ウコン以外にもあった! 飲み会前後に活用したい漢方薬 | 年末年始とお酒③
管理栄養士・漢方アドバイザーの安藤有子さんに聞く、「お酒との付き合い方」シリーズ。今回は、二日酔い対策として活用したい漢方薬について。
取材・文/石川優太、村上広大 イラスト/加納徳博 監修/安藤有子(管理栄養士、漢方アドバイザー)
“飲み会前はウコン”ってホント?
「今日はとことん飲むぞ!」と意気込んだときに頼りがちなのがウコンドリンク。ウコンに含まれているクルクミンという成分に抗酸化作用や抗炎症作用があり、アルコール性の炎症を抑えると言われている。
ただし、二日酔い予防に効果的かというと、そうした有効性においての信頼できる十分な情報が現在のところないという。 では、ウコンの代わりに二日酔い対策として取り入れたい漢方は?
「オススメの生薬田七人参(でんしちにんじん)です。高麗人参と同種のニンジン属のハーブですが、製薬でも効能を期待できます」(管理栄養士・漢方アドバイザーの安藤有子さん)
田七人参に含まれているサポニンという成分が血流の促進を促してくれるほか、肝機能も高めてくれるという。
「田七人参は、体質に合う人だと甘く感じて飲みやすく、からだをポカポカと温めてくれる作用も含まれていますから、これからの寒い時期にもピッタリです」
漢方を飲むベストタイミングは?
では、漢方を飲むタイミングは食前と食後のどちらの方がいいのだろうか。
「ベストは食前の30分前。胃に食べ物が入っていると、漢方を十分に消化・吸収することが難しくなってしまうからです」
とはいえ、「30分後にご飯を食べるぞ!」と器用に考えることは難しい。そういう場合は、食事の直前に服用するといいという。
食前に漢方を飲み忘れたら?
ちなみに、うっかり漢方を飲み忘れたときや飲み過ぎてしまったときには、五苓散(ごれいさん)が助け舟になってくれるそうだ。
「五苓散には、カラダの水分循環を改善して、水捌けをよくする作用があります。アルコールによる吐き気や下痢、頭痛、むくみ(浮腫)などに適応するので、二日酔いを予防しつつ、生薬として入っている茯苓(ブクリョウ)による滋養作用で肝臓の回復を早めることが期待できます」
食前・食後に漢方をうまく取り入れることでお酒のダメージは最小限に抑えることができる。飲みすぎて帰宅後即バタンキュー…胃の痛みで目が覚めた! なんてことにならないように、今から漢方を常備しておこう。
次回は、アルコール摂取時に食欲が増す理由について紹介します。
安藤有子さん
教えてくれた人
あんどう・ゆうこ/ 管理栄養士・ペット栄養管理士・漢方アドバイザー。 大手食品メーカー、肥満外来でのダイエットサポート、各メディア監修を経て、 現在オクタウェルにて全国の管理栄養士のスキルアップに従事。