ラン前・中・後の水分補給はハイポトニックか? アイソトニックか?

取材・文/黒田 創 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/大谷亮治 取材協力/牧野 仁(Japanマラソンクラブ代表)

(初出『Tarzan』No.728・2017年10月12日発売)

走るときはとりあえず何かしらスポドリを飲んでおけばいいんでしょ?」。そんな認識はもう古い。初心者とはいえランナーならば、ドリンクを飲むタイミングと選び方を知っておいて損はない。

ポイントは「浸透圧」

「スポーツ飲料は大きく2つに分けられます。まずアイソトニックは血液や体液にほぼ近い浸透圧が特徴で、《ポカリスエット》などが代表的。発汗時の水分と電解質の吸収が速く、また糖質が多く含まれているため長時間走る際のエネルギー補給に最適。ランニングの前後、最中に飲むといいでしょう」(牧野 仁さん/Japanマラソンクラブ代表)

もうひとつはハイポトニック。こちらは「低張液」を意味する。

「ハイポトニック飲料は体液より低い浸透圧で、糖質はアイソトニックより低め。その分、少しずつ飲んでも素早く吸収されるのがポイントです。僕は《OS-1》を愛用しています。ランニングで大量の汗をかき、ミネラルや水分が減って体液が濃くなっている状態で摂るのに適しているため、走っている途中で飲むことをオススメします」

スイカが効果的

また、ハイシーズンは終わってしまったが、夏によく食べるスイカによる水分補給も効果的だとか。

「スイカに多く含まれるシトルリンというアミノ酸があるのですが、血管を拡張したり脱水を防ぐのに効果があるといわれています。夏にスイカを食べるのはそれなりの科学的裏付けがあるんですね」