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疲れを吹き飛ばす食べ方のコツを伝授。今回は「代謝不足」をテーマに、摂取効率や食べ合わせを徹底的に考えた簡単オリジナルレシピを紹介します。
全工程2分で完成する究極の手抜き疲労回復レシピ。手抜きなのに、絶妙な塩気とパリパリ食感で素直に美味しい。多めに作っておけば、冷蔵庫で2日ほど保存が利く(湿気ないように容器をしっかりラップすること)。ブレイクタイムのお茶請けや、お酒のつまみとしても活躍しそう。
肌寒い季節になると恋しくなるのがクラムチャウダー。小麦粉をバターで炒めたホワイトソースでとろみを出すのが王道だが、今回は胚芽パンで代用している。胚芽パンなら手軽だし、ビタミンB1も補えるからだ。パンが入っているので、この一皿で主食、主菜、副菜がまとめて摂れる。
切り落としの豚肉を美味しく食べるポイントは、焼く前に舞茸としばらく密着させること。生の舞茸には、タンパク質分解酵素のプロテアーゼが含まれており、チークタイムの間に豚肉のタンパク質を分解して柔らかくする。合わせ調味料に加える酢にも豚肉を柔らかくする作用がある。
ビタミンとは、命をつなぐのに不可欠なのに、体内で必要量が合成できないもの。13種類ある。その半分以上の7種類を占めているのが、ビタミンB群。
7種類のB群で日本人にとくに足りないのは、B1、B2、B6の3つ。これらは肝心の3大栄養素の代謝を担い、B1は糖質、B2は脂質、B6はタンパク質を代謝するのに欠かせない。代謝が落ちると疲れやすいから、要注意。B群は協力し合って働くので、この記事のレシピ3品はB1、B2、B6が一度に摂れるようになっている。B群は水溶性で体内に蓄積されないため、摂り貯めできない。日々の食事でB群の摂取を優先して。
併せて摂りたいのは、こちらも体内で合成できない必須ミネラルの亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)。ともに日本人に欠乏しやすい。亜鉛もマグネシウムも、代謝をスムーズに進める役目を果たす酵素を合成する。さらに亜鉛は、細胞が新陳代謝する際に欠かせない存在。食事で美味しく補おう。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 料理製作・取材協力/美才治真澄(管理栄養士)
初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売