散歩の効果を上げる! 血流を促し筋肉をほぐすダイナミック・ストレッチ
散歩時間を自分で作る必要があるこのご時世、屋外に出るときはダイナミック・ストレッチをプラスしたい。血流が促進され、関節の動きも滑らかになる。凝り固まったカラダを大きく動かそう。
取材・文/神津文人 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/ヒラノトシユキ 監修・指導/澤木一貴(SAWAKI GYM)
初出『Tarzan』No.793・2020年8月6日発売
歩きながらの動的ストレッチでカラダを整える。
散歩の目的地は、公園や広場。そこまでの道のりは、歩きながら行えるダイナミック・ストレッチでカラダの準備を整える、いわばウォーミングアップの時間だと考えよう。
長時間のパソコン作業で凝り固まってしまった筋肉と関節を、少しずつほぐしていくイメージだ。クーラーの効いた部屋で座りっぱなしだった場合は、カラダが冷えてしまっている可能性も高い。歩きながら徐々にカラダを温めていこう。上半身のメニューからスタートし、下半身のメニューを後半にするのがおすすめ。全身を大きく動かすスキップ、サイドステップは、ウォーミングアップの総仕上げ。
最初は強張っていたカラダも、公園や広場に着く頃には、アクティブに動かす準備が整っているはず!
肩回し(広背筋、大胸筋)
広背筋、大胸筋をほぐすストレッチ。両手を肩に置き、肩を中心に肘で大きな円を描くイメージで、肩関節を回す。なるべく肩甲骨を大きく動かすように。前方向に5回転したら、後ろ方向に5回転。
手首回し(前腕筋群)
前腕筋群をほぐし、手関節の動きを滑らかにする。両手を胸の前で組む。肘の位置をあまり動かさずに、手首を回す。時計回りに5回転、反時計回りに5回転したら、指を組み替えて(手前に親指が来る手を変える)同様に行う。
回旋ウォーク(腹斜筋、僧帽筋)
手の甲を上にして、胸の前で手を重ねる。右足が前に出るタイミングで上体を右側に捻る。左足が前に出る時に左に捻る。顔は正面に向けたまま。計10歩分行う。腹斜筋や僧帽筋をほぐしながら、胸椎の動きを滑らかにする。
側屈ウォーク(広背筋、腹斜筋、前鋸筋)
両腕を頭上に伸ばし、手のひらを上に向けて両手を組む。左足が前に出るタイミングで上体を左側に倒す。右足が前に出る時に右に倒す。顔は正面に向けたまま。計10歩分行う。体側を伸ばして、広背筋、腹斜筋、前鋸筋をほぐす。
カールウォーク(大腿四頭筋)
両手は腰に添える。片足が着地する際に反対側の脚を後ろに振り上げて、踵をできるだけ臀部に近づける。リズミカルに繰り返す。計10歩分行う。大腿四頭筋をほぐしながら、ハムストリングスのトレーニングにもなる。
腿上げウォーク(腸腰筋、大腿直筋)
骨盤の安定にもつながる。ヘソの前で両手を合わせる。前に出す脚を大きく振り上げて、膝で手のひらをキックする。リズミカルに繰り返す。計10歩分行う。腸腰筋、大腿直筋のトレーニングにもなるダイナミック・ストレッチ。
踵ウォーク(腓腹筋)
両手を腰に添える。両足の爪先を地面から離して踵で立つ。そのまま踵だけを地面につけて歩く。20歩を目安に。腓腹筋をほぐしながら、前脛骨筋のトレーニングにもなり、足首の可動性が高まる。つまずき予防にもなる運動。
爪先ウォーク(前脛骨筋)
両手を腰に添える。両足の踵を地面から離して爪先立ちに。そのまま爪先だけで歩く。20歩を目安に。前脛骨筋をほぐしながら、下腿三頭筋のトレーニングにもなる。ふくらはぎのポンプ作用によって血流も促進される。
スキップ(巧緻性、リズム感)
片足で2歩ずつ交互に軽く跳びながら進む。なるべく大きく腕を振り、リズミカルに繰り返す。20回を目安に。スキップも立派なダイナミック・ストレッチの一つで、加齢とともに衰えがちな巧緻性やリズム感を養うことができる。
サイドステップ(カラダと脳を刺激)
両足を腰幅に開いて立つ。右足を1歩横方向に動かす。着地と同時に少し跳んで、左足を右足に近づける。リズミカルに繰り返す。10回。向きを変えて反対側も。日常動作にない横方向の動きで、カラダと脳に刺激を入れる。