あなたの寝相診断。人の本性は寝ている姿に表れる!?

カラダに痛むところがあれば、そこをかばうような寝姿になりそうだが、ココロはどうか? 小心者と豪傑では、寝相は違うような気もする。寝相を大きく4つに分け、性格との関係を分析。

取材・文/廣松正浩 イラストレーション/平井さくら 取材協力/松浦倫子(エス アンド エー アソシエーツ シニア研究員、学術博士、上級睡眠改善インストラクター、江戸川大学睡眠研究所客員研究員)

初出『Tarzan』No.730・2017年11月9日発売

ココロ、つまり性格と寝相に関係はあるのか?

「これを解明しようとした人がいました。いまから40年前の1977年、アメリカで出版された『スリープ・ポジション』という本は精神分析医、サミュエル・ダンケル先生が人の性格と寝相の関係をまとめたもので、その寝相は36種類にも及びます」と紹介するのは松浦倫子研究員(エス アンド エー アソシエーツ)。

以後も同様の研究は欧米で何度かされているが、読んでみると妙にうがったその指摘。当たらずとも遠からずか。あなたの寝相はどれかな?

「世界はオレの思いのまま」と言わんばかりの〈仰向け〉。男性の大多数はこの寝相。

寝姿勢は本来プライベートなもの。けれど、仰向けで寝る人は不安がなく、自信があり、「個性的で注目されがち。拍手喝采を浴びることに向いたプロの演劇人に多い性格だとダンケル先生は見ています」と松浦研究員。

寝相診断

ご覧の通り、堂々の眠りっぷりは、その威容から業界では(どの業界だ!)王様型とさえ称えられる。ザ・仰向けで爆睡するさまは、開放的であると同時に“オレさま”感が丸出し。世界は私のためにあると思い込むやんちゃ坊主の自信の源泉は、ちやほやと大事にされてきた幼少期の影響か。

万事ほどほどの自然体の〈半胎児型〉。よき市民は軽~く丸まるのだ。

軽く膝を曲げて横を向き、カラダは伸び切らず、縮こまり切らず。接地面積は狭いが、力みはない。「ダンケル先生によると、寝返りも打ちやすい、一番バランスのとれた寝姿勢です」(松浦研究員)

寝相診断

また、右利きの人(研究対象の75%)は右手を下にして寝ることが多いそうな。これは寝入りばなも熟睡中も共通する傾向らしい。

リラックスした体勢からうかがわれるように、過度のストレスはなく、良識的で社会によく順応し、性格的にも安定しているとか。「分析によると他者に支配的、依存的なほど弱くもありません」。

いじけ、引きこもるような寝姿の〈胎児型〉。疾患の可能性も…。

横を向いて何かを抱え込むかのようにカラダ全体を丸め、お腹を隠すその姿はまさしく胎児。

「ダンケル先生によると、開放的ではなく防御的。何かに頼りたいのでしょうか。ベッドの中でも真ん中では落ち着かず、つい隅で丸まりがちだそうです」(松浦研究員)

寝相診断

それが喜ばしいことでも困難なことでも、さまざまな経験にさらされることを嫌がるとダンケル先生は見立てるが、当たってる?

また、本来の寝姿勢から急に胎児型に変わった場合、背後に疾患の存在する確率が高いとの指摘も。自覚があればご用心を。

〈うつ伏せ〉は無気力なのではなく、むしろ支配欲ぎらぎらで保守的!?

刀折れ、矢尽きたか、ドブの中で死すとも前のめりなのか。ばんざ~い、非暴力・無抵抗の姿は、すがすがしいばかりに潔い。「どちらかというと一人でベッドを支配したい心理をダンケル先生は見ています」と逆のご指摘。

寝相診断

仕事もプライベートも自分がきっちり手綱を取って、計画通りに進めたがるから、他の人が遅れようものならテンパる。その一方、思い通りにならなければ、“なる”ように人一倍努力する面も。

「就寝中に誤嚥の増える高齢者には有効かもしれませんが、寝返りがしにくい寝姿勢です」