筋トレが“ある日”と“ない日”で変わる! 筋肥大を狙う人のための24時間の食事例
トレーニングが“ある日”と“ない日”では消費カロリーが違うので、当然食事からの摂取カロリーも変えるべき。しかし具体的になにをどのくらい変えれば良いのか、わからない点も多い。そこで筋肥大を目指す人を想定して、“ある日”と“ない日”をどちらもシミュレーションしてみた!
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 取材協力/ <a href="/tags/reiko_kawamura/">河村玲子</a>(パーソナル管理栄養士、トレーナー) 料理製作/美才治真澄(管理栄養士)
(初出『Tarzan』No.739・2018年4月26日発売)
2回の夕食で、タンパク質をしっかり摂る。
とりあえず減量する必要はなく筋肥大の道へまっしぐらという場合、日々の食事をどれくらい摂ればいいのかと悩んでいる人は多いはず。
そこで「トレーニングがある日(=総カロリー2622kcal、総タンパク質129.5g)」と「トレーニングがない日(=総カロリー2355kcal、総タンパク質129.5g)」の2つのパターンでサンプルメニューを考えてみた。
必要なタンパク質は食事で賄うのがおすすめ。理由は多様な栄養素を取り入れやすいから。
で、課題のタンパク質補給。1回の食事でうまいこと消化吸収し、有効活用できるタンパク質の量は20〜3g。なので1日3食、朝・昼・晩はこの範囲で主菜をいただくつもりで。特に朝と筋トレ後はカラダがエネルギーとタンパク質を欲しているのでしっかり食べたい。一般的にはトレーニングは退社後のタイミングであることが多いので夕食はトレーニングの前と後の2回に分割する。
その他、運動前と運動後は糖質を補給して筋グリコーゲンを満たし、筋肉の分解を防ぐことが鉄則。トレーニングしない日も同様に糖質補給を。
※エネルギーとタンパク質量はすべて身長172cm、体重65kg、35歳男性を想定して計算しています。
まずは「トレーニングがある日」の食事例
1. 朝食には、2種類のタンパク質食材を活用。
焼き豚と味玉で20gのタンパク質をカバー。残りは食パンとヨーグルトでクリアする。パンにはハーフカロリーマヨを塗り、コールスローにはマヨを使わず脂質をセーブ。
焼き豚と味玉、コールスローサンド 1人分(514kcal/タンパク質31.0g)
材料
食パン8枚切り2枚、焼き豚(薄切り)70g(7枚分)、味玉(縦半分に切る)1個、千切りキャベツ(カット野菜)80g、ハーフカロリーマヨネーズ大さじ1、レモン汁大さじ1、塩昆布大さじ1
作り方
(1)食パンは両面を焼く(フライパンで焼くとトースターより早い)。
(2)千切りキャベツにレモン汁、塩昆布を入れてよく混ぜ、しんなりするまで置く。
(3)(1)にハーフカロリーマヨネーズを塗り、焼き豚、味玉、(2)を挟み、食べやすく切る。
ニンジンヨーグルトジュース・1人分(66kcal/タンパク質2.3g)
材料
ニンジン100%果汁ジュース150ml、プレーンヨーグルト大さじ4
つくりかた
(1)ニンジンジュースとヨーグルトをよく混ぜる。
2. 10時に間食。午前中の間食でプチタンパク補給。
少しお腹が減った10時。茹で卵とおにぎりでタンパク質を15g分カバーしよう。おにぎりの具のたらこは、エネルギー代謝を促すビタミンB1の補給源でもある。
3. 昼食にカレーを食べるなら、狙い目はシーフード。
ランチの外食でカレーを食べるなら脂質の少ないシーフードがおすすめ。ライスが多めの店がほとんどなので半分に減らしてもらおう。チャイの牛乳からもタンパク質が摂れる。
4. 15時の間食では、穀物のスープを糖質補給に活用。
適量の糖質をちょいちょい摂って筋グリコーゲンを補充し、筋タンパクの分解を防ぐことが肥大を促す秘訣。カフェや自販機のスープを活用しよう。
5. 夕食その1。トレーニング前に、消化されやすい油脂少なめメニューを。
トレーニング1時間前までには摂っておきたい夕食その1。運動前だけに消化のいいうどんは推しメニュー。消化を促す大根おろしを添えて。豚肉は脂身の少ないものがベター。
TRAINING TIME
6. トレーニング後に間食。運動後は、即糖質で筋グリを補充。
トレーニング後は即タンパク質、じゃなくていの一番に糖質補給。むろん枯渇した筋グリコーゲンを補充して筋分解を防ぐため。チョコなら約20g分を。
