• 世界一のポールダンサー・小源寺亮太。舞に無限の可能性を与える、カラダの可動性
CONDITIONING
2021.07.14

世界一のポールダンサー・小源寺亮太。舞に無限の可能性を与える、カラダの可動性

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ
小源寺亮太(こげんじ・りょうた)/ポールダンス歴11年。『MR. POLE DANCE 2020』世界大会をはじめさまざまな大会で優勝に輝く。著名アーティストのMVにも多数出演。またポールダンスの講師としても活動中。

肉体表現の究極形の一つであるポールダンスを支えるのは、浮世離れしたモビリティ(可動性)。第一線を突き進む小源寺亮太さんがパフォーマンスを追求すべく、日々実践するルーティンとは。(雑誌『ターザン』No.810〈2021年5月13日発売号〉より全文掲載)

オタク的に追求した可動域。

一本のポールを中心に展開される、小源寺亮太さんの芸術的なパフォーマンス。重力を感じさせない浮遊感と観る者を引き込む世界観で、ポールダンスの国際大会で優勝を飾ったトップダンサーが、モビリティ(カラダの可動性)の重要性を強く感じる瞬間とは。

一瞬一瞬の動きの繋がりで一つのパフォーマンスが完成されるので、常に重要性を感じます。カラダを伸びやかに使って魅せるには、モビリティは間違いなく不可欠。とはいえあくまでスポーツでなく表現の領域なので、そのダンサーがどんな美学を追求したいかにより重要度は変わるもの。僕に関しては可動域をオタク的に追求しています(笑)」

表現力や技術に加え、資本となるカラダやモビリティにも磨きをかけ続けたからこそ、世界の頂点に上りつめられた。

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ

「関節の可動域や筋肉の柔軟性を高めるためのケアを徹底した結果カラダが進化すると、今までのパフォーマンスとは全く違うものに生まれ変わる。それが何より楽しいんです。

モビリティを強化すれば、また新たな表現に到達できます。“この技ではこんなカラダのラインを出したい”と思うから、ストレッチをする。取り組む目的が僕の中では明確なので、コンディショニングは全く苦ではありません」

空中で意のままに舞う小源寺さん、そんな彼の理想のカラダとは?

「体幹が強く、しなりとバネの利いた竹のようなカラダ。筋肉の柔軟性は高いほどいい、というものでなく弾力性も必要なので、日々入念にケアすることがやっぱり大切です」

男性は女性より筋肉量が多いために柔軟性も低いといわれるが、小源寺さんは例外に違いない。

「いえ、僕はもともとカラダが硬いし、体育の授業もサボるほど運動嫌いな子供で…。唯一小学校高学年からダンスを始めましたが、運動というよりは遊びの延長で」

と、意外な言葉。ダンス中の姿を思うとにわかには信じがたい。

「モビリティのことを意識し始めたのは、ポールダンスに出合ってから。当時男性のポールダンサーは筋肉質で力強い舞が主流でしたが、僕がやりたいと思ったのは柔軟技でした。そこでカラダの硬さを改善すべく独学でストレッチを開始。

特に後屈する技に憧れて腰を必死に反らせた結果、腰痛に悩んだ時期も。モビリティは十人十色だから、自分に最も合うストレッチを探るべきでした」

生活全般でも可動域を意識。

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ

その後専門家の話を聞いたり自ら勉強に励んで、今のコンディショニングのルーティンが確立された。

「ポールダンスは全身をフルに使うので、満遍なく、常に伸ばしてます。例えばエスカレーターに乗る間はステップの縁に立ってふくらはぎをストレッチ。外出時、カバンにはギアを7〜8個入れてます。

ランブルローラーボール百均の麺棒など内容は都度変えますが、最近のお気に入りはスプーンクマット。剣山のような突起がついたマットの上に寝転ぶだけで毛細血管の血流を促せるのですが、先日バラエティ番組で罰ゲームに使われていて、何とも言えない気持ちに…(笑)」

小源寺さんの“オタク”ぶりは筋金入りだ。生活全般でもコンディショニングを意識している。

毎日1時間は湯船に浸かります。血行促進が大切だから、と言いつつ本当はお風呂が好きなだけ(笑)。食事では腸活を意識した内容に。お通じが改善されると腸骨が広がり股関節の可動域の制限が広がるように感じますし、栄養吸収がスムーズになると筋肉の質も上がります」

カラダを思った地道な積み重ねで、今の超人的なモビリティがある。

「現状維持は性に合わず、常に進化し続けたいです。モビリティについてもそう。可動域が1度広がればその分できる表現が増えるはずです」

可動域が広がれば可能性が広がるのは皆同じ。そんな想いから、読者諸兄のために、自身がよく行う椅子ストレッチを伝授してくれた!

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ。

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首〜肩のストレッチ

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ

片手を頭頂部に添えて最初は首だけを回す。首まわりがほぐれてきたら、首は回し続けながら、肩まわりも連動させて回す。頭が前方にある時は上半身全体で覆いかぶさるように肩を内に巻き、頭が後方にある時は胸をしっかり開くのがポイントだ。

背中のストレッチ

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ

上背部のこわばりが解けたら、次は面積の大きい広背筋を伸ばす。両膝に手をつき脚を大きく開いたら、上体を前面に倒して右肩を左膝、左肩を右膝に極限まで近づける。左右交互に反復。小源寺さんのように肩と膝を近づけるのはまさしく至難の業!

上半身のストレッチ①

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ

背中のストレッチと足幅を同程度開いたまま上半身全体を回旋。両腕で大きな円の軌道を描くイメージで腰から上を大きく回す。椅子の座面になるべく浅く腰掛けると回旋しやすい。目線を手の指先に向けることで首まわりの筋肉も連動して伸ばせる。

上半身のストレッチ②

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ

猫背姿勢の影響で固まりがちな脇腹を中心に伸ばす。座面に深く腰を掛け直し、右膝を曲げて座面に乗せたら、膝の方向に上半身前面を向けて、左手を膝に添える。その状態から右手を上に伸ばして目先は右手の指先へ。元の姿勢に戻り、逆側も行う。

上半身前面と股関節〜太腿のストレッチ

小源寺亮太が教える、可動域を広げる椅子ストレッチ

ゆがみやすい骨盤まわりや縮まりやすいカラダの前面の筋肉をストレッチ。椅子の脇に膝立ちになり、片足を座面に乗せる。両手で椅子をつかんで姿勢を支え、お腹から顎まで天井に向けるイメージでのけぞる。元の姿勢にゆっくり戻って、逆側も。

「椅子があると骨盤の角度を保てるので効率的です。ぜひお試しを」

取材・文/門上奈央 撮影/山城健朗 ヘア&メイク/KOUTA

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