朝起きると足の裏に激痛が走ります【ランの痛みの原因と解消法 vol.5】
走りたいのに痛くて続けられない。悩めるランナーに、痛みが出がちな5部位の対処法を教えます。今回は「足の裏の痛み」。足の裏のクッション性の低下や扁平足に起因する、床に足を付けられないような痛みへの対処方法を、ミネルバ先生が解決してくれます。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/ホセ・フランキー 取材協力/南出正順(稲毛整形外科院長)
(初出『Tarzan』No.775・2019年10月24日発売)
足の裏が痛くて走れない。
Fさん しくしく、しくしく。
先生 Fさん、泣いてちゃ分かりません。どうしました?
Fさん 朝起きると、足の裏が痛くて床に足をつけないんです。
先生 よくここまで歩いてきましたね。痛いのは朝だけですか?
Fさん はい。朝起きた後の数歩がめちゃくちゃ辛いんですが、その後はちょっと痛みが和らぎます。でも、また明日の朝、痛みに襲われると思うとユーウツで悲しくなります。
先生 ランニング歴はどれくらいですか?
Fさん 2年です…何ですかっ、2年も走っててなんで小太りなんだって目で見ないでくださいっ!
先生 そんな目で見てません。私は何十年も料理教室に通ってるのに、未だに半熟卵がうまく作れない人を知ってます。恥ずかしながら私の母です。
Fさん 先生、そんな身内の恥を。スミマセン、なんだか周りからそんな目で見られてる気がして取り乱しました。走り始めて1年後くらいまではカラダが絞れていたんですけど、ここ半年くらい、接待続きで太ってしまって。
先生 Fさんはお若く見えますけど、ええと45歳ですね。
Fさん 明日の誕生日で46です。
先生 それはおめでとうございます。でも歳をとると足の裏の皮が薄くなってクッション性が低下してくるんですよ。
Fさん はぁ、つまり?
先生 Fさん、あなたの足の裏の朝の激痛は、ズバリ「足底筋膜炎」でしょう!
Fさん 先生、突然のマルオスエオ口調で一体、何を!?
先生 足の裏には足底筋膜という組織があります。ランニング動作でここに繰り返し負荷がかかると小さなキズがついて痛みが発生するんです。加齢による足の裏のクッション性の低下も原因のひとつです。
Fさん がーん。
先生 ちょっと足の裏を見せてください。ああ、思った通りぺったんこの扁平足ですね。こういうタイプで肥満気味の人は足底筋膜炎を起こしやすいんです。
Fさん ががーん! 先生、「肥満」というワードをさりげなく突っ込みましたね!
先生 ちなみにランニングシューズはどんなものを履いてますか?
Fさん ソール薄めのレースタイプです。
先生 それも、足底筋膜の負荷を高める一因ですよ。最近流行の軽量厚底シューズをおすすめします。
Fさん はー、余計な出費で奥さんに怒られそう。
先生 カラダへの投資をケチると取り返しがつかないことになりますよ。それからFさん、足全体が腫れているようなのでこちらのバケツに足を突っ込んでください。
Fさん うお〜冷たッ!!
先生 アイシングでもいいですが全体的に火照っている場合はこちらの方が有効です。家に帰ったら「RICE」の「E」、足を心臓より高く上げて腫れを抑えてくださいね。
Fさん 明日の朝歩けますように!
Fさん|朝の痛みが引くまで足の裏のケアを。シューズの見直しも。
扁平足やハイアーチの人は足の裏にある足底筋膜に負担がかかりやすい。さらに扁平足で中高年で太り気味で薄いソールのシューズを履いているとなると足底筋膜にとっては四重苦。痛みが引くまでRICE処置でしっかりケアを。
痛みが引いて走るときは厚底のシューズに切り替え、トータルで1,000kmくらい走ったら靴を替える。アスファルトの上ばかりを走るのではなく、土の上や浜辺などクッション性の高いサーフェスを走ることもおすすめ。