入浴、外出…実はカラダに負担をかけている「リフレッシュ法」5つのNG

①サウナでたっぷり汗をかき、体調を整える。

ダラダラと大量に発汗しては水風呂に浸かるという行為を何度か繰り返し、整いました！　と嬉しそうに叫ぶサウナーたち。それ、本当に整っているのか？

「高血圧にも繫がることがあるので、私たち内科医は患者さんにサウナを勧めることはまずありません」と言うのは、銀座上符メディカルクリニック院長・上符正志さん。

「サウナの効能は、年齢や性別、運動量によって異なると思います。たとえば体力がある人やアスリートなら代謝を上げるというメリットが得られます。逆に体力のない人は深部体温の急激な変化で疲れて風邪をひくこともあります」

もともと北欧のフィンランドのサウナ文化は、それほど熱くない温度でスチームを浴びながら家族や友人がリラックスしながら過ごすというもの。日本のサウナは耐えて忍んで我慢してナンボ。そりゃ体力のない人は整うどころか壊れます。

体力に自信のない人はサウナに手を出さないこと。

②入浴時は首まで浸かってじっくり温まる。

熱いお湯に首まで浸かるのが好きな江戸っ子気質。43度の湯に首まで浸かり、100まで数えたところでザバッと浴槽から立ち上がり、脱衣所に出た途端にウッと唸ってバッタリ昏倒。

熱い湯に浸かって体温が上がり、水圧によって血管が潰され、発汗による血液ドロドロも手伝って血圧が上昇。いきなり室温の低い脱衣所に移動し、さらに血管が狭くなって脳や心臓の血管に負担がかかって倒れてしまう。

「首まで浸かるのではなく、せめて胸までや、半身浴がおすすめです。心臓より上が空気に触れていることで、水圧もかからず、頸動脈が冷えた状態になります。血液が一度冷えてから脳に送られるので湯あたりしません」（上符さん）

入浴時は血圧を急激に変動させないことが重要。とくに熱いお湯が好きな江戸っ子さんは、半身浴がマスト。

③仕事が忙しいほど、週末は外出してリフレッシュ。

腎臓の上にベレー帽のようにちょこんと乗っかっているのが副腎という臓器。その大きな役割はストレスに対抗するホルモン、コルチゾールを分泌すること。

「ストレスを受けると副腎はコルチゾールを分泌して血糖値や血圧を上昇させます。外敵から襲われたとき戦うにしろ逃げるにしろエネルギーが必要だからです」（上符さん）

ストレスが適度なレベルで収まっているなら、人はこのシステムでストレスに対処できる。ところが、コルチゾールがしょっちゅう分泌されると副腎は疲れ切ってホルモンが枯渇してしまう。これが副腎疲労（アドレナルファティーグ）と呼ばれる状態。

ならば、どんなに忙しくても週末は外出してストレスリリース？いやそれは逆効果。

「適度な運動は副腎疲労の予防には有効ですが、副腎疲労の対策としては休養や睡眠が第一です。副腎疲労によるホルモン分泌は40代以降、崖を下るように低下していきます」

この年代からは仕事が忙しいときの週末の外出は疲れを増やすだけ。ストレスを感じたらカラダを休めることが先決。

④コーヒー風呂に牛乳風呂、食べ物配合のユニーク風呂が好きだ。

素の湯よりも入浴剤を入れた方が断然カラダは温まる。確かにそう。入浴後はポカポカが長続きして眠りにも入りやすい。

「市販の入浴剤や柚子や菖蒲などの季節の植物を浴槽に入れるのは問題ありません。ただし、食べ物や飲み物を入れたお湯に浸かるのはリスクがあります」（上符さん）

たとえば、ワイン風呂、コーヒー風呂、牛乳風呂、スーパー銭湯やスパ施設で、たまに見かける変わり種のお風呂。

「こうした分子量800以下の飲み物の物質は皮膚から体内に入っていきます。全身浸かればなおさらです。原因物質を摂取してから反応するまでに時間がかかる遅延型アレルギーに繫がる可能性があります」

浴槽いっぱいに大好物を入れて全身浸かりたい。そんな夢を抱く人は少なくないが、口に入れるものに浸からない、が原則だ。

⑤毎日のようにマスターベーションしている。

VRの彼女に夢中。毎日のマスターベーションではもっぱら彼女のお世話になっている。最近もう、彼女以外の女性に性欲が湧いてくる気がしない。

それがカラダに悪いとは言わない。だが、あまりに頻度が高すぎると、性的能力に問題が。

「バーチャルな相手でマスターベーションをしすぎると、リアルな女性に対する性欲が低下します」（上符さん）

「それに一度射精をすると精子の数は少なくなります。健常男性の平均の精子数は1ccに約1億個。マスターベーションをすると、それが2,000〜3,000万個くらいになってしまいます」

VR彼女はリアル彼女のようにデートをしたり食事をおごったりとあれこれ手間をかける必要がない。手軽な刺激での射精に慣れてしまうと、リアル性生活でセックスレスに陥ることも十分考えられる。ご用心。