足腰の力試し。下半身力のトレーニング|『ターザン』からの挑戦状(3)
ターザンのような、偏りのない身体能力を備えるため、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]を手に入れよう。今回は、下半身力のトレーニング課題に挑戦だ。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/齊藤良介 ヘア&メイク/天野誠吾 トレーニング監修/清水 忍(IPF代表)
初出『Tarzan』No.808・2021年4月22日発売
愛する人を背負って階段が上れるか?
挑戦状への応え方
挑戦状の種目と条件がクリアできたら、合格。クリアできなかったら、負荷を落として合格水準クリアを目指してトレーニングを重ねる。バーベルがないなど挑戦状の種目が行えない場合、「挑戦状に応えるための自宅トレ(後述)」の2種目で研鑽を重ねる。
「(4)体幹力」と「(7)機能的柔軟力」は、挑戦状の種目と「挑戦状に応えるためのトレーニング」をどちらも行う。
ターザンからの挑戦状(3)フルスクワット(体重kg×10回)
- 前腕が床と垂直になる幅でバーを握り、首の後ろで両肩にバーベルを背負って立つ。
- 両足を肩幅程度に開き、爪先と膝を外側に向ける。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張る。
- 踵に荷重しながら骨盤が後傾(肛門が前を向く傾き)しない範囲で、できるだけ深くしゃがむ。
- 股関節でリードしながら膝を曲げる。上体と脛がつねに同じ傾きになるように。
- 膝を爪先の方向へ曲げて開く。
- 踵で床を強く押してその反動で立ち上がる。
直立二足歩行をするヒトでは、筋肉の約3分の2は下半身に集まる。下半身はカラダの土台であり、パワーの源。精強無比に保っておきたい。
その下半身を評価するのに最適なのは、スクワット。
スクワットは、股関節、膝関節、足首という3つの関節を同時に稼働させながら、お尻と脚の筋肉を総動員する。筋力に加え、これらの関節の稼働性も要求されるのが特徴。自体重と同じ重さのウェイトを担ぎ、お尻を膝より低く下ろすフルスクワットで10発はできるタフな足腰が欲しい。
バーベルが使えないなら、下記の自体重スクワットでチェック。所定の回数が余裕で行えるようになったら、自体重でフルスクワットができる下半身力は身についている。
『ターザン』が考える理想のボディとは?
理想のボディの持ち主=アスリートというイメージは、実は正しくない。アスリートは競技に特化した練習を重ねるため、スペックには偏りがある。水泳選手の大半は走るのは不得手だし、長距離ランナーの多くは重たいウェイトを上げるのが苦手なのだ。
お手本にしたいのは、本誌のアイコンである、まさにターザンのようなボディ。彼は“ジャングルの王者”の異名を持ち、どんな状況でも自らと愛する存在を守る実力を備える。これからの不透明な時代を力強くサバイブするには、同じように偏りのない身体能力を備えたいもの。それが、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]だ。
それぞれに定めたトレーニング課題をオールクリア、がベスト。達成できないなら、負荷を抑えながらトレーニングを続けてフィジカルを磨き、合格を目指したい。
挑戦状に応えるための自宅トレ。
評価に必要なバーベルなどのギアが手元にない場合は、自体重で行えるエクササイズを試そう。設定された回数&セット数をこなすことを目標にしたい。いずれも週2〜3回ペースで行うのが定石だ。
1. シングルレッグ・ スクワット(左右各10回×3セット)
- 右脚で片脚立ちになり、左脚を曲げて後ろに上げる。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張る。
- 両腕を脱力して肩の真下に下げる。
- 上体を前傾させて右足の踵に体重を乗せる。
- 左膝が床につくまでしゃがむ。左の爪先は床につけない。
- 両腕を前に伸ばしてバランスを取り、右足の踵に体重をかけて床を強く押して立ち上がる。
- 左右を変えて同様に行う。
2. ボトムポーズ・ ジャンプスクワット(15回×3セット)
- 両足を肩幅程度に開き、爪先を外側に向ける。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張る。
- 股関節でリードしながら膝を曲げ、太腿が床と平行になるまでしゃがむ。
- 両腕を後ろに振る。
- 両腕を天井へ引き上げながら、踵で床を強く押してその場でできるだけ高くジャンプ。
- 踵に体重を乗せたまま、4の姿勢に戻ってピタッと静止する。
- 腕のスイングは使うが、脚のタメは使わずにジャンプする。