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ぼくらは普段、体幹を怠けさせている。では、体幹のために何ができるのか? わざわざトレーニングの時間を確保しなくても、日常生活の中でできることはかなりある。“ながら”筋トレはよく聞くけれど、ここに体幹への意識を盛り込むのだ。PC作業中のデスクでもできる、体幹×筋トレを4つ紹介。
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繁忙期には1日8時間以上、デスクにかじりついています。今日びのサラリーマン、そんな勤務内容は決して珍しくない。
でも、その状態が当たり前と思ってしまってはいけない。本来、それほどの長時間、座りっぱなしで過ごすこと自体、異常といえば異常。背すじを丸めた前のめり姿勢でモニターとにらめっこしているとき、パワーハウスはほとんど使われていないといってもいい。過剰な座業こそ現代人が体幹の使い方を忘れてしまった大きな原因のひとつなのだ。
ならば、その座業の合間にちょいちょいカラダの使い方の感覚を取り戻していこう。やがて意識せずとも正しい姿勢で長時間のデスクワークをこなせるようになる。仕事の効率も自ずとアップするはずだ。
背もたれから背中を離して姿勢を正し、片足を床から浮かせる。この姿勢をキープしつつストローを口にくわえて、思い切り息を吐き出す。細いストローの抵抗でパワーハウスの横隔膜の鍛錬に。
姿勢を正し、デスクの下に両手を当て、デスクを持ち上げる勢いでグイッと力を入れる。ひょっとしてこれ、バーベルを持ち上げるよりもハードなアームカール。30秒キープしたらひと息つこう。
椅子に座った状態で両足をできるだけ高く持ち上げる。背もたれから背中を浮かせて行うのがポイント。固定椅子ではなくオフィスチェアの方がよりハード。30秒間キープできたら上等だ。
今度は左右に重心を傾けてバランスキープ。左側のお尻を椅子の座面から浮かせて上体を上に引き上げる。すかさず右側のお尻を浮かせて背伸び。これを交互に30秒繰り返し。
筋肉の種類の中にローカル筋とやらがあって、腹まわりにローカル筋を含む筋肉群がある。でも、これらの筋肉をひとつひとつ意識するのはかなりハードルが高そう。
しかし、頭でっかちに考える必要はない。すぐに座り込むのも、階段の上り下りが億劫なのも、オフィスですぐにグダグダ姿勢になってしまうのも、すべて体幹の筋肉がきちんと稼働していないせい。ならば、その逆をいけばいい。
たとえば、デスクワークの際に腹の力を抜かず、上体をまっすぐに保つ。これだけでもう立派な体幹トレーニング。現代人が忘れてしまったローカル筋および体幹の筋肉の使い方レッスンになるはずだ。
最初はちょっと違和感があったりシンドいかもしれない。でも、なにも息を詰めて姿勢を正すのではなく、猫背になっていることを自覚したらちょっと上体を起こして背中を伸ばす。そんな意識レベルからで十分だ。
思い立ったらいつでもどこでもできるのが、「ながらトレ」の最大のメリット。でも、一瞬やってはすぐやめてという繰り返しでは期待できる効果も薄いし、せっかくのやる気がちょっともったいない。そこで、時間のルールをひとつ決めておこう。
一度スタートさせたら最低でも30秒、もっといければ1分間くらいは続けてほしい。電車の中の「ながらトレ」であればひと駅分は頑張ってみたいもの。
体幹トレの最大の恩恵のひとつは姿勢の改善、すなわち脊椎の本来のS字カーブを取り戻すことだ。というわけで、筋トレのターゲットの筋肉を意識するだけでなく、常に姿勢を正しくキープしつつ動作を行う必要がある。でなければ、単なる“間違った筋トレ”になってしまう。
正しい姿勢とは頭のてっぺんがヒモで引っ張られるイメージ。左右の肩甲骨を内転させ中心に寄せた状態であればなおよし。
体幹トレというと、腹をスプーン状に内側に凹ませるドローインが有名だ。確かにドローインはローカル筋である腹横筋が駆使される。だが、今回の体幹×筋トレでの基本姿勢はドローインではなく、腹をフラットに保って固くするブレージングとしたい。
理由はドローインはアウターの腹直筋がリラックスした状態だから。いってみればこれはブレージングの前段階。腹まわりの筋肉すべてを使ったブレージングをマスターしよう。
腹腔の前面を覆う体幹の要、パワーハウスには胸郭の下側を覆う横隔膜が含まれている。ここはいってみればパワーハウスのフタに当たる部分。つまり深い呼吸で横隔膜を稼働させてなんぼ。
というわけで「ながらトレ」にかかわらず今回の体幹×筋トレでは呼吸もしっかり意識のこと。基本は胸郭が開く動作で息を吸い、閉じる動作で吐く。シットアップならカラダを下げるときに吸い、上げるときに吐く要領。
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取材・文/石飛カノ 撮影/千葉 諭 スタイリスト/山口ゆうすけ ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/どいせな エクササイズ監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ) 取材協力/有賀誠司(東海大学スポーツ医科学研究所教授)