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性器の正しいメンテナンス術。キレイをキープして、心地よいセックスを!

男女100人に「デリケートゾーンのお手入れ」についてアンケートを実施。その結果をからみえてきたのは、男性に比べて、女性のほうがデリケートゾーンのトラブルを経験した人が多いということ。知っているようで知らない自分の性器のお手入れ方法。きちんと学んで気持ちのいいセックスを!

もっとデリケートゾーンについて考えよう。

男性の約9割がデリケートゾーンのお手入れをしていない。でも、性器の形状からして納得できる結果でもある。男性器は露出しているため外気に接しており、常に乾いた状態に保たれる。

だが、女性器はそうはいかない。また、視覚で確認しやすいのも男性器である。

【アンケート結果】デリケートゾーンのお手入れをしていますか?
Q.デリケートゾーンのお手入れをしていますか?
男性は性器が露出しているので、今、どんな状態なのかを把握できる。手入れはしなくてはいけないが、その意識の薄さが目立った。一方、女性は視覚で確認できない。だからこそ、手入れをしっかり行いたいのだ。

加えて、文化的な面からいうと、日本は性をタブー視する時代が長かった。今50歳以上の女性は、性的な話をなかなか口に出せないような環境の中で育ってきたはずだ。今ではそこまでではないのだが、世界の中でも日本は、性に対する考え方が、まだ遅れているようだ。

たとえば、髪を洗わないと臭いが漂ってくることは、誰でも知っている。だから洗髪をする習慣があるし、正しい洗い方なんていう情報もある(ハゲないために、とか)。

しかし、性器の正しい洗い方、あるいは清潔に保つためにやっておかなければいけないことを、しっかりと理解している人はかなり少ない。

あまり触れたくないことだからと、知識を得ないままでいると、マズイ状況になることもある。だから、ここでしっかりと性器のメンテナンス法を学んでおこう。

最近では、性感染症になる若年層も増えているという。常に性器に気を配り、清潔に保っていけるようになれば、それらを予防するための力にもなってくれるのだ。では、さっそく話を始めよう。

1. 清潔に保たないとどうなる?

まずは女性から。何度も言うが、女性器はカラダの内側に隠れているので湿気がこもりやすい。

とくに生理中は、ナプキンで性器を包み込むし、膣口に向かって血液も下りてくるので、さらにムレやすくなる。しかも、性器付近にいる雑菌にとって、血液はエサにもなる。結果、繁殖して臭いが発生するし、膣内で炎症を引き起こすこともあるのだ。

こうならないために、生理中はナプキンをこまめに替えること。同じモノを使っていると、雑菌はより繁殖してしまう。

また、最近では自動洗浄のビデを見かけるが、外のトイレでは使用しないほうがいい。汚れていることが多く、逆に雑菌を呼び込んでしまう恐れもある。デリケートゾーン専用のシートで対応したい。

【アンケート結果】どんなデリケートゾーントラブルを経験しましたか?
Q.どんなデリケートゾーントラブルを経験しましたか?
男性に比べて、女性のほうがデリケートゾーンのトラブルを経験した人が多い。性器の形状はもちろん、下着も密着するタイプが多く、外気によって乾燥しにくいので、ムレて、かゆみが発生し、かぶれやすい。

日本女性は、生理用品としてナプキンを使う傾向があるが、海外では一般的にタンポンが主流。ナプキンのように性器を包み込まないので、ムレにくい特徴がある。

ただ、この生理用品は化学物質で作られているので、カラダに合わないという人は確かにいる。もし、抵抗なく使えるのであれば、入れっぱなしにしないよう、注意してもらいたい。

さて男性だが、雑菌が多い肛門と、性器の尿道の位置が離れているので、雑菌が入り込む可能性は少ない。が、もし入ると、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎、それに前立腺炎などになってしまうこともある。これは、かなり低い確率でしか起きないことなのだが、清潔に保つ習慣をつけておけば、その確率は一層低くなるのだ。で、清潔に保つには、入浴時にしっかり洗うこと。次で紹介する。

2. どうやって洗えばいい?

