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自宅で出来る、背中を広く厚くするトレーニング|ロウイング

自宅で背中をトレーニングするなら、“ロウイング”が効果的だ。ロウイングではプル動作(引く動き)で背中と肩を鍛えることができる。このとき、しっかりと肩甲骨を寄せた正しい姿勢で行うのもポイントだ。トレーニングを通じて肩甲骨を動かすことは、猫背や円背など、不良姿勢の改善にもつながるのだ。

森で暮らす樹上生活を送っていた頃の私たちの祖先は、木からぶら下がるために両腕を引くプル動作が得意だったに違いない。

でも、木から下りて直立二足歩行を始めると、プル動作は不要になった。さらに現代になるとデスクワークで坐っている時間が長くなり、頭が前に出て、肩甲骨が離れて外転する猫背や円背といった不良姿勢に悩まされるようになる。これはアッパー・クロスド・シンドローム(UCS)と呼ばれて、肩こりの一因になっている。

ロウイングではプル動作で背中と肩を鍛え、肩甲骨を寄せた正しい姿勢でUCSの解消を図る。背すじが伸びて背中が広くなり、背中に厚みが出るから逆三体型が強調できる。本当は樹木の代わりに鉄棒などにぶら下がって懸垂したいところだが、自宅ではぶら下がるのも難しい。そこでデスクやタオルを使ってプル動作を行おう。

多かれ少なかれUCS気味の現代人は肩甲骨がガチガチに固まっている。そのままではロウイングはやりにくいから、初めにレベル0で肩甲骨の動きを良くしておく。レベル1以降も、毎回ウォーミングアップの代わりにやっておこう。

ココに効く!

  • 背中(広背筋、僧帽筋)
  • 肩(三角筋後部)
  • 上腕内側(上腕二頭筋)

レベル0. スキャプラ・シュラッグ(15〜20回×3セット)

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A. 部屋の隅に背中を向けて立つ。/B. 両肘を曲げて左右の壁に肩の高さでつく。/C. 両足を揃えて前に出す。/D. 足首から頭まで一本の棒のように保つ。F. 背中を丸めて左右の肩甲骨を引き離す。

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E. 肘で壁を押して左右の肩甲骨を寄せる。

レベル1. モディフィケイテッド・インバーテッド・ロウ(10〜15回×3セット)

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A. テーブルの下で仰向けになる。/B. 両手でテーブルの天板を横からしっかり摑む。/C. 膝を軽く曲げ、爪先を引き上げる。/D. 上体を床と平行に浮かせる。

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E. 肘を曲げ、胸を天板の裏側にタッチ。元に戻る。/F. 胸を張り、背中を丸めない。

レベル2. サイドトゥサイド・インバーテッド・ロウ(左右交互に各10〜15回×3セット)

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テーブルの下で仰向けになる。/B. 両手を肩幅の1.5倍程度に開き、天板を前から摑む。/C. 膝を軽く曲げ、爪先を引き上げる。/D. 上体を床と平行に浮かせる。/E. 右肘を曲げ、右胸を右側の天板の裏側にタッチ。元に戻る。

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F. 左肘を曲げ、左胸を左側の天板の裏側にタッチ。元に戻る。/G. 胸を張り、背中を丸めない。

レベル3. ロールアウト(10往復)

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A. 肩幅に開いた両手でタオルを押さえてうつ伏せになる。/B. 両手が肩の真下に来るようにする。/C. 両脚を腰幅でまっすぐ伸ばして爪先立ちに。

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D. タオルを床で滑らせながら両手をまっすぐ前に伸ばす。/E. 限界まで来たら、ひと呼吸置いてから胸を絞るように元に戻す。/F. 両足のポジションを動かさない。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/山口ゆうすけ ヘア&メイク/村田真弓 監修/白戸拓也

(初出『Tarzan』No.754・2018年11月22日発売)

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