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フィットネスの習慣化を助ける新感覚ライト《ライフコンディショニングシリーズ》を体験
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いざ走り始めると体感する問題の数々…。でもそんな問題も、意外にちょっとした工夫でクリア可能なんです。今回は「走らなきゃと思うのに、ついついサボってしまう」という悩み。4つのQ&Aから解決策を見つけ出そう。
走ろうと思ったのに、何らかの理由で走れなかったら、ネガティブな失敗体験として胸に刻まれる。レースでいうところの「DNS(Did NotStart)」だ。
DNSが度重なるとやる気がどんどん落ちてしまい、ランの持続化が難しくなってしまう。それを防ぐために有効なのは「0か1か」というオール・オア・ナッシング的な発想をバッサリ切って捨てること。
「5km走ったら1、走らなかったら0ではなく、着替えてうちを一歩でも出たら、サボったとカウントしないようにしてください」(フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さん)
たとえば、あるランナーのルーティンが5kmを40分で走ることだとする。時間が40分取れない日に「時間がないから走れない」とネガティブになるのではなく、「15分なら時間があるから、とりあえず着替えようかな」とポジティブに考え直そう。5kmランで得点1がゲットできなくても、2km走れたら0.4、3km走れたら0.6はゲットできる。
イマイチ気分が乗らず、DNSに陥りそうになったときでも、やはり着替えて外に出てみる。少し走って汗をかくと気分が前向きに変わり、もうちょっと走ろうと思えるはず。こういうふうにマインドセットを切り替えると失敗体験にならず、モチベーションが保ちやすいのだ。
ランニングのような有酸素運動のほとんど唯一の弱点は、退屈なこと。シンプルというか単調すぎる動きの反復だから、ランにはテニスやゴルフのような面白さはない。ならば、走り“ながら”何かをやってみてはどうだろう。
「テニスやゴルフのようなスポーツは“ながら”では行えませんが、ランは、“ながら”でもできる貴重な運動。同じ有酸素の水泳やバイクなどと比べて、もっともストレスなく“ながら”で行えます」
ながらランの定番は、好きな音楽を聴くこと。テンポの良い音楽を聴きながら走ると足取りも軽くなり、いつものペースがラクに感じられる。ワイヤレスタイプのイヤホン、ヘッドホンがあれば、より快適だ。周囲の音が聞こえるよう、ノイズキャンセリング機能をオフにしたり、骨伝導タイプなどを選んだりしよう。
走りながら本を読むわけにはいかないが、オーディオブックなら読書体験ができる。またポッドキャストで英語学習系のチャンネルを聴けば、英語力の向上にも役立ちそう。
天候を言い訳にしていると、走れる日が少なくなってしまう。小雨くらいなら、雨&防寒対策を講じたうえで走ってみよう。非日常感が味わえるし、意外に気持ちいいものだ。しかし、本降りの雨の日なら、ランは迷わず中断すべき。足元が滑って危ないし、カラダが冷えて体調を崩したら一大事だ。
その代わりに取り組みたいのは、コンディショニング。ランを続けていると、多かれ少なかれ疲労が溜まっているもの。ランに割くはずだった時間を有効活用し、リカバリーに努めるのである。
たとえば、長めの浴槽入浴でカラダを芯から温めてから、ランで酷使する足腰の筋肉をストレッチでケアする。マッサージ店に予約を入れて、プロに気になる部位をほぐしてもらう手もある。その夜普段より早めに床に就いたら、翌朝は早起きだってできるはず。天候が好転して気分が乗っていたら朝ランを試してみよう。
体調万全なら、室内での有酸素運動や筋トレなどに取り組むのもいい。
忙しい日々を送っているビジネスパーソンには、平日走る時間を作るのが難しい人も結構いる。在宅勤務がニューノーマルになっても、平日はバタバタするものなのだ。ならば、平日は仕事に集中して、週末だけ走ってみよう。
同じ部位の筋トレを土日で続けるのはNGだが、痩せラン(=痩せるためのランニング)なら連チャンでも問題ナシ。筋トレは2〜3日おきに行うのが鉄則だが、ランは10km以上走るような無茶をしなければ毎日のようにやっても平気なのだ。
そもそもランのように長時間続けられる有酸素運動は、筋トレよりも総じて負荷が低め。長時間できない高負荷の筋トレでは、次のトレーニングまで48〜72時間ほどの休息が求められるが、ランは24時間休めば十分に復活できる。そして1週間の走行距離が同じなら、平日2〜3日おきに走っても、週末だけ走っても、減量の度合いには差がない。
ランでは痩せる以外に多くの御利益があるけれど、その恩恵も週末まとめてやってもちゃんと得られる。週末にまとめて運動する人を、欧米では「ウィークエンド・ウォーリア(週末戦士)」と呼ぶ。
ウィークエンド・ウォーリアに関する研究は数多く、その多くは土日のように週1〜2回でも、3回以上の頻度で行っても、死亡率、心臓病リスク、がんリスクには大きな差がないことを示している。胸を張ってランの週末戦士になろう。
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/村田真弓 取材協力/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション)
初出『Tarzan』No.798・2020年10月22日発売