清々しい朝を迎えるために、今夜から始める「自律神経が整う正しい生活」
仕事を終えて、眠るまで。起床して、オフィスに着くまで。自律神経が整う過ごし方とは。
取材・文/神津直人 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 取材協力/久手堅司(せたがや内科・精神内科クリニック院長)
(初出『Tarzan』No.769・2019年7月25日発売)
目次
帰宅途中に30分間歩く。
適度な運動習慣は、自律神経を整えるのに大きな効果を発揮する。ジムに行く時間がなかったとしても、電車を1駅手前で降りて歩いて帰るなどすればよい。30分以上を目安に。
消化のよい夕食を摂る。
就寝の1〜2時間前のどか食いは睡眠の質を下げ、自律神経を乱す。ゆっくりと食事をすると副交感神経が優位になるので、咀嚼は多めにしたい。また、就寝の3時間前までに食べ終わるのが理想。遅くなる場合は消化に時間がかかる肉類は避け、温野菜などを中心に選ぶ。
ハーブティーを飲む。
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があるため、深夜に飲むと睡眠のリズムを崩す。アルコールの飲み過ぎもNG。就寝前のリラックスタイムは、カモミールや、パッションフラワーなどのハーブティーがおすすめ。
カラダの線がわかる姿で、ストレッチ。
両手を背中の後ろで組み、肩甲骨を寄せて腕を上げると同時に、天井を見るように頭部を後ろへ。30秒。入浴前、薄着の状態で、骨盤位置や姿勢をチェックしながら行おう。
38〜40度で15分、湯船に浸かる。
入浴は就寝の1時間30分〜2時間前にするのが理想。湯は熱過ぎても冷たくてもダメ。リラックス効果も考えるとシャワーで済ませずに、38〜40度の湯に15分、首まで浸かって深部体温を上げる。カラダが温まり過ぎると交感神経優位になるので注意。水風呂に入った場合も交感神経が優位になってしまう。
風呂上がりにもストレッチ。
耳の下を通してタオルを首に。タオルを両手で引きながら、頭部を後ろに倒す。心地よいところで30秒キープ。緊張を解き、カラダをほぐせば、さらに副交感神経優位に。
スマホをやめ、リビングに置く。
布団に入ってもずっとスマホ。メールの返信、SNSのチェック、ゲーム。布団の中までスマホを持ち込むと、脳は興奮状態を継続。なかなか副交感神経優位に切り替わらない。スマが手元にあるとついつい見てしまう。目覚まし時計代わりに使わず、ベッドから離れた場所で充電!
室内の温度を25〜28度にして、仰向けで就寝。
寝苦しい暑さが続く夏は、冷房を賢く使うべき。冷房が苦手という人も扇風機やサーキュレーターを活用しながら、寝室を快適だと感じる温度に! 汗をダラダラとかくような室温では入眠しづらい。全身が伸び、首に負担のかからない仰向けが寝始めの体勢としてベスト。
自然光で起床し、一番に水を飲む。
起床時に日の光を浴びると体内時計がリセットされ、その日の入眠がスムーズになる。また、睡眠時には汗をかいている。カフェインは交感神経にスイッチしてくれるので、「1日の始まりはコーヒーで!」という気持ちもわかるが、利尿作用もある。やはり、起きたらコップ1杯の水を飲んで水分補給をしたい。
ランニングする。
ランニング、ウォーキングなどの有酸素運動は、交感神経にスイッチを入れるのに適している。もちろん、全身の血行も良くなり、気持ちよく一日のスタートが切れる。
朝食はバナナとヨーグルト。
自律神経のバランスを整える作用があるといわれるセロトニン。その材料となる栄養素を豊富に含むバナナとヨーグルトの組み合わせは、朝食に最適。腸内環境も整う。バナナ&ヨーグルト以外にも、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品、卵(魚卵、鶏卵)、ナッツ類やイワシもセロトニンの原料となる栄養素を含んでいる。朝食に納豆や卵をプラスして自律神経を整えよう。
通勤電車でスマホに触れない。
スマホ姿勢とも呼ばれるうつむき姿勢は、骨格を歪ませ、呼吸を浅くする。日常的に浅い呼吸を続けていると、常に交感神経優位の状態になってしまい、自律神経が乱れる。どうしてもメールチェックなどをしたいときは、うつむき姿勢を避けたい。スマホを持つ側の肘は90度ほどに保ち、反対側の手で支えるようにするとよい。
仕事の前に胸式呼吸。
交感神経にスイッチを入れるには胸式呼吸が有効。肋骨の下部に両手を添える。肋骨が上に上がるよう鼻から3秒かけて息を吸う。3秒止めて、口から6秒かけて吐く。3回。