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いい筋肉の持ち主はどんなトレーニングをしているのか?|中村克

中村 克(なかむら・かつみ)/1994年、東京都生まれ。50m、100m自由形の日本記録保持者。100m自由形では日本人として初めて47秒台をマーク。

これまでトレイルランナー・上田瑠偉選手ポールダンサーの坂井絢香さん格闘家・宇野薫選手のトレーニングを教えてもらいましたが、今回はスイマーの中村克選手。過酷なレース翌日の練習に密着しました。

2018年、100m自由形で自身が持っていた記録を0秒12更新し、47秒87という日本新記録をマークした中村克さん。

「競泳は水着一枚で観客、テレビカメラの前に立つ競技。やっぱり速くて強い選手は、かっこいいカラダをしていたほうがよくないですか? 水泳に興味がなかった人が見たときに、すごい!と思ってもらえたり、僕のことを覚えてくれるかもしれない。キレているカラダはライバル選手への牽制にもなる」

「もちろん速くなる目的を達成する手段としてウェイトトレーニングやボクシングトレーニングをしているんですが、かっこいいカラダに仕上げるっていうのも、僕の中では大きなモチベーションになっているんですよ(笑)」

かっこいいカラダ! これは意外な動機だったが、そのためにどんなトレーニングをしているのか。練習に密着させてもらった。取材当日は、レースの翌日。しかも遠征帰りである。そもそも、練習はオフではないのだろうか。

「レース翌日にカラダを動かさないと、硬くなってしまうんですよね。週末にまたレースがあるので、そこだけを考えたら、軽めの調整でもいいんですけど。今年は世界選手権もあるし、長い目で見たらある程度刺激を入れておいたほうがいいかなと思っているので、ウェイトもスイムもやりますよ」

約1時間のウォーミングアップ。

まずはウォーミングアップ。TRX、チューブ、ゴムバンド、1〜3kg程度の軽いダンベルを駆使し、肩甲骨周辺を入念にほぐしていく。

下半身のストレッチをし、シットアップで腹直筋、腹斜筋に刺激を入れたところで、およそ1時間のウォーミングアップは終了し、ウェイトトレーニングに。デッドリフト、スナッチ、ベンチプレスを次々とこなしていく。

「基本的には8回を4セットなんですが、今日はレース明けなので6回4セットです。重量も軽めですね。普段は、スクワットやボックスジャンプもやっています」

水泳選手・中村克はウォーミングアップの大半の時間を上半身にフォーカス
ウォーミングアップの大半の時間は、上半身にフォーカスしたものに充てられる。TRXは肩甲骨周辺や大胸筋などをほぐすのに適しているそう。肩まわりの関節の柔らかさは水泳選手ならでは。チューブや軽量のダンベルで小さな筋肉にもアプローチ。ゴムバンドで腕の調整も行う。ストレッチポールは、臀部や背中、大腿部をほぐすのに利用。全身、細かく丁寧に。

筋トレからの、ボクシングトレーニング。

続いては、腰に12kgの重りをつけての懸垂。これも、いつもより軽めだというから驚く。そしてボクシングトレーニングへ。コーチにミットを持ってもらい、ミット打ち。

しばらく打ち込んだら、次は中村さんが打たれる番。バーにぶら下がって、腹筋を使って大きく脚を回す。中村さんのカラダが元に戻り、伸び切ったところで、コーチがボディブロー!

水泳選手・中村克は腰に12kgの重りをつけて懸垂を行う
懸垂は腰に12kgの重りをつけて行う。その後、脚を回してトレーナーがボディブローをする腹筋のトレーニング。シットアップは腹直筋、腹斜筋に刺激を入れるのが目的だが、エキセントリック局面でも体幹に力を入れたままゆっくり行う。

スイムはみっちり1時間以上!

「水泳は、カラダが伸びた状態でもコアが抜けずに、力が入っていることが重要で。そのうえで、腕や脚を大きく動かす必要がある。ボクシングトレーニングは理にかなっているんですよ」

1時間半に及ぶジムでのワークアウトを終えて、プールに移動。今日は確認程度だと言っていたのだが、動画を撮影してフォームをチェックしながら、みっちり1時間以上、泳ぎ込んでいた。

「スイムの練習は好きなんで、やりすぎてしまわないように、コーチに止めてもらってます」

トップスイマーの、かっこいいカラダは、やはりハードな練習で作り上げられたものだった!

泳ぐのが楽しく、飽きることがないという水泳選手の中村克
通常のスイムに、プルをメインにしたもの、キックをメインにしたもの、飛び込み動作の確認など、1時間の練習内でも、内容は多岐にわたる。動画で撮影した映像を見ながら、自分の脳内のイメージとの擦り合わせをする。ワンストロークごとに、良かったこと、悪かったことを確認していて、それを修正しながら泳ぐのが楽しく、飽きることがないのだそう。

※ボディデータはタニタ《インナースキャンデュアル RD-800》で計測しました。

取材・文/神津文人 撮影/谷尚樹

(初出『Tarzan』No.760・2019年3月7日発売)

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