さて洗い方だが、女性は初めに自分の性器を鏡で見る。驚かれる方も多いだろうが、見ないと構造はわからない。

女性器は個人によって千差万別だし、襞やポケットも多く、そこに汚れが溜まりやすいのだ。だから、どこが汚れやすいかを確認したいのである。ただ、陰毛で隠れてしまっていることが多いので、処理してからの確認をおすすめする。

構造がわかったら、洗おう。まずソープだが、アルカリ性のモノは用いないほうがいい。膣内は雑菌の繁殖を防ぐために酸性に保たれている。だから、まずここは洗わないことが重要だが、それでもアルカリ性のソープが入ってしまうと、内部の環境に悪影響を与えてしまうのだ。

デリケートゾーン専用の酸性のソープがある。これを使ってほしい。指を使って全体を洗い、ヨゴレが溜まっているところは、とくに入念に優しく洗っていけばよい。ボディタオルなどは刺激が強いので、指で行うのが一番だ。そして、洗い終わったら、これもデリケートゾーン専用の乳液を塗ってやれば完璧である。

男性の場合は、亀頭を露出して洗うこと。包茎の人はこの部分に恥垢などの汚れが溜まり、雑菌が繁殖することがよくあるのだ。陰茎と睾丸の繫がっている部分も重要。汗を多く分泌する部分だから、疎かにすると不快なニオイが生じてくる。

さらに睾丸は、襞の間に雑菌がいるから広げて洗い、睾丸の裏と肛門との間の領域を仕上げれば完璧。女性とは違い、普通のボディソープでいい。

3. 性交渉の前後も洗った方がいい?

交渉前は、女性は性器を洗うようにしたい。陰毛や肛門のまわり、そして性器にいる雑菌が、性交渉によって膣内へ運ばれてしまう可能性がある。だから、この辺りをじっくりと洗おう。

もちろん、使うソープは、酸性のデリケートゾーン専用のモノだ。性交渉後は、とくに洗う必要はない。というのも、膣には自浄作用があるから。

とはいえ、膣の中を洗いたいという人もいるだろう。そんなときは、携帯用の水を入れるタイプのビデを使うとよい。ただし、水で膣内を洗うということは、ここが中性になってしまうということ。だから、必ず酸性に戻すことが大切。乳酸が成分のジェルがあるので、これを膣内に注入しておけば万事大丈夫だ。

【アンケート結果】異性のデリケートゾーンで最も気になるのはどんなところですか?
異性のデリケートゾーンで最も気になるのはどんなところですか?
しっかりと手入れをしていれば、ヨゴレが落ちて、男性、女性ともに、臭いはかなり抑えられる。その方法も、これからしっかり紹介していきたい。正しい知識を得ることが、デリケートゾーンのトラブルを解消する近道なのだ。

男性の場合は、まず性交渉前は必ず洗う。これは、もちろん自分だけのためではない。性器に雑菌がついていると、実際に挿入したときに、女性の膣内にそれを運んでしまう可能性があるのだ。

だから、マナーとして守ってもらいたい。また、性交渉後も洗ったほうがいい。今度は自分のために、だ。非常に低い確率だが、膣内の雑菌が性器に付着して、繁殖することがあるのだ。

4. 毛って処理した方がいい?

はっきり言って、女性にとって陰毛はまったく必要がない。そもそも、なぜ陰毛が生えているかというと、重要な部分を守るためである。

原始の時代、人は裸で暮らしていた。だから、何かが当たったりしたときに、性器に傷がつかないように保護していたのである。今は、下着を穿いているし、その上にもパンツやスカートを穿いているのだ。

いや、現代では陰毛は必要がないどころか、邪魔者である。雑菌の温床になりやすいし、性器の汚れを確認しにくくする。だから、処理してしまった方がよい。

ただ、日本人の場合、性器が露出してしまうことに抵抗を覚える人も多いし、公共浴場などでジロジロ見られるのも恥ずかしいかもしれない。だから、全部カットしてしまうのがイヤなら、性器の両サイドのいわゆるIゾーンと、肛門まわりのOゾーンを処理しよう。

【アンケート結果】異性に対してデリケートゾーンの手入れをしてほしいと思いますか?
異性に対してデリケートゾーンの手入れをしてほしいと思いますか?
男性は女性に対して、手入れを望んでいる人が多いが、女性の意見は半々といったところ。しかし、性交渉をしたときは性器が触れ合うわけだから、男女ともに手入れして相手に悪い影響を与えないことが重要なのだ。

