余計な油を使わず、香りで味わう。
自分で作るのはハードルが高いイメージの燻製だけど、実は鍋ひとつで簡単にできる。専用の燻製チップも必要なし。使うのは、スーパーやコンビニのお茶コーナーに売られているほうじ茶の茶葉。お茶の種類は烏龍茶や緑茶に替えてもいいし、紅茶のティーバッグの中身を使用してもいい。
ほのかに甘い薫香が鼻を通り抜けると、お腹だけでなくカラダ中が満たされるため、少量でも満足できるのが燻製のいいところ。魚のほかにもうずらの卵、かまぼこ、チーズなども燻製との相性がいい。いつもと違うタンパク質補給として、お試しあれ。
秋魚のクイックスモークの作り方
材料(作りやすい分量)
- 鮭、鯖、鰆などの切り身…3切れ
- 塩…魚の1.5%塩分(100gなら1.5g)
- 茶葉(ほうじ茶、緑茶、烏龍茶、紅茶など好みで)…ひとつかみ
- ザラメ糖…大さじ2
- カボス…好みで適量
- 大根おろし…好みで適量
作り方
- 切り身に塩をまぶし、キッチンペーパーで包み冷蔵庫で1時間以上置く。
- 切り身よりひとまわり大きく切ったオーブンシートに1を1切れずつ乗せる。
- ②(上記の切り身)の入る大きさの鍋を用意し、底にアルミホイルを敷く。その上にほうじ茶とザラメ糖を入れ、軽く混ぜてから底全体に平らにならす。
- 強火にかけ、煙が立ってきたら③(茶葉)の上に切り身をオーブンシートごと乗せる。蓋をして弱火にし、20分ほど加熱、火を止めて10分ほど置く。好みでカボスや大根おろしを添える。
ポイント
底にアルミホイルを敷くことで、鍋の底が汚れないというメリットも。燻製が完了した魚を取り出したら、アルミホイルで茶葉を丸めてポイ。
これで完成!
栄養にも注目! 脂が乗った秋魚。
脂が乗った高鮮度の魚を堪能するなら今がチャンスだ。秋に脂が乗る代表選手は、100%天然で、流通するすべてが国産という秋刀魚。抗酸化作用のあるアスタキサンチンを多く含み、運動をする人にとっては欠かせない食材である鮭。そして質のいいタンパク質が摂れると注目を集めている鯖も、実は秋が旬。
「旬の食べ物は、旬でないときに比べて栄養価が高いといわれています。とくに魚には血液中の中性脂肪を下げる働きがある必須脂肪酸EPA、DHAが豊富で、脂が乗った今の時期はこれらを効率よく摂ることができます。ただし、脂が多いということはエネルギーも高くなりやすい。そのため、今回は+αの油を使わない燻製やグリル焼きの調理法で余分なエネルギーをカットしました」(管理栄養士の美才治真澄さん)