まずは、いつもより「ちょっと多めに速く歩く」。
内臓脂肪を手っ取り早く減らすには、ウォーキングがいいと聞いたことがあるはず。
その理由は、同じ動きを長時間繰り返す歩行動作が脂肪をエネルギーとして燃焼させるのに適しているから。その過程で酸素を必要とするため、多少息が上がるぐらいの速歩きがちょうどいいのだ。ランニングと違い、通勤や買い物で外出した際についでに始められるのもいい。
では、どんな感じで歩き始めればいいのか。
「1,000歩歩くと約10分といわれますが、昨今は在宅勤務続きで1日10分も歩けていない方も少なくないはず。まずは10分、できれば20分歩き続ける機会を一日に何度か作りましょう。片道徒歩5分以上かかる場所まで昼ご飯を食べに行くとか、片道10分の場所にあるスーパーに行くとか。また出勤したときは最寄り駅ではなく1駅手前で降りて20分程度歩くやり方も。ちょっとした工夫で歩く機会はいくらでも作れますよ」(トレーナーの齊藤邦秀さん)
また、普段駅や建物の移動でエレベーターやエスカレーターを使っている人は、4~5階以内の移動であれば階段にチェンジしよう。とくに階段を上る動作はちょこちょこ積み重ねるほどいい運動になる。
「個々の運動がどの程度の運動量なのか、それを示す指標としてMETs(メッツ)があります。安静時のメッツが1で、それと比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度が示されていて、通常の歩行動作は3~4メッツ。速度が上がるにつれメッツの値も大きくなり、時速7.2kmのウォーキングだと7メッツにもなるんです」
時速7.2kmは1km当たり約8.3分。競歩に近いペースで、ジョギングに換算するとかなりゆっくりめのペースとなる。1日に1、2回はこの速度で速歩きすることを目指そう。
メッツからは消費カロリーを出すこともでき、体重70kgの場合、7メッツの速歩きを20分行うと約170キロカロリー消費できてしまう。
「常に時速7.2kmで歩くのは無理でも、なるべく速歩きを心掛けてください。在宅ワークを始めて1日の歩数が3,000歩未満になった人が急増したとの話を聞きますが、1日に最低でも8,000歩、内臓脂肪燃焼のためには1万歩歩きたいところ。歩数や距離、消費カロリーを計測できるスマホアプリなどを使えばゲームのポイント稼ぎ感覚で歩くことを楽しめます。今日から始めましょう!」
脂肪を燃やす速歩のポイント
- 最低20分間は歩き続けよう。
- 速さはゆっくりジョグのペース。
- 腕を大きく振ればカロリー消費量UP。
時間がないなら「1分なわとび」。
ウォーキングがいいのは重々承知だけど、20分も歩くのはダルいし時間もない…。
そんな人はなわとびを。これならたった1分の運動で内臓脂肪燃焼につながります、と齊藤さん。上で触れた運動強度メッツの値が、なわとびはズバ抜けて高いのだ。
「その値は12.3メッツにもなります。高強度な分、長くは続けられませんし、子供の頃にやって以来という方も多いでしょうから、最初はうまくできなくても仕方ありません。つっかえつっかえでも構わないので、とりあえず1分間やってみてください」
まずはなわとび選びからスタート。最近は百円ショップでも買えるが、グリップ部分が短くて回しにくかったり、ロープがビニール製ですぐ捻じれてしまい、これまたうまく回せないケースが多々ある。つまり、いい大人が運動目的に使うギアとしては適していないのだ。
「持ち手のグリップは長めで、ロープの端がベアリング式で固定されているもの。ロープはワイヤータイプが跳びやすいのでおすすめです。大手スポーツメーカーから発売されている2,000〜3,000円以上のものであれば、まず間違いないと思います。寒くて外でやるのはちょっと…という方は、室内でもできるロープのない“エアなわとび”をチョイスしてもいいでしょう」
なわとびを用意したらまずは長さの調整を!
なわとびの長さを調節したら、早速跳んでみよう。
「まずは前回し。脇が開かないようにしつつ、胸のあたりからカラダを引き上げるように跳ぶのがコツ。着地は爪先立ちにすると下半身に負荷がかかりません。最初は難しいですが、手首の回転でリズムを刻みながら、一定のスピードで跳ぶよう意識してみてください」
数年、いや数十年ぶりのなわとびは果たして何回跳べただろうか。なかにはゼエゼエと息が切れ、子供の頃にずっと跳び続けられたのが信じられない人も多いはず。消費カロリー量で見ると、体重70kgの場合1分跳ぶだけで約15キロカロリー。在宅勤務中心なら、気分転換ついでに一日に数回なわとびすれば効率よく活動量を増やせる。内臓脂肪燃焼にはもってこいなのだ。
慣れてきたら2分、3分続けたり、片脚でケンケンしながら跳んだりして強度アップを。
慣れたら2重跳びなどバリエーションにトライ。
脂肪を燃やすなわとびのポイント
- まずは1分間。つっかえてもOK。
- 休日は5セットやってみる。
- 慣れたらバリエーションを加えよう。