もっと筋肥大したい! ハイレベルに追い込むトレーニングのキホン
ひとつの高みに到達すれば、さらなる高い頂に挑みたくなるもの。ワンランク上の筋肥大を目指すなら、トレーニングもレベルを上げて取り組みたい。そのためにもまず押さえておきたい、筋肥大トレーニング4つのポイント。
取材・文/黒田 創 イラストレーション/高橋 潤(DRAWS) 撮影/山城健朗 スタイリスト/山口ゆうすけ ヘア&メイク/村田真弓 監修/白戸拓也
(初出『Tarzan』No.739・2018年4月5日発売)
目次
1. 筋肥大をもたらす2大ストレス、ケミカルとメカニカルの違いとは
筋肉を効率的に肥大させるには、大きく分けて2種類の刺激が必要なのをご存じだろうか。
ひとつは「ケミカルストレス」で、筋肉を直接的に刺激するわけではなく、ホルモンや代謝物質を分泌させて筋肉を内から刺激し、肥大させるよう促すというもの。加圧トレーニングやスロートレーニングなどが代表的だ。
もうひとつは「メカニカルストレス」。こちらは器具やマシンなどで筋肉に物理的な負荷を与えることで速筋線維を直接刺激して損傷させ、その修復により肥大させる。一般的な筋トレメニューの多くがこれに該当し、筋肉痛はこのメカニカルストレスによって起こる。
今以上の筋肥大を狙うなら、この2種類両方の刺激を筋肉に与えることが必須。ホルモンの分泌を促すのも、外から筋線維を刺激しまくるのも筋肉の成長には欠かせない大事な要素なのだから。
2. 筋肉に複数の稼働域で負荷をかけ、筋線維を多方面から刺激せよ!
あなたが仮に大胸筋を思いきりパンプアップさせたいなら、来る日も来る日もダンベルフライばかりやっていたのでは、最大限に肥大させるのは難しい。負荷のかけ方を少し変えるだけで、1つの部位をもっと追い込むことができる。
それがPOFメソッドだ。
POFは「ポジション・オブ・フレクション」の略。稼働域の中間で負荷が最大になるミッドレンジ種目と、筋肉が伸びた状態で最大負荷がかかるストレッチ種目、そして筋肉が最も収縮したときに最大負荷がかかるコントラクト種目の3つをまんべんなく行い、稼働域別に最大限の負荷を与えるのが目的で、これによって部位を余すところなく鍛えることができる。
胸に効くメニューを分類してみると、ベンチプレスがミッドレンジ種目、ダンベルフライがストレッチ、ケーブルクロスオーバーがコントラクト種目となる。
3. 負荷とインターバルが筋トレ効果を左右する。ポイントを押さえよう
筋トレはただ重い負荷をかけて回数をこなせば効果が出るわけではない。筋肉を効率的かつ確実に肥大させるには、どの程度の負荷をかけるか、インターバルはどうするかを認識しないといけない。
1RMという言葉を聞いたことがあるはず。RMは最大反復回数で、1RMは1回しかできないことを意味する。
よく言われる「80%1RM」というのは「1回で上げられる重量の80%」を指し、約8RM、つまりベンチプレスなら8回は上げられる重量になる。一般的にこの80%1RMの重量でトレーニングを行うのが筋肥大には有効とされているが、さらにバルクアップさせたいならこの重量を8~12回行うといいだろう。
基本的にインターバルが短いと成長ホルモンが分泌されやすくなる。1つの筋肉を追い込む場合は、種目を変えるなどしてインターバルを極力短くしよう。
4. 筋肥大を目指すなら、週5回。しかし週2回でも十分可能だ
筋肥大のスピードは体力や年齢、筋量などによって大きく異なるし、頻度によっても差がつくもの。ここまで半年以上トレーニングを続けてきた人の中にも、週6回ペースを崩さなかった人もいれば、週2~3回ペースを行ったり来たりしていた人もいるだろう。
しかし各種コンテストを目指す人やトレーナーなど、ゴリゴリにバルクアップしている人たちに聞いてみると、ほぼ例外なく週5回はトレーニングを行っている。
理由は簡単で、1日ごとに胸、肩、背中、下半身、腕という形で部位別に鍛えることができるから。今まで1日1部位という概念がなかった人は、右の表を参考にチャレンジしてみてほしい。
もし週5回もトレーニングの時間が取れない場合でも、最低週2回は時間を作ろう。それでもやり方次第で筋肥大は可能だ。