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なんだっけ…? 「炭水化物・糖質・糖類」3つの違い

糖質量を意識しているなら知っておきたい「炭水化物・糖質・糖類」の3つの違い。この3つを混同して、むやみに避けるような食生活はNG。それぞれの特徴を確認しておこう。

「炭水化物=糖質」ではない。

ひと口に糖質食品というけれど、その正体はマトリョーシカのような入れ子構造になっている。一番外側はお母さんの「炭水化物」、その中に子どもの「糖質」がいて、さらにその内側にベイビーの「糖類」が潜んでいる。

糖質コントロール

そして悶絶しそうに甘いものもあれば甘さをほとんど感じないものもある。すべてを同列に見なしてオールカットしてしまうのは、はっきり言って愚策。カラダに必要なエネルギーが不足して筋肉の分解が起こることもあるからだ。

① 炭水化物

糖質全体を包括しているお母さん。糖質と食物繊維が合体したものを炭水化物と呼ぶ。糖類のように口にしたときにガツンとくる甘さはない。食品に落とし込んだ場合は、ごはん、パン、麺などの主食、芋類などがこれに当たる。

食物繊維の例

  • [セルロース]穀物、野菜、果物など植物の細胞壁の主成分。ヒトの消化酵素では分解することができないので腸まで達し、整腸作用を促すため「第六の栄養素」と呼ばれる。
  • [難消化性デキストリン]食物繊維不足を補うために人工的に作られた成分。トウモロコシのでんぷんから難消化性成分だけを抽出したもので、「トクホ」をはじめとするさまざまな食品に利用されている。

② 糖質

クレームブリュレもごはんも同じ糖質グループと考えられているが、前者の主成分は糖類、後者は糖質だ。糖質は多くのブドウ糖が鎖のように連なった高分子化合物。単糖類や二糖類(糖類)に比べると分解に手間がかかるので、カラダに吸収されるスピードは若干遅い。

多糖類の例

  • [でんぷん]糖質の最小単位、ブドウ糖が鎖のように連なってできているでんぷん。米、小麦、ジャガイモ、トウモロコシ、タピオカなどの穀類や芋類に含まれ、さまざまな種類がある。
  • [オリゴ糖]ブドウ糖が3つ以上連なった成分。でんぷんよりブドウ糖の鎖が短いので、別名「小糖類」ともいう。単体では整腸作用があるので積極的に取り入れてもOKの糖質。

糖アルコールの例

[キシリトール]甘みはあるがカロリーがない糖質。多くは加工食品に利用されるが、血糖値が上がらないので安心して摂れる。ひとつ難点があるとすると、消化されないのでお腹を壊すことも。

③ 糖類

マトリョーシカの核をなす糖類は、ひと口舐めたら「甘い」と感じる糖質の神髄。というのは糖質の最小単位、ブドウ糖や果糖が自らの存在を主張しているから。血糖値の急上昇を招くこのベイビーには要注意だ。

単糖類の例

  • [グルコース]糖質の最小単位の代表格が単純糖質であるブドウ糖。生き物の血液中に存在するものをグルコースと呼び、これが直接のエネルギーとして消費される。
  • [フルクトース]フルクトースは果物の中に多く含まれている果糖。ブドウ糖とは代謝経路が異なるので口にしても血糖値は上がらない。また、インスリンが発動しないので中性脂肪になりやすい。

二糖類の例

  • [スクロース]いわゆる砂糖の主成分がこれ。ブドウ糖1分子と果糖1分子が結びついたものだから二糖類と呼ぶ。自然界に存在する食品として砂糖は控えめにしたい糖質食品の最たるもの。
  • [乳糖]ブドウ糖にガラクトースという単純糖質がくっついたもの。読んで字のごとく乳製品に多く含まれている二糖類。血糖値こそ上がりにくいが日本人は乳糖を分解する能力が低い。
  • [麦芽糖]ブドウ糖1分子ずつが結合した二糖類で、水飴の主原料。果糖とブドウ糖の組み合わせの砂糖よりも血糖値が上がりやすいので、こちらも最大注意が必要。

糖質=悪ではなく、本当に避けるべき糖質、うまくお付き合いしていくべき糖質を見極める。これぞ賢い糖質コントロール術の基本。まずは、糖質の分類を理解することから始めよう。

取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 イラストレーション/コルシカ 取材協力/吉谷佳代(管理栄養士・桑原塾)

初出『Tarzan』No.804・2021年2月10日発売

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