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ウデタテで肘がポキポキ鳴るのってヤバイですか(40代男性)
読者から寄せられた質問に、『ターザン』が誇る一流トレーナーがズバリ回答! 筋トレ・ボディメイクの悩みには、日本体育大学体育学部准教授にして現役ボディビルダー、「バズーカ岡田」の異名でも知られる岡田隆先生が向き合います。
今回の質問
筋トレで逆立ち腕立て伏せをしているのですが、最近肘を曲げ伸ばしするとポキポキ鳴ります。痛みはないのですが、これって何かやばい兆候? そして逆立ち腕立て伏せはやめた方がいいのでしょうか。(40代男性)
肘に負担をかけずに三角筋を鍛えられる種目に変更を。
断言はできませんが、肘がポキポキ鳴るというのはおそらく関節の状態があまりよくないのではないでしょうか。何も問題がない肘はそんなに鳴りません。
痛みがないのであればまだよいのですが、これを機に種目を変えてみるのはいかがでしょう。
肘を気にしながら同じ種目を続けるより筋肉の成長が見込めますし、しばらく肘に負担をかけないことで関節の状態が改善する可能性もあります。
あなたが今やっている逆立ち腕立て伏せは、上腕三頭筋の力で生じる肘を伸ばす動きを利用して三角筋を鍛える種目ですが、ダンベルを使ってサイドレイズやフロントレイズ、リアレイズを行えば肘に大きな負担をかけることなく三角筋に刺激を与えることができます。
フロントレイズの正しいやり方/両手にダンベルを持ち、両足を肩幅に開いて立ち、膝を軽く曲げて上体を軽く前傾。肘を伸ばしてダンベルを太腿の前で構える。両腕の幅を保ち、肘が肩の高さに来るまでダンベルを正面に引き上げて、元に戻す。
1か月間続けると、またこの動きにカラダが慣れてきてしまうので、元に戻して逆立ち腕立て伏せをやってみてください。肘のポキポキは治まっているかもしれませんよ。
「おかしいな」と感じたらすぐにやめる勇気を持つ。
今のまま逆立ち腕立て伏せを続けていると、いずれいきなり本格的な肘の痛みにつながる恐れがある。一度そうなってしまうと治療にはとても時間がかかり非常に厄介ですから、今のようにポキポキ鳴るとか違和感を感じ始めたら、肘をなるべく使わない種目に変更すること。
カラダを変えるにはトレーニングを続けるほかありませんが、継続が不可能になるほどの痛みが出てしまったら元も子もありません。私もそれで散々後悔してきました。
特に逆立ち腕立て伏せのような関節に大きな荷重がかかる種目はリスクが高い。少しでも「おかしいな」と感じたらすぐにやめる勇気をもちましょう。勇気ある撤退、そして他の戦略を立てる、これもトレーニングではとても大切になります。
腕立て伏せのベーシックフォーム

- 両手を肩幅より少し広めに開いてうつ伏せになる。
- 両手は乳首のラインにつく。
- 手のひらを開き、指先を外側に向ける。
- 両脚を腰幅でまっすぐ伸ばす。
- 頭から踵まで一直線に保つ。
- 手首と前腕をつねに床と垂直に保つ。
- 肘を曲げて胸を床すれすれまで近づける。
- 両手で床を強く押して元の姿勢に戻る。両手で床を強く押して元の姿勢に戻る。
このケースに限らず、トレーニングで伸び悩みを感じている方は種目を変えると一気に壁を突き破れることが多いです。ひとつの部位に対してできるトレーニングの種類を増やしておくとこうした場合にも対処できますし、定期的に種目を変えられるので刺激が変わって成長も早くなりますよ。
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取材・文/黒田創 イラストレーション/unpis