家でもオフィスでも! 狩野舞子さんが教える姿勢改善メソッド3種目

2018年に引退してから、しばらくはトレーニングを休んでいたという狩野舞子さん。そこで再確認したのがフィットネスの重要性。現在「腰の不調改善」のために行なっている3種目のエクササイズを教えてもらった。

取材・文/徳原 海 撮影/矢吹健巳 ヘア&メイク/藤本希

初出『Tarzan』No.815・2021年7月21日発売

引退後に感じた、腰の不調。

「最近は週に1〜2回パーソナルジムに通いながら、その宿題としてちょっとした腹筋系や体幹系トレを家でやるようにしていますね」

そう近況を語ってくれた元バレーボール女子日本代表の狩野舞子さん。

狩野舞子
狩野舞子(かのう・まいこ)/1988年、東京都生まれ。八王子実践高校のエースとして春高バレーで注目を浴び、15歳で全日本代表候補に選出。その後は久光製薬スプリングスを経てイタリアやトルコリーグで活躍。全日本ではロンドン五輪で銅メダル獲得。
写真提供/アフロ

実は2018年に現役引退してからしばらくの間はトレーニングと距離を置いていたというが、そのことでもう一度フィットネスと向き合う重要性に気がついたという。

「特に2020年はコロナの影響もあってカラダを動かす機会が減って、現役時代に怪我をしていた箇所に不調が出てくるようになったんです。一番は腰ですね。体幹が弱くなったことで支えるものがなくなって不安定になったといいますか。

ジャンプと着地を繰り返すバレーボールはそもそも腰や膝に負担のかかるスポーツなのですが、私は成長期に伴ってその傾向がより強く出て、現役の頃はほぼ毎日の体幹トレと週3回のウェイトトレで姿勢を正すことでカバーしていたんです。当時はなんでこんなしんどいことを毎日やらなきゃいけないんだろうって思っていましたが(笑)、その積み重ねが自分のカラダを守ってくれていたんだなとしみじみ感じました」

同時に選手時代のようなハードトレーニングでなくても、工夫一つで家でも腰痛に繋がる悪姿勢を改善できることを知ったという。

腰痛改善のための3種目。

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猫背&肩こりに効く!「木場式VWTトレーニング」。

狩野舞子

頭の後ろで両手を組んだところからV=両腕を斜め上に伸ばす、W=肩甲骨を中央へ引き寄せながら肘をカラダの真横に下ろす、T=両腕を真横に伸ばす、の順で3回繰り返す。

「トレーナーの木場さんに学びました。私は肩が内側に入って背中が丸くなりやすいのですが、これを数回やると首や肩がスッキリしますね」。

腰痛の元、骨盤後傾を正す「股関節ストレッチ」。

狩野舞子

両手を腰に当てて片膝を立て、もう片方の膝を床についた体勢から息を吐きながらぐっと腰を前に突き出して上体を沈ませる。元に戻して反対も同様に。左右交互に3回ずつ。

「これは骨盤後傾を正すトレーニング。腸腰筋を伸ばすことで太腿やお尻の筋肉を柔軟にし、お尻が下がってお腹がゆるむ体勢を改善します」。

広背筋を鍛えて腰痛を防ぐ「キャット&ドッグ」。

狩野舞子

四つん這いの体勢から、息を吐きながら3秒かけて背中を丸め、視線をお腹に。そこから今度は息を吸いながら頭を上げて腰を反らす。この一連の動作を5回繰り返す。

「現役の頃は練習前にこれをやらないと動けないくらいでした。呼吸と一緒に背中を動かすことが大切で、腹圧で背骨の動きをよくするイメージです」。

「どれも特別な道具がなくても短い時間で体幹を整えて効果的に姿勢を正せるメニューなのでオススメです。私自身、もともと試合に勝つためなど明確な目標がないとモチベーションが上がらないタイプではありますが(笑)、これらはウィークポイントである腰に負担をかけないために日常的に続けるようにしています」