この冬から実践したい、男の正しいハンドケア
名刺交換やお金の支払い、そして恋人や家族と手を繋ぐとき。思っている以上に、人に手を見られる機会は多いものです。そんなとき、肌が荒れたり、爪が伸びていたりしたら、結構恥ずかしいかも。つい怠けがちなハンドケア、この機会に正しいやり方を徹底的に学ぼう!
取材・文/山梨幸輝 撮影/大嶋千尋
男性美容研究家の藤村 岳さんを迎えて、おすすめのグルーミンググッズを紹介してもらう本企画。オーラルケア、香水に続き、最終回のテーマは「男のハンドケア」。
意外と知らない正しいハンドクリームの塗り方から、ちょっとハードルの高いネイルケアまで、幅広く教えていただきました。
教えてくれた人
藤村岳さん(ふじむら・がく)/1973年生まれ。男性美容のパイオニアとしてテレビ番組やラジオ、雑誌などに出演。近著に『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)。
鉄則は、「爪」と「地肌」を清潔に保つこと
手がガサガサなのはどうかと思ってはいても、ハンドケアについてよく知らない部分が多いのも事実。まずは藤村さんに、ハンドケアの基礎を教えてもらいましょう。
「乾燥は人の肌に備わっているバリア機能を壊してしまうので、カラダにとって非常に悪いことなんです。特に手は、ほぼ服の外に出ていますし、いろいろなものを触るから、雑菌もつきやすい部位。だから、女性の半分の回数でもいいので、きちんとハンドクリームを塗る習慣をつけて、保護してあげましょう。その際は、肌と同じくらい乾燥に弱い爪にも塗るのを忘れずに」
「手の爪は毎週で、足の爪は2週間に一度切るようにしましょう。切る日を決めて、ルーティンに組み込めば忘れることがなくなると思いますよ。僕は月曜日の夜に必ず切るようにしています。爪の長さは、白いところが少し残るくらいがベスト。長さについては、伸ばしすぎるのはもちろんダメですが、深爪も社会人としては望ましくない。雑菌が侵入しやすいですし、爪を噛む癖があるのではないか、と勘ぐられてしまうこともありますからね」
「体質や薬の副作用などで爪が脆くなっていたり、水仕事が多かったりすると、ハンドクリームだけでは爪を保護しきれないことも。そんな方に爪のコーティング剤感覚で使って欲しいのが、〈コージンバイオ〉の透明なマニキュアです。塗っても色がつかないし、臭いもしないから男性でも塗りやすい。表面をなめらかに見せてくれるので、爪の縦筋が気になる方にもおすすめです」
ハンドクリームは爪の先まで抜かりなく
ハンドケアのコツが分かったら、今度は実践編。ハンドクリームや爪切り、先述のマニキュアの正しい使い方をそれぞれ教えていただきました。
「まずはハンドクリームから。手の平だとベタベタしてしまうから、必ず手の甲に出しましょう。つけ過ぎることのないよう、量は少量で、足りない分だけ後から継ぎ足すようにするのもポイント」
「次は、手の甲同士を擦り合わせて、クリームをまんべんなく広げる。それから、ようやく手の平にも塗っていきます」
「指の根元から先まで塗って馴染ませつつ、マッサージをして血行も促進。先ほど言ったように、爪も手と同じくらい乾燥に弱い部位なので、爪もしっかりと根元から塗ってあげましょう」
爪切りはお風呂上りに、ヤスリは二段階で
「乾燥しているときは爪の表層だけが剥がれる“二枚爪”を引き起こしやすいので、爪を切るなら、必ずお風呂上りに。いきなり真ん中からいくのではなく、端から爪のカーブに合わせて切ってください」
「切ったあとは、断面が荒くエッジが立っているので、必ずヤスリがけをするように。付属している金属のヤスリでなく、ガラス製のものを使うのがおすすめです。なめらかに削れるし、これは半永久的に使いまわせる。ヤスリを入れるときは、爪の下から、斜め45度くらいの角度で、一方向に削りましょう」
「下側がある程度削れたら、上側に出っぱった分のエッジを取る。これも斜め45度で」
乾燥対策用マニキュアの正しい塗り方
上述のように、水仕事が多くて爪が荒れる場合には透明なマニキュアを試したい。
「余分につけすぎてしまわないように、まず瓶の縁で取り過ぎた分を落としましょう。塗るときは、先に真ん中、それから両端、の順番で。そうすればムラなく塗れますよ」