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武田真治と、自体重トレ「筋トレは僕を未来まで運んでくれるタイムマシン」

「国民的筋肉」はいかにして作られてきたのか。鋼の肉体を持つ柔和な男、武田真治のトレーニング観に迫るインタビューを、発売中の雑誌『ターザン』vol.777号(2019年11月18日発売)より特別掲載!

理想は重たいモノが持てて、速く走れること。それを追求したら、この筋肉ができてきた。

朝仕事に出掛ける前、自宅で武田真治さんのトレーニングが始まる。

「ベンチプレスを30kgから始めます。それから50kg、70kg、90kgとウェイトを増して、それぞれ10回。最後に30kgに戻して連続100回。それが2日に1回、20年近く変わらない僕のトレーニングルーティンです」

2019年1月のテレビ番組では、体重の8割のベンチプレスを何回挙げるかを競った結果、それまでの記録(41回)を大幅に破る109回という驚異的なレコードを達成。普通は、体重の8割のウェイトを100回以上挙げるのは不可能。それができるのは、胸や腕以外に、背中や体幹といった筋肉も使えているから。だから筋トレはベンチプレス以外やっていないのに、全身キレッキレだ。

武田さんにはもう一つルーティンがある。それは15㎞を75分から90分かけて走るジョギング。週2回ペースだが、仕事の都合でできない週もあるから、月合計で100kmをクリアすることを目標に定める。

しかし、このルーティンが乱れてきたのが、最近のお悩み。

「ありがたいことに仕事量が増え、帰宅が深夜になることが多くなった。遅い時間の運動は寝付きが悪くなるから、僕は暗くなってから走りたくないんです。ここ20年間で2019年が一番走っていません」

走る時間が減ったことで、カラダに目に見える変化が出てきたと言う。

「ジョギングが減ったら、筋肉に厚みが出てきた。15kmも走ると筋肉が破壊されて細くなる。細く強い筋肉を求めてきたけど、有酸素をやめたらバルクが出たかもしれません」

好きなのはチーズバーガー。必要なカロリーが摂れて、お腹に溜まらないから、すぐ動けてカロリーが燃やせる。

食事はあまり頓着しないのが流儀。

「お腹いっぱい食べても200キロカロリーのオーガニック料理と聞くと飛びつく人もいますが、僕は共感できません。満腹にならずにカロリーが摂れてすぐに動けるほうが仕事の時は僕にはいい食事。だから、舞台の前はだいたいチーズバーガーです。カラダは重たくならないし、満腹感がないのに栄養がカラダ中に回るのを感じます」

この特集は自体重トレがテーマ。そこで自体重トレにコメントを求めると、意外な答えが返ってきた。

「腕立て伏せから始めようという特集だと思うんですけど、できない人のために僕一人くらいは言ってあげたい。実はマシントレーニングよりこっちの方が難しいよって。ジムに行くのが難しい人には、生活に取り入れやすいという意味で自体重トレはイージーだと思う。そもそも筋肉は親からもらってタダでついている。自体重トレはタダ中のタダですよね」

武田真治
武田真治/1972年生まれ、俳優。約20年前、顎関節症で凝り固まった筋肉をほぐすためにトレーニングを開始。『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)に出演中。12月8日から始まるミュージカル『スクルージ〜クリスマス・キャロル』に出演。

「でも“タダより高いものはない”ので、自体重トレを行うにはいろいろ必要。正しくやるには姿勢を保つインナーマッスルが不可欠だし。自分一人でやる意志の力だっている。ベンチプレスの場合、落ちてくるバーベルを押し返そうとするのは、身を守るための本能的な反応。反面、腕立て伏せでは床すれすれまで胸を下ろしたら、そのままベタッと床で休みたくなるのが自然な本能。床を押して戻るモチベーションがどこにもない(笑)。本当に正しい自体重トレはトレーニングの入り口ではなく出口に近いところにあると個人的には思っています。だから最初はできなくても凹まなくていいのです!」

武田さん自身、自体重トレを取り入れることもある。それは舞台やミュージカルのような現場だ。

「ベンチプレスで重たいものを挙げようと力むと、喉を痛めて声が出なくなる。だから自体重トレに切り替えます。共演者に一人くらいは筋トレに付き合ってくれる人がいるものです。いちばん付き合ってくれたのは、『ライオンキング』で名を馳せたミュージカル俳優の坂元健児さん。競うように数字が伸び、最終的に腹筋が250回まで行きました」

ならば自体重トレのコツは?

「動画を撮りつつ、カッコつけてやること。動画で撮ると腕立てでお腹が落ちているのが見えたり、腹筋で首だけ動いてお腹に効いてないのが分かったりする。カメラを意識してカッコつけるとキレイなフォームでキレイな筋肉が身に付きます。僕自身、『みんなで筋肉体操』(NHK)の収録前の1週間、動画で撮影しながらフォームを確認したりします」

ハンサムとは手の内に何か切り札を持っている人。でも、その切り札は金や権力ではなく、健康な肉体でありたい。

筋トレを続けるには明確な目標がいる。多くのトレーニーにとってそれは筋肥大と美ボディの獲得だろう。けれど、武田さんは筋肥大にも美ボディにもあまり興味はないという。

「昔も今も憧れるのは、速く長く走れて重たいものが持てる野生動物のような肉体。機能を追求した結果が筋肉やフォルムに表れた体型が好きです。理想はチーター。絞れたウェストに痺れますね。チーターは全力疾走して獲物を捕まえたら、とりあえず牙をめり込ませて、じっとしている。それは筋肉に血液が集まり、脳が血液不足で回らず、真っ白になっているからなんですって。誰でも一度は子どもの頃の運動会などで経験ありますよね。なりふり構わず息を切らせて夢中にカラダを動かしたこと。あの興奮と恍惚感を忘れたくないんです」

28歳で鍛え始めてもうすぐ20年。これだけ長い間、鍛え続けるモチベーションはどこにあるのか。

「僕はまだ何者でもないとホントに思っている。結婚もしてないし、子どももいないし、視聴率男になった経験もない。やりたいこと、やってないことだらけなんです! 最近うっすらわかったのは、鍛えて肉体年齢が若く健康だと、世代的にはもう得られないと思っていたチャンスが回ってくることがあるってこと。それを知った今、なおさらトレーニングはやめられません。筋トレは僕を未来まで運んでくれるタイムマシンみたいな存在なのかも」

運動はハンサムへの近道でもある。

「ハンサムとはハンドサム。手の内に何か切り札を持つ人です。体力がある、足が速い、実は力持ちといった切り札が欲しい。だって切り札がお金や権力だと嫌じゃないですか」

INFORMATION

インタビュー完全版は、本誌にて!

理想のカラダを作るために、最も頼りになる“ギア”とは何か? 答えは、ずばり“自分の体重”だ。本当の自体重トレーニングを正しく実践すれば、精悍なフォルムだけでなく、キレのいい動きも磨かれる。発売中の雑誌『ターザン』vol.777(2019年11月28日発売)では、自宅でできる自体重トレ厳選3種目をはじめ、よりハードに追い込むプログラムまで網羅。武田真治さんのインタビューは、本ウェブ記事では掲載できなかった美しいカラダのカットまで、完全版をお届けしています。

取材・文/井上健二 撮影/内田紘倫 スタイリスト/伊藤伸哉 ヘア&メイク/堀江万智子

初出『Tarzan』No.777・2019年11月19日発売

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