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オナニー&セックスの「やってはいけない」。自己流では、自分と相手を不幸にする!?

セックスもオナニーも、何となく自己流で気持ちよくできているからよし、と思っている男性諸君。そのやり方、実は間違っているどころか、質の低下やカラダへの悪影響につながっているかも。今回は、オナニー&セックスのやってはいけないこと5つを紹介。

1. 時間がないので、半勃ちで時短オナニー

女性からすると「まだ完全に勃起していない状態で射精できるの?」と驚く人がいるかもしれないが、これが全然イケるし、また意外と気持ちよかったりするのが男のカラダの摩訶不思議なところ。

しかしこの半勃ちオナニーが当たり前になってしまうと、満足にセックスできない一因にもなってしまう。

勃起副交感神経が優位な時に起こり、射精に至る時は逆に交感神経が優位に働いています。つまりそれぞれ司る神経が異なるので、半勃起状態でも射精自体は可能なのです」(小堀善友さん/医学博士、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科医師)

しかしこれはあくまでオナニーに限った話である。

「半勃起ではそもそも膣に挿入するのが難しいですし、ましてや膣内での射精は無理でしょう。膣への挿入はペニスが勃起していることが基本条件なのです。セックスの際に勃起不全で挿入できない事態を防ぐためにも、普段のオナニーでペニスをちゃんと勃起させてから射精する習慣をつけることが必要です」

解決方法

セックスのとき膣内でイケるよう、勃起してから射精する習慣づけを。

2. 忙しくて、しばらくオナニー断ちしています

仕事が多忙だったり疲れていたりして、気づけば1週間以上射精せず。久しぶりにオナニーしたらこれが何とも気持ちいい。この快感が忘れられずに、その後もオナニーの間隔が開きがちに。でもそれ、マジでNGなのだ。

「精子は睾丸から出て精管を通過する時点で酸化ストレスを受けているので、それを溜めたままにすると、新しく作られた精子の運動率をも下げてしまう。オナニー断ちの後に射精すると確かに気持ちいいですし、精液も見た目は元気そう。でもその質はといえば、低下している恐れがあるのです」(小堀さん)

週1回以上は射精した方がよいのだとか。

「射精を繰り返すことが精子の運動率を上げ、元気にするので、特に妊活中の男性はどんどんオナニーすることをオススメします。また、オナニーをすることで男性ホルモンが上がったというデータや、射精した方が前立腺がんになりにくいという調査結果もあります。無駄な禁欲生活は精子には不要です!」

解決方法

常に健康な精子を作るためにも、オナニーは適度な間隔で行うこと!

3. イクときはいつも脚をピンと伸ばしています

オナニーの時に仰向けになり、脚をピーンと伸ばしてカラダを思い切り緊張させるとイキやすいという男性諸氏も多いはず。

そんなあられもない姿を家族やパートナーに見つかったら目も当てられないが、これまた膣内射精障害につながる可能性がある。そちらの方が問題なのだ。

「脚を伸ばすことで股間まわりに力が入り、ペニスへの刺激を感じやすくなるのでしょう。またペニスを床に押し付け、その圧迫による快感で射精する“床オナ”にハマる男性も増えています。

しかし相手のいるセックスの際、そんな姿勢になることはありえません。そうした特殊な姿勢でオナニーを続けると、いつしかその姿勢じゃないとイケなくなり、いざセックスしようとしても、射精に至れない恐れがあるのです」(小堀さん)

これを改善するには、オナニーを胡坐や椅子に座って膝を曲げた姿勢で行い、下半身に力を入れずともイケる練習を普段からしておくこと。

解決方法

力を入れなくても射精できるよう、普通の姿勢でオナニーしましょう。

4. 相手が濡れてきたら、そりゃすぐ挿れるでしょ

少し前戯して女性のアソコが濡れたら「もうOKでしょ?」とばかりに挿入しようとする男。これ、ハッキリ言ってOUTだ。

「濡れてもないのに挿入するのは論外ですが、女性が少し濡れたぐらいでは不十分。まだ興奮し始めた段階にすぎません。そこで勘違いして挿入してしまうと、性交痛になる恐れがあります」(西郷理恵子さん/カップル・コンサルタント、ライフパートナーズ代表)

言うなればそれは本当の前戯開始の合図。それから丹念に前戯を行えば挿入はよりスムーズになり、女性側もエクスタシーに達する可能性が高まる。

「彼女がセックスで気持ちよさそうじゃないと感じたら、現状10分前後で終わっている前戯を30~40分に増やしてみましょう。それを実践したら今まででは考えられないくらい絶頂に達したというケースもあります。“親しき仲にも前戯あり”です」

前戯の長さは愛情の深さに比例する、と西郷さん。前戯はカラダはもちろん、ココロの満足にもつながると心得よう。

解決方法

濡れるのは興奮の初期段階。ここからが前戯の本番開始です。

5. EDの治療で薬を使いまくり!

最近勃起力が減少気味、ということでED(勃起不全)治療薬を処方してもらっている人も多いはず。よく知られているバイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5阻害薬と呼ばれる薬は非常に有効で、副作用も少なく、動脈硬化を予防する効果がある可能性が高い。「適切に服用していればカラダにいいものです」と小堀さん。

「PDE5阻害薬で効果が表れない方には、プロスタグランジンE1という血管拡張薬を陰茎に注射するケースがあります。これも有効な治療法ではあるのですが、ごく稀に長時間勃起しっ放しの持続勃起症を引き起こす可能性があり、その点は注意が必要です」

プロスタグランジンE1陰茎注射はED診療のガイドラインにも載っている治療法だが、日本国内では正式には認可されていないのが現状。他のED治療薬も含め、勃たせようとむやみやたらに服用せず、少しでも異常を感じたら医師に相談を!

解決方法

長時間の勃ちっぱなしは勃起障害につながる恐れがあるので注意!

取材・文/黒田創 イラストレーション/高橋将貴 取材協力/小堀善友(医学博士、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科医師)、西郷理恵子(カップル・コンサルタント、(株)ライフパートナーズ代表)

初出『Tarzan』No.762・2019年4月4日発売

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