一番のオススメは、専門医によるレーザー脱毛。確実でリスクが少ない。カミソリは性器を傷つける可能性があるので使わない方がよい。通販などで手に入る、すきバサミなら安全だ。

また、熱によって陰毛をカットするトリマーもある。ハサミで処理すると、毛先が尖ってチクチクするが、熱ですると毛先は丸くなり、不快な感覚を味わわなくてもよいというメリットがある。根元まで刈り込む必要はなく、性器が見える程度に表面を整えればよい。

さて、男性にとっても陰毛は雑菌の棲み処ではある。放っておかずに、整えるぐらいはした方がいいかも。

5. 年齢によって手入れは変えた方がいい?

これまで記してきたデリケートゾーンのメンテナンス法は、すべての人に対応できるものだが、歳を重ねるごとに、カラダは変化していくので、手入れの方法も変わってくる。

まず、女性は加齢するに従って、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が少なくなる。すると、おりものなどの分泌物も少なくなって、膣の自浄作用が弱くなるし、うるおいもなくなっていく。分泌物はバリアのようなものなので、この働きが低下してしまうと感染症のリスクは高くなる。前述した乳酸を成分にしたジェルで、自浄作用を高めたい。また、臭いも強くなるので、若い頃以上にケアが必要になってくる。

男性は若い頃はテストステロンというホルモンによって臭いが生じるが、加齢するに従い、ジヒドロテストステロンというホルモンの分泌が多くなる。これが加齢臭のモト。臭いの種類は違うものの、どちらも性器から発生していることは共通。だから、こちらは一貫して、歳をとっても入浴時には入念に洗いたい。

オレンジ

6. 黒ずみ対策ってどんなことがある?

まぁ、男性に性器の黒ずみが気になるという人はかなり少ないだろう。だから、ここは女性に限定して話を進めることにする。

日に焼けて黒くなるのは、紫外線から肌を保護するため。性器が黒くなるのも、それと同じこと。女性ホルモンによって、メラニン色素の分泌が多くなり、黒ずんで性器を守るのである。若い頃はホルモンの分泌が多いので、当然、黒くなる。だから、気にしないことが一番である。歳をとって分泌量が減ると、色は薄くなる。おばあちゃんの乳首はピンクだ。

それより、気をつけたいのは、性器まわりや尻が黒ずんでしまう、もうひとつの原因だ。それが摩擦。毎日、同じ場所に摩擦が生じるようだと、その部分は黒ずんでくる。

まず、やっていただきたいのは、パンツを替えること。って、毎日替えていますと誰もが口を揃えるだろう。では、言い直そう。毎日、カタチの違うパンツを穿くのである。こうすれば、摩擦が同じところに起きることを防げる。いくつかをローテーションしていくのがよい。

また、今はシームレスといって、締め付けない下着が販売されているし、女性用のトランクスなんてのもある。それらを利用すれば、黒ずみはかなり解消できるはずだ。もちろん、ガードルのような締め付ける下着は避けたい。

さらに、イスに座って仕事する女性は、ドーナツ形の座布団を使って、座面との摩擦を防ぐとよいだろう。

7. 性器への意識を変えた方がいい?

最初にも語ったが、性器は触れてはいけない。長い間、こう教育されてきた。そのため、触れることはおろか、女性は自分の性器を見たことがない人が、今も多い。だが、性器のカタチがわからないと、清潔に保つことは難しくなる。

なぜ、顔は専用の洗顔フォームと乳液を使うのに、性器はそうならなかったか。それは性がタブー視されたことが大きいのではないか。だから、ここでは意識変革してもらうために、女性専用のソープや乳液も紹介したのだ。そして、今年ようやく国産の専用ソープが売り出された。

性器を見るということは、最近、流行りの感染症の早期発見にも繫がる。いつもと違う赤い斑点ができていたとか、早めに気づけば症状が軽いうちに診察を仰ぐこともできるし、感染を広げてしまうようなことも、防いでいけるのである。自分の性器と向き合う、これが肝心なのだ。

取材・文/鈴木一朗 イラストレーション/沼田光太郎 取材協力/喜田直江(なおえビューティークリニック院長)、三上貴浩(SPLENDID代表)

(初出『Tarzan』No.724・2017年8月10日発売)

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