【はじめてのスポーツジム】30分しかないんですけど、鍛えられますか?
器材が揃って何でもできるスポーツジムだから、かえって何をどうするか迷う。この記事では、時間がない人やちゃんとやっているはずなのに効いていない…という人へのマシントレへのお悩みを解決する。
取材・文/鈴木一朗 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 イラストレーション/越井隆 監修・指導/坂詰真二(スポーツ&サイエンス)
初出『Tarzan』No.785・2020年4月9日発売
Q. 30分しかないんですけど、ジムに行けば鍛えられますか?
A. 30分あれば、トレーニングできる。
30分あれば十分にトレーニングできる。ここに全身を鍛えるマシントレーニングを7種目用意した。すべて10回×3セット行ってほしい。
10回で30秒、インターバル30秒として1種目3分あればできる。最後にシートを拭いても4分かからない。それを7種目こなすのだから、計算上は28分かからない。
「多くの人は厚い胸板、逞しい腕を目指して上半身から鍛えたがりますが、筋力トレーニングにおいては下半身を優先的に鍛えることが大切です。運動不足や加齢で衰えやすいのは下半身です。ここを鍛えることでエネルギー消費量も増えて太りにくいカラダになれますし、上半身や体幹を鍛える用意ができます」(坂詰真二トレーナー)
できれば表の順に行うのがベスト。
ただ、下半身のマシンが塞がっているときは上半身から行い、空いたら下半身の種目に移ろう。ジムが混んでいる場合は、すべての種目ができないこともある。時間がなくなってしまったらショルダープレスを割愛しよう。
① レッグプレス(下半身)
② トウプレス(下腿部)
③ ローワーバック(腰背部)
④ トランクカール(腹部)
⑤ チェストプレス(胸部)
⑥ ロウイング(上背部)
⑦ ショルダープレス(肩部)
Q. 思ったようにトレーニングの成果が出ないようなんですが?
A. チーティング動作はやってはいけない。
ウェイトが重ければ、筋肉はより鍛えられる。実は、これは間違い。
「筋トレは重量でなく、鍛えたい筋肉で持ち上げているかが重要。重いウェイトは、反動などを利用するチーティング動作が起きやすいです」(坂詰真二トレーナー)
たとえば背中を鍛えるロウイングでは、重量を増やすと上体の角度が大きく変わるようなフォームに陥りやすい。こうなると、背中だけでなく、下半身や尻など強力な大筋群が総動員されてしまい、ピンポイントで背中に効かすことができない。
「筋トレで成果を出すには、1種目1部位の筋肉だけを稼働させることが重要です。だからこそ適正重量で正しいフォームを守るべき。高重量でフォームが崩れていないか確認してみてください」
Q. 設定した負荷が軽すぎる? 調節の仕方を教えてください。
A. 2フォー2ルールで、徐々に負荷を上げる。
最初に自分の重量を設定したら、それでトレーニングを継続する。やがて筋力が高まってくると、その重量では筋肉に十分な刺激を与えられなくなる。ここが、設定重量を変えるタイミングだ。客観的な判断基準がある。
「2フォー2ルールをお勧めします。全セットで設定回数より2回多く上げられた。10回×3セットだったら、12回×3セットできた時が重量を変えるタイミングかもしれません。次のトレーニングでも12回×3セット上げられたら設定重量を上げます」(坂詰真二トレーナー)
上半身のトレーニングの場合は、ウェイトのピンの位置を、ひとつ下げればよい。下半身は筋肉が大きいのでふたつ下げる。それで10回がきつければ回数は少なめにしておく。