「フード登録における1人分=“1”を、実際の摂取量に即して8分の5や3分の2などに変えられる。小分けにして食べることも多いので助かります。またレシピ機能もあるものの、このアプリはメニュー登録数が多いので私は自炊した時も既存のメニューから近いものを選びます。
分量を細かく設定できるので誤差もほぼないはず。面倒くさがりなので、こんなふうに緩く活用することで習慣化のハードルを下げてます」
ポイント① バーコード入力がとにかくラク。
最近、栄養管理の簡単さから自炊中心な関さんも、仕事中の食事や間食はコンビニやスーパーで買うことが多いそう。その時、包装を捨てたり食べ始める前に商品ラベルのバーコードをスマホで読み取り、食事を登録するバーコード入力機能を活用。
「『マイフィットネスパル』は新商品のデータがアプリに入るのがとにかく早いんです。バーコード入力機能を使わず食べたものを一つひとつ検索するのももちろんいいですが、省ける手間は省く! これが食事記録アプリを日課にする秘訣です」。
ポイント② 食生活の傾向を多角的に見られる。
栄養の摂取量の基準値を厳しめに設定しつつも、「その8割程度達成すればOK」と話す関さんはほどよい“距離感”でアプリを日常に取り入れている。「夜など時間ができたら食事のカロリー比や主要栄養素の摂取量などのグラフを見て、その日の食事を振り返ったり次の献立を考えたり。グラフが見やすいのも私には魅力です」。