• 加齢によってバテやすくなるのは、なぜ?|専門家に聞く「疲労の正体」vol.5
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2020.10.29

加齢によってバテやすくなるのは、なぜ?|専門家に聞く「疲労の正体」vol.5

専門家に聞く「疲労の正体」|酸化と自律神経の関係

どうして人間は疲れるのか? 頑張る男子くすぶりくんの漫画と疲労の専門家・梶本先生の解説をテーマごとに読めば、謎が解ける! 今回のテーマは、「自律神経の酸化」について。

梶本修身
(イラスト左)梶本修身先生/東京疲労・睡眠クリニック院長。元大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。疲労研究の第一人者として多数の著書やテレビなどのメディアで情報を発信。
(イラスト右)働き盛りの33歳・くすぶりくん/本名は、クスブリヒカル。仕事に追われながら、日々起こるささいなことにいちいち反応し、ヘルメットから煙をプスプスと出してくすぶることがクセ。
専門家に聞く「疲労の正体」|酸化と自律神経の関係

酸化によって自律神経の細胞が錆びる。

梶本修身先生(以下:梶) その答えは脳の自律神経の細胞が酸化して「錆びる」からです。

くすぶりくん(以下:く) 「錆びる」? 「疲れる」とは違うんですか?

 疲労の正体は酸化することなんです。神経細胞は酸素を取り入れてエネルギーを作り出して活動しますよね。活動するほど酸素がたくさん消費されて、その一部が活性酸素になります。

 活性酸素って聞いたことあります。不安定で反応性が高い酸素ですよね。

 活性酸素が他の細胞と反応するのが酸化です。活性酸素が自律神経のミトコンドリアというところで酸化を引き起こすことで、細胞が錆びてしまう。すると、結果的に細胞や組織の機能が低下してしまうんです。

 ミトコンドリアは酸素を取り入れてエネルギーを作り出すところだからですね。

 そう、エネルギー工場の機械が錆びてしまうんです。

専門家に聞く「疲労の正体」|酸化と自律神経の関係

 動けば動くほど酸化が進むってことですか? なんか怖いなぁ。

 といっても私たちのカラダには抗酸化物質が備わっていて、適度な運動やストレスによる活性酸素なら打ち消すことができます。疲れていても、翌日の朝すっきり起きられたら抗酸化作用で打ち消せたということ。そうでなければ運動やストレスによる酸化レベルが大きすぎたということです。

 うぅ、今日は起きるときだるかった。錆びてるのか、僕は。

 翌日に錆びが取れればいいけれど、そうでないときもあります。すると錆びがこびりついて機能停止してしまう細胞も出てきます。これが「老化」です。

 毎朝の寝起きをチェックすることが大事なんですね。でも、そしたらゴルファーは錆びにくくてサッカー選手は錆びやすいってことですか?

 自律神経の機能は10代後半をピークにして40代で半分、60代で4分の1くらいに落ちます。どんなに頑張っても半分に落ちたら心拍や呼吸のコントロールができずにバテてしまいます。とくにサッカーでストップ&ゴーを繰り返すようなポジションの選手は自律神経の調節が難しいんです。

 なるほど。ゴルフはそういう激しい動きが少ないから選手生命が長いんですね。じゃあキ○グ○ズが今現役なのは、あんまり動かないポジションだから?

 ゴホン、私の口からはなんとも言えません。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/沼田光太郎

初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売

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