【マッサージのNG】こんな状況でやってはいけない
2019年4月4日発売の雑誌『ターザン』の特集は「実は、カラダに悪いこと 2019」。筋トレからダイエット、SEXまで、最新常識を特集した本誌より、選りすぐりをウェブでも紹介!
取材・文/鈴木一朗 イラストレーション/安ケ平正哉 監修/菅原順二(アランチャ代表)
(初出『Tarzan』No.762・2019年4月4日発売)
目次
1. 「酔ったときにほぐす。これが気持ちいいのだ」はNG。
マッサージは、凝った筋肉を弛緩させて、血流を甦らせてくれる。ところが、酒を飲んで受けると、これがあだになる。血液の循環が良くなって酔いが深くなり、頭痛や吐き気が起きることがあるのだ。
また、アルコールには利尿作用がある。この成分が体内に入ると、カラダは水分と一緒に排泄しようとする。その結果、カラダの水分量が減って、血液は流れにくくなる。そこでマッサージをすれば、血液を流すポンプである心臓に大きな負担がかかる。飲んだ後にマッサージは危ないと肝に銘じよう。
2. 「痛くないのは、効いていない証拠」はNG。
マッサージを受けたとき、痛みを効き目のバロメーターにする人がいる。しかし本来、痛みは、正常ではない状態を知らせる危険なサイン。ヒトはそれを感じると対抗しようとする。筋肉が収縮するのだ。
これでは、いくらやっても、ほぐすことはできなくなる。さらに、痛みの感覚は、繰り返すうちに、どんどん鈍化してしまう。強く押し込まれても、満足できなくなってしまうのだ。
マッサージは痛くなくてもカラダには十分効いてくれる。「もっと強く」という言葉からは早く卒業したほうがいい。
3. 「揉んでもらったら、あとはぐっすり眠りたい」はNG。
凝りは、筋肉が固まり、血流が阻害されることで起きる。それを揉みほぐして、正常な状態にするのがマッサージだ。しかし、施術が終わったあと、そのまま放置しておくと、カラダは元の状態に戻ってしまう。
だから、マッサージした後ですぐに眠ってしまうのは、いただけない。終わったら、凝っていた場所を動かすことが大切なのだ。
肩が凝っていたなら、マッサージ後に、しばらくグルグル回すのでもいい。動かすことで、さらに血行が良くなって、小さかった可動域も広がってくれるのだ。
4. 「つらいと思ったそのとき、やってもらうのが一番」はNG。
食後は食べ物を消化するために、血液が内臓に集まる。こんなときにマッサージをすると、血行が促進されて、血液が全身に散ってしまい、食べ物が消化されにくくなる。
また、全身の組織も柔軟性を失っているし、血液粘度も上がっているので、マッサージの効果も出にくいだろう。さらには、仰向けから、横向きに、そしてうつ伏せというように、マッサージでは体勢がころころと変わる。これによって、気分が悪くなってしまうこともあるのだ。
ベストタイムは食間。気分よくカラダを再生できる。
5. 「デスクワークの疲れは、その日に揉みほぐす」はNG。
デスクワークでの疲れ。これは、筋肉がずっと使われないために硬くなり、血液の循環が悪くなったことで起きる。
もちろん、マッサージはこのような状態に対応してくれるが、それ以上の効果を得られる方法がある。それが、運動なのだ。じっとしていた筋肉を積極的に働かせるのである。
仕事が終わって、疲れたと思ったら、近くの公園で歩いてみよう。それだけで血流は良くなり筋肉はほぐれ、何より気分もスッキリする。動いていなかったものは動かす。これが、一番有効な対処法なのである。
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