7. 夜9時の夕食その2。缶詰や市販の惣菜をアレンジした筋肉メシ。
具材を乗せるだけの丼&市販の煮物惣菜の味付けを利用した、運動後でも手軽にいただけるメニュー。タンパク質はサバと高野豆腐からしっかり補給できる。ご飯は少なめに。
サバキムチ丼1人分(430kcal/タンパク質19.7ℊ)
材料
サバ水煮缶60g、キムチ50g、水菜1株(50g)、トマト1/4個(50g)、胚芽ご飯120g、ゴマ油小さじ1/2、白ゴマ好みで適宜
作り方
(1)キムチはざく切りに、水菜は4cm長さに、トマトはくし切りにする。
(2)器にご飯を盛って、サバ缶、(1)を乗せる。ゴマ油を回しかけ、好みで白ゴマを散らす。
ホウレンソウと高野豆腐のさっと煮1人分(62kcal/タンパク質6.5g)
材料
高野豆腐の煮物(市販)80g、ホウレンソウ4株(80g)、出汁1/2カップ
作り方
(1)ホウレンソウは5cm長さに切る。
(2)鍋に出汁を入れて煮立て、高野豆腐の煮物を入れる。再び煮立ったら(1)を入れ、しんなりしたら火を止める。
次に「トレーニングがない日」の食事例。
1. 朝食では魚、卵、豆からのタンパク質補給。これで一日をスタート。
温泉卵、ツナ、大豆など、肉以外の食材でタンパク質を補給する朝食。500kcal強に収めるためにはツナを水煮にし、サラダに使うオイルを控えめにするなどの工夫を。
ツナ、なめたけ、温玉のっけごはん1人分(430kcal/タンパク質24.7g)
材料
胚芽ご飯150g、ツナ水煮缶1缶(70g)、温泉卵1個、貝割れ菜1パック(50g)、なめたけ大さじ2、七味唐辛子適量
作り方
(1)貝割れ菜はキッチンバサミで食べやすい長さに切る。
(2)器にご飯を盛って(1)を乗せ、その上にツナ、温玉、なめたけを乗せて七味唐辛子を振る。
大豆とヒジキのサラダ 1人分(89kcal/タンパク質5.4)
材料
蒸し大豆1/4カップ(30g)、ヒジキの煮物(市販)60g、サラダミックス(カット野菜)50g、バルサミコ酢小さじ1と1/2、シソ油小さじ1/2
作り方
(1)大豆、ヒジキの煮物、バルサミコ酢、シソ油を混ぜる。
(2)器にサラダミックスを盛り、①を乗せる。
レモン炭酸水 1人分(1kcal )
2. 10時の間食。ヨーグルトは無脂肪&濃厚タイプを。
ヨーグルト(100ml)はむろん無脂肪。しかもタンパク質含有量が豊富なギリシャヨーグルトがおすすめ。サンドイッチの具はビタミンB₁を含むハムをチョイス。
3. 13時に昼食。外食の丼物は、常に小盛り狙いで。
牛丼は並盛りではなくミニ盛りをチョイスのこと。物足りないときは根菜やこんにゃくなど具材たっぷりのけんちん汁やサラダをプラスしてひもじさをフォロー。
4. 3時のおやつは、適量の糖質ドリンク。
オレンジジュース(200ml)を。昼から夜まで食事の時間が4時間以上空く場合は、トレーニングがない日でも糖質を補充しておく。せっかく肥大させつつある筋肉の分解を防ぐためだ。
5. 18:30に、最初の夕食。糖質と脂質の量を、自らの裁量で調節。
夕食1はそば屋にて。小ぶりの丼に入ったそばに、よく焼いて脂を落とした鴨をトッピング。脂たっぷりの鴨がお出ましになった場合は、脂肪と皮を剝いでからいただこう。
6. 19:30に間食。日本伝統スイーツで本日の糖質補給。
スポーツ愛好者の栄養補給アイテムとしてすっかりお馴染みになったスティック羊羹。2回目の夕食までの間の糖質源として40g見当をモグモグ。
7. 21時に夕食。休養日に限っては、アルコールの導入もOK。
トレーニングのない日は主食をアルコールに置き換えてもよし。ただし350㎖限定。つまみは良質のタンパク源、マグロと納豆を使ったおかずと、エビの入った生春巻きで。
5色マグロ納豆1人分(186kcal/タンパク質17.1g)
材料
マグロ赤身ブツ切り50g、ひきわり納豆小1パック(30g)、冷凍オクラ5本(60g)、たくあん(細切り)30g、海藻(乾燥)5g、醬油小さじ1と1/2、シソ油小さじ1/2
作り方
(1)オクラは解凍し、海藻は水戻しする。
(2)器にマグロ、(1)、納豆、たくあんを盛り合わせ、醬油、シソ油をかける。
生春巻き(市販)1人分(70kcal/タンパク質7.5g)
ビール(350ml)1人分(140kcal/タンパク質1.1g)